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デビュー10周年を迎えた阿部智里が書き継ぐ繊細で壮大なファンタジー:わが店のイチオシ本(vol.54 三省堂書店有楽町店)

全国の書店員さんが、もっともお勧めの本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。

第54回は、東京都千代田区にある三省堂書店有楽町店の係長・山口奈美子さんのご登場です。

今回、山口さんが紹介してくださったのは、シリーズ累計180万部突破した阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」。人の形に変じることのできる八咫烏の一族が統治する世界を描く、人気異世界ファンタジーです。

デビュー10周年を迎えた著者を今後も長く応援していきたいという山口さんに、著者と作品の魅力について綴っていただきました。

★「八咫烏シリーズ」最新作はこちら

烏の緑羽
著者:阿部智里
発売日:2022年10月
発行所:文藝春秋
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784163916026

烏の緑羽
著者:阿部智里
発売日:2022年10月
発行所:文藝春秋
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784163916026

 

ミリオンセラーも納得の読み応え「八咫烏シリーズ」

三省堂書店有楽町店は、有楽町駅前にある総合書店。「楽しい」が「有る」町「有楽町」の名に恥じないよう、ご来店いただいたお客様へ新しい出会いが提供できる売り場づくりを目指しています。

ビジネス書、実用書、絵本、ノンフィクション。書籍のジャンルはさまざまですが、そんな中でファンタジー小説は読んでいる人を空想の世界へ連れていき、現実世界をひと時忘れさせながらも読み終えた時には新たな教訓を得て帰ってこられる、そんなジャンル。

小野不由美さん、荻原規子さん、上橋菜穂子さんなど日本にもレジェンド級の作家さんが数多くいらっしゃいますが、今回ご紹介させていただくのは阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」です。

第19回松本清張賞を受賞した『烏に単は似合わない』からはじまるシリーズは、現世に隣接する異世界「山内(やまうち)」が舞台。主人公は人の姿に変身することができる三本足の大烏、八咫烏たち。

とにかく魅力的なキャラクターたちが悩み、迷い、成長していく様を応援しつつ見守り、なかなか進展しない関係にやきもきしたりイライラしたり。周到に仕掛けられた謎、強敵との闘いなど日本神話にも通じる世界観で紡がれる物語は、視点を少し変えるだけで全く違った景色が見え、キャラクターの性格から行動の意味までガラッと変わってしまう仕掛けがいっぱい。最新刊を読むとまた1巻から読み直してみたくなってしまうという、ミリオンセラーになるのも納得の読み応えで、第1部完結時には山内の未来に思いをはせ胸がいっぱいになったものです。

……が、これですんなり大団円といかないところが阿部智里。物語はファンを阿鼻叫喚の地獄絵図に叩き落した第2部へと続いていきます。

昨年、作家デビュー10周年を迎えた阿部智里さん。この先10年、20年と応援していきたい作家さんです。小説として紡ぎだされる詳細で壮大な世界はもちろん、お茶目でちょっぴりうっかりさんな著者本人そのものをのぞき見できるWeb連載のコラム「作家の羽休み」も大変魅力的ですので、ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。
▲昨年10月の『烏の緑羽』の発売時には、街路に面したガラス張りのスペースで色彩鮮やかに展開

▲店内ではコーナーを使い、著者のサイン色紙や烏の羽をつけたPOP、シリーズ作品とともに高さを出した配置が目を引く

◆作り手からのメッセージ◆
阿部智里さんのデビュー作から続く「八咫烏シリーズ」。このシリーズは毎回驚くような展開が待ち受けているので、それを新刊が出る度にしかと受け止め、そして盛り上げてくださる書店員の皆様はまさに応援団です。
まだまだ続く八咫烏の世界、その行く末をぜひ一緒に見守ってください。
(文藝春秋 文藝出版局第二文藝部 本川明日香さんより)

 

三省堂書店有楽町店(Tel.03-5222-1200)

〒100-0006 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館 1・2F


(「日販通信」2023年3月号「わが店のイチオシ本」より転載)