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『お探し物は図書室まで』インタビュー:青山美智子が紡ぐ物語の「やさしさ」の正体

青山美智子さん『お探し物は図書室まで』書影

2017年に『木曜日にはココアを』でデビュー後、『猫のお告げは樹の下で』『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』と作品を重ね、日々の疲れをほっとやわらげる、やさしい物語で人気の青山美智子さん。

11月9日(月)に発売された5作目の小説『お探し物は図書室まで』は、町の図書室の“不愛想だけど聞き上手な司書さん”による思いもよらない選書とかわいい付録で、悩める5人の主人公がそれぞれに少し前へ進んでいく物語です。

今回のインタビューでは、青山さんの綴るお話がもつ「やさしさ」の正体を、じっくりお話を聞くことで探っていきます。

青山美智子さん『お探し物は図書室まで』

青山美智子 あおやま・みちこ
1970年生まれ、愛知県出身。横浜市在住。大学卒業後、シドニーの日系新聞社で記者として勤務。2年間のオーストラリア生活ののち帰国、上京。出版社で雑誌編集者を経て、執筆活動に入る。第28回パレットノベル大賞(小学館)佳作受賞。デビュー作『木曜日にはココアを』(宝島社)が第1回宮崎本大賞を受賞。同作と2作目『猫のお告げは樹の下で』(宝島社)が未来屋小説大賞入賞。ほか『鎌倉うずまき案内所』『ただいま神様当番』。

お探し物は図書室まで
著者:青山美智子
発売日:2020年11月
発行所:ポプラ社
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784591167984

 

コロナ禍の始まりとともに書き始めた“2度目のデビュー作”

―― 今作『お探し物は図書室まで』には、“仕事”に対する思いも境遇もさまざまな5人の主人公が登場します。青山さんは小説家としてデビューされるまで、新聞記者や雑誌編集者として働いていらっしゃったんですよね。“仕事”というものを、どのように考えていらっしゃいますか?

「自分じゃない誰かが、それによっていい思いをすること」だと思っています。それは社会人になる前も、会社で働いていたときも、小説家になった今も変わっていません。

実際に仕事をしているときって、「仕事をこなすこと」が大部分を占めてしまって、その先にいる誰かが喜んでくれていることを忘れてしまうことが多いですよね。でも、蛇口をひねれば水が出ること、スイッチを押せば電気が点くことって、当たり前じゃないんです。絶対に、その先に、誰か働いてくれている人がいる。そうやって、社会は回っているんだと思います。

コロナ禍は、それをいっそう強く感じるきっかけになりました。ステイホームが推奨される一方で、本当は家にいたいけれど、それまでと同じように外へ出ていかなければならなかった人もいる。これまでと変わらず仕事をするために、働き方を変えた方も多くいました。「みんなが同じようにこれをやればいい」というものは、なかったと思います。

昨年8月に「仕事をテーマにお話を書きませんか」と編集者の三枝さんからお声がけいただいて、ちょうど『ただいま神様当番』を執筆中だったので「これが脱稿したら」とお約束し、年末に脱稿したので「設定の打ち合わせを」とお会いしたのが、今年の1月末。そのときは、こんなふうになるなんて思いもしませんでした。

執筆がコロナの流行・日常の変化とともにあったこと、テーマが「仕事」であること、初めてポプラ社さんで本を出させていただいたこと、ちょうど5冊目だということ……。書き終えた今、すごく運命的なものを感じていますし、私自身が今作を通して「小説で何がしたいのか」が明確になったこともあって、これで2度目のデビューをしたといってもいいくらい、『お探し物は図書室まで』はターニングポイントになった一冊です。

コロナがなければ、同じ「仕事」がテーマでもこういう本にはならなかったと思いますし、私自身も「なぜ本を作りたいのか」という“探し物”が見つかっていなかったかもしれません。

―― そもそも青山さんが「小説家になりたい」と思ったきっかけは、何だったのでしょうか。

初めて「小説家になりたい」と思ったのは、14歳のときです。私、中学1年生のときに引っ越しをして、転校したんです。でも最初なかなかクラスに馴染めなくて、休み時間は本を読んで過ごしていました。

