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頭すっきり、やる気に満ちた体に生まれ変われる『新しい体を作る料理』|料理レシピ本大賞2024ノミネート作

6月24日(月)、第11回となる2024年度「料理レシピ本大賞 in Japan」の一次選考通過タイトルが発表されました(関連記事)。

総エントリー数112作品の中から一次選考を通過したのは、料理部門・大賞の33作品、お菓子部門・大賞の5作品、料理部門・ジャンル賞(こどもの本賞、エッセイ賞、コミック賞)15作品の全53作品。一部の書店店頭では、それら候補作を集めたフェアがスタートしています。

ほんのひきだしでは、一次選考を通過したタイトルの中から話題のレシピ本を、短期連載形式でご紹介します。ぜひ、書店店頭に足を運んで本書を手に取り、気になる料理にトライしてみてください。

料理レシピ本大賞」は、出版社各社がエントリーした料理レシピ本から、書店員と料理専門家が「わかりやすく作りやすい」「日本の食文化や食育に貢献できる」「おいしい、お客様に薦めたいと感じる」などの基準で投票し、得票数で受賞作を決定するものです。受賞作品の発表は、9月10日(火)の予定です。

 

【Vol.6】料理部門・大賞ノミネート作『新しい体を作る料理』

今回、ご紹介するのは、料理部門・大賞にノミネートされている『新しい体を作る料理』(すみれ書房)です。

『新しい体を作る料理』

著者:たかせさと美
発売日:2023年6月
発行所:すみれ書房
判型:A5判
定価:1,980円(本体価格1,800円)
ISBN:9784909957283

 

「体がゆっくり変わっていく」体験から生み出したレシピ集!

本書の最大の特色は、すべてグルテンフリー&白砂糖カットのレシピとなっているところです。

著者のたかせさと美さんはかつて、低血糖の症状(フラフラする)や肌荒れ、便秘、肩こり、腰痛などの症状に悩まされていました。

どれも病気以前の「未病」と呼ばれる症状で、病院に行くほどではなかったのですが、添加物をなるべく控え、グルテンフリーと白砂糖カットの食生活に変えたところ、少しずつ体が変わり不調が解決していきました。

不調が消えただけではなく、頭が冴え、情緒も安定し、いつも穏やかな気力に満ちている「新しい体」を手に入れたのです。そんな「体がゆっくり変わっていく」体験から生み出したレシピ集が本書です。

グルテンフリーと白砂糖カットのやり方も、ていねいに記されています。

小麦と白砂糖には、常習性があり、どうしても「パンが食べたい!」「お菓子が食べたい!」という発作が起きます。その発作を逃す間食についても、紹介しています。

プロセスの多くを写真で示しているため、疲れているときは文字を読むのもつらいものですが、ラクに読み進めることができます。

 

本が180度開く特殊製本を採用。ページが勝手にめくれてしまう、料理中のイライラが解消でき、ストレスなく料理に取り組めます。

 

『新しい体を作る料理』おすすめの料理3品を紹介!

ここからは、本書のおすすめの料理3品を紹介します。まずは「トマトと油揚げの煮物です。

著者が開いている子ども料理教室で大好評だったメニューです。使う調味料は、みりんとしょうゆのみ。手順もシンプルなのに、滋味深い味わいです。

 

2品目は「米粉のお好み焼き」です。

軽くて胃もたれしない優れものの一品です。グルテンフリー生活で「粉ものが食べたい!」となったときには特におすすめです。

最後は、「春巻きバナナ」です。

白砂糖のおやつは食べだしたらやめられないのですが、これは少量で満足できて「やめられる」おやつです。カリッ&トローリでノンシュガーとは思えないおいしさです。

 

著者から読者、書店員に向けメッセージ

たかせさんは、「食で人を助ける」ことにみずからの使命を見出し、グルテンフリーのケータリング「kizagisu」を主宰しているほか、食育料理教室écolle ocatteを開講し、地域の子どもに食文化の大切さを伝えています。そんなたかせさんから、読者や書店員の皆様にメッセージを寄せていただきました。

「どん底状態の人が、自炊をして元気になる」ことを目的に、実際に料理して食べてもらえることを本気で考えて作った1冊です。

慢性疲労、便秘、肩こり、腰痛、肌荒れなど、自身のつらかった経験から研究したレシピを、さらにシンプルに極めました。

グルテンフリーを、無理せずゆるく楽しく続けてほしいというメッセージをこめたところ、読者の方から「あたたかく、やさしい本」「レシピ本なのに涙が出た」という感想をいただき、とてもうれしかったです。

【たかせさと美さんのプロフィール】
料理人・食育活動家。調理師専門学校卒業後、外資系ホテル、個人オーナー店などで研鑽を積む。自身の体調不良の経験からグルテンフリーのレシピ研究に取り組み、薬膳食の学びを深める。「食で人を助ける」ことにみずからの使命を見出し、食育料理教室を開講。子どもたちに食文化を伝えている。グルテンフリーのケータリング「kizagisu」主宰。