2021年本屋大賞第2位となった青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』が、アメリカの『TIME』が発表する「2023年の必読書100冊」(THE 100 MUST-READ BOOKS OF 2023)に選ばれました。
『TIME』に今年、唯一選ばれた日本人作家の本
アメリカの雑誌『TIME』では、毎年、世界各国の小説、ノンフィクション、詩集の中から、「今年の必読書100冊」(THE 100 MUST-READ BOOKS)を発表しています。
今年は、青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』(英題:What You Are Looking For Is in the Library/訳:Alison Watts)が唯一の日本人作家の本として選ばれました。
なお、この「今年の必読書100冊」には、過去に『夏物語』(川上未映子著)、『地球星人』(村田沙耶香著)、『地球にちりばめられて』(多和田葉子著)などが選ばれています。
選評では、「本の力」を見せられたと評価
選評では、『TIME』の編集者Annabel Guttermanさんが、『お探し物は図書室まで』における登場人物の描き方から著者による人物への共感と、細部へのこだわりを認め、特に「本の力」を希望に満ちた形で表現してみせたことを評価しています。
- お探し物は図書室まで
- 著者:青山美智子
- 発売日:2023年02月
- 発行所:ポプラ社
- 価格:814円(税込)
- ISBNコード:9784591176016
2021年本屋大賞第2位!!
「お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?」
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。(ポプラ社公式サイト『お探し物は図書室まで』より)
海外翻訳版多数!世界中で愛されるハートウォーミングな小説
2020年11月に刊行され、2021年本屋大賞第2位を受賞し、2023年3月に文庫化された『お探し物は図書室まで』は、累計発行部数が38万部を突破した人気作です。
年齢を問わず幅広い世代の読者を元気づけてきた作品で、国内にとどまらず、海外の読者にも愛されています。
韓国語版、朝鮮語版(以上2021年)、台湾語版、イタリア語版、フランス語版、ポルトガル語版(以上2022年)、中国語版、英語版(以上2023年)と世界各国での刊行が続いています。
著者・青山美智子さんのコメント
今回の選出にあたり、著者の青山美智子さんからコメントが届いています。
国や言語が異なっても、世界中の人々が共通に抱く思いがあるのだと教えていただけた気がします。大変嬉しく、光栄に思っています。そして、作品を読まれた海外の方々が日本に興味を持ってくださり近くに感じてくださったら、なお嬉しいです。
【著者プロフィール】
青山美智子(あおやま・みちこ)
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系の新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て執筆活動に入る。
デビュー作『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞受賞。『猫のお告げは樹の下で』は第13回天竜文学賞受賞。『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』で2021・2022年本屋大賞第2位。『月の立つ林で』で2023年本屋大賞第5位。他の著書に『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』『月曜日の抹茶カフェ』『マイ・プレゼント』『いつもの木曜日』『ユア・プレゼント』『リカバリー・カバヒコ』など。
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