そんな頃に本屋さんで出会ったのが、氷室冴子さんの『シンデレラ迷宮』です。表紙がすごく気に入って、コバルト文庫なら自分のお小遣いで買えたので、すぐさま買って読みました。それで衝撃を受けたのが始まりです。

物語の仕立ても面白かったですが、一番は、主人公の利根ちゃんにものすごく感情移入したこと。利根ちゃんが、不思議な世界でいろんな人物と関わりながら成長し前へ進んでいく物語なんですが、「お話の中に自分が入っていく感覚」をそこで強烈に体験しました。それから真似をするように書き始めて、ノートにシャープペンシルで、自分の挿絵つきで書いたのが“最初の小説”でした。「ああ、私は小説家になりたい」と思って……、そこから長かったですね。47歳でデビューしたので、33年かかりました。

―― その間、ずっと書いていらっしゃったんですか?

そうなんです! 怖いでしょう!?(笑) 「子どもの頃から小説家になりたかった」という人はたくさんいると思いますけど、なかなかデビューできないまま、それでもずーーっと小説は書いていたんです。

―― 怖くないです(笑)。でも、そうそうできることじゃないと思います。

サークルに入って同人誌で小説を書いたりはしていたんですけど、それではデビューできないですよね。それで25歳のときに、新人賞への応募を始めました。でも、一次選考にたまに残るくらいで、ことごとく引っかからなくて……。やっとの思いで、2003年、33歳のときに第28回パレットノベル大賞で佳作をいただいたんですが、それも小説家デビューにはつながりませんでした。

そこからまた応募を再開して、2007年には「街灯りの向こうに」が第1回ショートストーリーなごやの佳作に入選したんですが、それも、映画にまでなったのに小説家にはなれず……。すぐ目の前にあるはずなのに、あと一歩のところに届かない。そんな時期が長く続いて、その頃はすごく辛かったです。

書いた小説の評価は、いつも「構成や文章はうまいが、オリジナリティがない」。「普通すぎる」って、何度も言われました。1度編集者の方に読んでもらえたことがあるんですが、そのときも「毒がない」「いい人すぎる」と。それから官能小説やミステリーに挑戦してみたりもしましたが、やっぱりいい評価はもらえませんでした。

 

普通すぎる、毒がない……それでも揺るがなかった「小説を書く楽しさ」

―― それでも書くのをやめなかったのは、なぜですか。

やめるきっかけがなかったんです。年齢制限はないし、資格もいらないし、パソコンが1台あれば書けるでしょう。だから諦めるタイミングもきっかけも、なかったんですよね。

――『お探し物は図書室まで』にも、「村上春樹がデビューしたのは30歳だ」「でも、それも過ぎちゃいそうだからあわてて次を探した。浅田次郎がデビューしたのは40歳だ」というセリフが出てきますね。励みになるものは実はなんでもよくて、「書きたい」という気持ちがすべてな気がします。

私、謙遜でもなんでもなく、できないことや苦手なことがすごく多いんです。だから人一倍、好きなことに敏感なんだと思います。書いたからって誰にも褒められなかったし、逆に書かなくたって怒られなかった。ただ本当に、作中の彼と同じように「書きたい」という気持ちしかなくて、その衝動に素直に、あらゆるエネルギーを注いできたんだと思います。

便宜上「小説家になるのが『夢』だった」と言ってはいますけど、もはや「夢」とも思っていなくて、ただ「やりたいからやっている」、これまでもいまも、それだけなんです。浅田次郎さんもはるかに超えて、47歳でやっとデビューできました。

実は私、「もっと毒がないと」と言われていたとき、「得意な作家さんがもうたくさんいらっしゃるんだから、そういうのは私の持ち場ではないんじゃないかな」と思っていたんです。だから『木曜日にはココアを』でデビューできたのは、すごくラッキーだったと思います。もしミステリーや官能小説が審査を通ってしまっていたら、私は自分が一番書きたいのではないものを、それからも書くことになっていたかもしれませんから。時間はかかりましたけど、それもきっと、私に一番いいタイミングだったんでしょうね。

