今回の文庫ランキング第1位は、柚月裕子さんの『教誨』でした。実の娘と、近所の女児を殺めたとして死刑を執行された女性を巡る長編小説で、遺骨と遺品を受け取った吉沢香純が、最期の言葉に遺された「謎」に迫っていくという内容です。
- 教誨
- 著者:柚月裕子
- 発売日:2025年02月
- 発行所:小学館
- 価格:891円(税込)
- ISBNコード:9784094074338
吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味が気になっていた――。
(小学館公式サイト『教誨』より)
第5位は、原田ひ香さんの『その復讐、お預かりします』でした。理不尽な出来事に傷ついた者たちが訪れる「復讐屋」を舞台にしたユーモアあふれる復讐劇で、男に騙されて職を失った美菜代が、復讐屋の高額な依頼料を払うために押しかけ秘書になり――という内容です。
2024年12月に発売された作品ですが、発売から2か月経過した現在も堅調な売上をキープして前回の第7位からランクアップしました。
- その復讐、お預かりします
- 著者:原田ひ香
- 発売日:2024年12月
- 発行所:双葉社
- 価格:814円(税込)
- ISBNコード:9784575528169
恋と仕事を同時に失い深く傷ついた美菜代は、自分を裏切った元彼への復讐を心に誓い、凄腕だと噂される復讐屋・成海慶介の事務所を訪れる。しかし、セレブからのみの依頼を受ける成海には復讐の代行を断られてしまう。美菜代は仕方なく、秘書として成海の事務所で働きながら「復讐」の極意を学ぼうとするが……。理不尽な出来事に苦しみ、一人で辛さを抱えた時に、味方になってくれる一冊が新装版として再登場。読むほどに気持ちが晴れていく、自分の人生を取り戻すための物語。(旧題:『復讐屋成海慶介の事件簿』)
(双葉社公式サイト『その復讐、お預かりします』より)
そのほかの新刊では、第6位に岡本さとるさんの時代小説シリーズ『巡り合い 仕立屋お竜』、第9位に松下龍之介さんの『一次元の挿し木』が初登場しました。
- 巡り合い
- 著者:岡本さとる
- 発売日:2025年02月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:825円(税込)
- ISBNコード:9784167923297
- 一次元の挿し木
- 著者:松下龍之介
- 発売日:2025年02月
- 発行所:宝島社
- 価格:900円(税込)
- ISBNコード:9784299064042
週間文庫ランキング TOP10
※ランキングについて※
・調査期間:2025年2月3日~2月9日 日販調べ
・★印は、調査期間内に発売された新刊です
第11位~第20位
第21位~第30位
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・『世界でいちばん透きとおった物語 2』、『家裁調査官・庵原かのん』が初登場|週間文庫ランキング(2025年2月4日調べ)