2作目の『猫のお告げは樹の下で』からついてくださった担当編集さんに、自分に足りないもの、意識しなければならないことを本当にたくさん教えてもらって、それが3作目、4作目につながって、ようやく今のスタイルが確立できました。

……とはいっても、デビューできたことが、いまだに夢のような気がしています。朝起きて自宅の本棚に5冊並んでいるのを確認する日もたびたびありますし、本屋さんに行くたびに「私の本が並んでる!」「本当に小説家になったんだ、よかった」とほっとしています。

 

探し物のヒントはいつでも、その人が〈勝手に〉見つけるもの

スーパーの婦人服売り場で働く21歳の「朋香」、経理部で淡々と働きながら“辞めたい”という思いがちらつき始めた35歳の「諒」、妊娠・出産によってキャリアに変化が訪れた40歳の元雑誌編集者「夏美」、一度は就職したもののつまづいてしまった30歳ニートの「浩弥」、定年退職を迎えた65歳の「正雄」。――『お探し物は図書室まで』は、彼ら1人ひとりにフォーカスした全5編からなる、“探し物”にまつわる物語。

――『木曜日にはココアを』から今作『お探し物は図書室まで』、5冊いずれも連続短編集の形式をとっていらっしゃいますよね。“連続短編集”に、特別な思いがあるのではと思っているのですが。

同じものを見ても、同じ状況にあっても、人によって捉え方ってまったく違いますよね。「物語の真実が人の数だけある」「何が起きたかという“事実”より、それを見たときに“どう見えるのか”」というのが、人生であり、興味深いなと思っています。

たとえば『お探し物は図書室まで』には、小町さんという司書が登場しますが、初対面の相手がびっくりするほど大柄な彼女のことを、ある人は「ベイマックスのようだ」と言い、ある人は「鏡餅みたいだ」と言います。その「◯◯みたいだ」というなにげない比喩も、1人ひとりのバックボーンが「◯◯みたいに見せている」わけです。連作短編集は、そういうことを書くのにぴったりなんですよね。

それから、私、お菓子のアソートセットって好きなんです。いろんなものが1つの箱や袋の中に入っているのって、それだけでわくわくしますよね。

―― わかります。味わいが違うけれど一つひとつそれぞれにおいしくて、大好物を食べ進めるのとは、また違った幸せがありますよね。ちなみに、5章通してキーパーソンとなる司書の「小町さん」というのは……。

実は、2作目(『猫のお告げは樹の下で』)の登場人物の1人なんです。その頃の小町さんとは、苗字も職業も変わっているんですけどね。

編集の三枝さんが小町さんのことを気に入ってくださっていて、私もすごく好きなキャラクターだったのでまた会いたかったし、小町さんなら司書としてもいい仕事をしてくれるだろうと思って、再登場してもらいました。

前の作品ではほんのちょっとしか登場しませんでしたが、彼女のいい部分――多くは語らず、必要なものだけをポン、と落として、あとは受け取った人の自由にさせてくれるところ――を、今作でもブラさず、むしろおおいに発揮してもらいました。

小町さんのそういうところって、小説のよさとすごく近いんです。誰かに助言するって、何をどう伝えるかも難しいけど、それ以上に受け取る側の能力がすごく問われるんですよね。小説のいいところは、「あなたはこうすべきです」と読者に面と向かって言わないこと。同じ話でも、それぞれが自分の物語として読み、それぞれに反応して、それぞれ違うものを受け取って、「勝手に」自分のものにしていくんです。

小町さんに出会った5人も、小町さんの「思いもよらない選書」と「本の付録」をきっかけに変わっていきますが、彼らのことをあれこれ考えて選ばれたものではなく、小町さんの言葉を借りれば「てきとう」。別の人にその選書リストと付録を渡したっていい。朋香ちゃんが『ぐりとぐら』に再会し、フライパンの付録を受け取ったから、あの物語になったんです。

私も、今作を書いていて「ああ、だから私は本が好きで、小説を書きたかったんだ」と、抱いていた思いがクリアになりました。

―― 図書館ではなく「図書室」というのもポイントですね。

本って、読書好きのためのものじゃなくて、誰に対しても扉が開かれているものなんです。本が好きとか、どうしても本が必要でやってきたわけではなく、なりゆきで図書室へ立ち寄ることになり、偶然本に出会い、変化のきっかけが生まれる……。そういう物語にしたくて、地域のコミュニティハウス内にある図書室を舞台にしました。施設の一角にあるこじんまりした感じもぴったりだし、小町さんがいつも同じ場所にいて、誰でも小町さんに会いに来られて、お金がかからないところという条件にも当てはまっていたので。

それからコミュニティハウスって、本と同じように、実は誰にでも開かれていてとっても面白いところなんです。ウクレレ教室をやっていたり、寄席や講演会、バザーがあったり……、私も子どもが生まれてから何度もお世話になっていて、皆さんにそういう場所があることを知ってもらえたらという思いもありました。

―― 過去作にも『猫のお告げは樹の下で』ならミクジ、『鎌倉うずまき案内所』には双子のおじいさん、『ただいま神様当番』には神様というキーパーソンが登場しますね。今回“ちょっと不思議な存在”ではなく“働く人間”にしたのは、なぜでしょう。

実は私にとっては、ミクジたちにも「ファンタジーな存在」という意識があまりないんです。三枝さんと今作の構想について話していたときに、「介在させるのは人間にしましょう」ということになりました。

〈三枝さん〉『猫のお告げは樹の下で』を読んだとき、小町さんの出てくる章だけは、ミクジのお告げをきっかけに、小町さんが主人公に寄り添うことで展開していたのが印象に残っていました。きっかけはミクジだけれど、主人公が、小町さんとのコミュニケーションの中で変わっていく。だから今回は、リアルなものを装置にして、本当にどこかの図書室で起きていそうなお話にしていただきたいとお話ししました。

―― なるほど。「本の付録」の羊毛フェルトも、実体を持ったリアルなものですね。本に付録をつけるというのがそもそもユニークだし、大柄な小町さんが、小さなミニチュアをちくちく作っているというギャップにも微笑んでしまいました。

小学生の頃、「りぼん」とか「なかよし」の付録が毎月すごく楽しみだったんです。だからそもそも「付録」というものに対して、すごくいい印象を持っていたんです。

構想の段階では、選書リストの最後に「フライパン」と書いてあるとか、そういう“言葉”を付録にしようと思っていました。でも、三枝さんとのやりとりで「ミニチュア玩具のような、お守りのように持っておけるものを」「それならハンドメイドがいいな」とどんどん具体的になっていって、最終的に羊毛フェルトにしようと。

羊毛フェルトなら、作業しているときにレファレンスを頼まれてもすぐ脇へよけておけるし、壊れる心配がない。針1本で何でも作れてしまうというのも、奥が深いですよね。

 

“2度目のデビュー”を果たしたいま、思うこと

―― 主人公たちが小町さんから受け取る選書リストには、実在の本が記されていますよね。小説もあれば、科学の本も絵本も、詩集もあり、バラエティ豊かです。

さあ取りかかるぞと思った矢先に自粛期間になってしまったので、本屋さんや図書館にも行けず、選書にはちょっと苦労しました。最初は自分が持っている本からいくつか選んで、それをとっかかりに片っ端からあれこれ調べ、ピンとくるものを探していった感じです。ネット書店も入荷待ちのものが多く、1冊1冊じっくり読んで選ぶというわけにはいきませんでしたが、「この状況でピンときたなら間違いない」と自分の直感を信じることにしました。

そんななかでも最初から決めていたのは、『ぐりとぐら』と『月のとびら』です。石井さんは占星術で知られていますが、『月のとびら』は占いというより、占いとの付き合い方を書いたエッセイ。石井さんの書く文章って、その美しさも魅力なんですが、なにより、このなにかと生きづらい世の中を、すべて肯定するところから始まっているところが素敵なんです。2013年に刊行されたものも、2年前に発売された新装版もどちらも持っていて、ずっと大切にしています。

でも、実在の本を物語に登場させるって、少し怖かったんですよね。本を題材にした小説はたくさんありますが、皆さんすごいなあといつも思います。

―― 物語を作り込んでから本を選びましたか、それともまず本を選ばれましたか。

いくつか本を選んでからと思っていましたが、本屋さんに行けない状況になってしまって、先に物語を作り込むことにしました。

5人のキャラクターを考えたあと、最初に話が浮かんだのは朋香ちゃんの章(第1章)です。でも、書くのに時間がかかったのもこの章でしたね。なにせ初めての出版社で、初めての編集者さんと作る本だったので、自分自身にものすごくプレッシャーをかけてしまって。「三枝さんが面白いと言ってくれた過去作は、私だけの力でできたものではないから……」「期待はずれだったと思わせてしまったらどうしよう」と、初稿を出すのが本当に怖かったです。でも、お返事に細かく嬉しい感想を書いてくださって「ああ、よかった」「受け入れてもらえたんだ」と安心しました。

〈三枝さん〉青山さんの物語って、ちょっと嫌なことがあってもいい面をすくい取ろうとする、常に視点がポジティブなところが素敵なんです。それから連作短編集って実はすごく書くのが難しいんですけれど、1つひとつの章にきちんと意味があって、どの章を読んでもぐっとくる瞬間があり、それでいて1冊を大きなメッセージが貫いている。ご一緒できて、あらためてよかったなと思っています。

―― もし特に思い入れのある主人公がいたら、教えてください。

5人ともそれぞれに私を投影していますが、書き上げてみて自分にすごく近いなと思ったのは、第4章の浩弥くんです。書いているときはまったく意識していなかったんですが、人付き合いが下手で、図鑑や生物の本が好きだった子どもの頃の自分と、彼はすごくシンクロしているなと思います。

それから、彼はこの本のなかで、一番“探し物”をちゃんと見つけられた人物のような気がします。自分のことを「ダメな人間だ」「自分には何もできない」と思っているけれど、自らの変化によってその呪縛から解き放たれる。あらためて読んでみると、5つの章のうちこのお話だけ、図書室の小町さんやのぞみちゃんの言動もちょっと違うのがわかると思います。

―― それでは最後に、“2度目のデビュー”をされたいま、これからについてどんなことを考えていらっしゃいますか。

書きたい物語は本当にたくさんあって、毎日増えていきます。地球上にいま約77億人いて、少なくとも77億の物語があると思ったら、それだけでもうワクワクしてしまうくらい。電車に乗っていても、目の前に10人座っていたとしたら、10人全員お話に書きたいですね。自分のことを平凡だと思っている人こそ、きっと本当は面白いし、書き手として興味深いんですから。

―― 青山さんならきっと、電車に自分以外誰も乗っていなくても、それを物語に書かれるんだろうなあと思います。

うわあ~~~、いいですね! 車掌さんがたまに来たりしてね……。

こうなってくると、200年は生きないと、たぶん書ききれないですね(笑)。

―― きっと次回作も、近いうちに拝読できると楽しみにしています。このたびはありがとうございました!

 

『お探し物は図書室まで』に登場する本たち

『お探し物は図書室まで』で、登場人物たちが出会う5冊の本。彼らがどういういきさつで図書室を訪れ、この本から何を受け取るのか、ぜひ想像をふくらませてみてください。

ぐりとぐら
著者:中川李枝子 大村百合子
発売日:2007年06月
発行所:福音館書店
価格:1,100円(税込)
ISBNコード:9784834000825
英国王立園芸協会とたのしむ植物のふしぎ
著者:ガイ・バーター 北綾子
発売日:2018年01月
発行所:河出書房新社
価格:2,530円(税込)
ISBNコード:9784309253718
月のとびら 新装版
著者:石井ゆかり
発売日:2018年03月
発行所:CCCメディアハウス
価格:1,320円(税込)
ISBNコード:9784484182056
ビジュアル進化の記録
著者:ロバート・クラーク デビッド・クアメン ジョセフ・ウォレス 渡辺政隆
発売日:2017年12月
発行所:ポプラ社
価格:7,150円(税込)
ISBNコード:9784591155530
げんげと蛙 4版
著者:草野心平 長野ヒデ子
発売日:2015年07月
発行所:銀の鈴社
価格:2,420円(税込)
ISBNコード:9784877862633

 

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