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文喫 六本木が「実験室」をスタート “本を読む”から飛び出す新しい体験をデザイン

“入場料のある本屋”として話題の「文喫 六本木」が、このたび、「本を読む」にとどまらない新たな体験をデザインするプロジェクト「文喫の実験室」をスタート。9月22日(金)に「公開大研究会」と題したキックオフイベントが開催され、3組のクリエイターとともに考案した3つの体験のプロトタイプが披露されます。

「文喫の実験室」は、本との出会いから始まる豊かな経験を、「本」というかたちや「読む」「聞く」などの行為に限定せず、新鮮で、かつ、現代に暮らす人々の生活スタイルにしっくりなじむようリデザインする試み。「公開大研究会」で披露されるのは、映像作家のくろやなぎてっぺいさんメディアアーティストの木原共さんデザイン・アートユニット「Playfool」とそれぞれタッグを組んで制作した「ものがたりトラベル」「むかしむかし あるところにいた私」「ブックマーククラブ」のプロトタイプです。

 

日常に物語を“重ねる”実験:「ものがたりトラベル」

文喫実験室 ものがたりトラベル

映像作家としてだけでなく、音楽や企画など多方面で活躍している、くろやなぎてっぺいさんと考案した体験。街の風景に物語を重ねることで、ユーザーのモードを従来の「旅」や「街歩き」からスイッチさせるリトラベルサービスです。

たとえば「廃校」を目の前にしたとき、「SF的視点」「ホラー的視点」「青春ストーリー的視点」と視点を変えると、目につくものも、風景から感じるものもがらりと変わります。見えるもの・感じるものが変わると、とる行動も変わります。行動が変わることで、思いもよらなかった場所にも足を運び、新たな街の魅力を知ることになるかもしれません。

9月22日の公開大研究会では、六本木を舞台にしたホラーシナリオでめぐるツアープログラム「幸福の黒い本」が用意されています。

 

物語に“入り込む”実験:「むかしむかし あるところにいた私」

文喫実験室 むかしむかしあるところにいた私

「思索のための玩具」をテーマに実験的なゲームやインスタレーションを開発している、メディアアーティストの木原共さんと考案した体験。子どもの頃から親しんできた童話に登場し、AIとの対話によってさまざまに展開が変化するストーリー生成サービスです。

「あの物語の主人公がもし自分だったら、あの場面でどんなふうに振る舞って、物語はどんな結末を迎えるのだろう?」。パーソナライズは、物語への没入感にどう影響するのか。AIとの物語共創が、読者と本との関係性をどう変えるのかを実験します。

 

読書の時間と体験を“分かち合う”実験:「ブックマーククラブ」

文喫実験室 ブックマーククラブ

「あそびと個々人の主体性との相互作用」を関心テーマに、幅広い手法で制作を続けているユニット「Playfool」と考案した体験。一人でなく、複数人で読むことで「本を読む」行為をリデザインする、共同読書サービスです。一冊の本を分かち合い、複数人で書き込みながら読むことで生まれる新しい体験を提案します。

9月22日に披露されるのは、本をオンラインで共有し、お互いにメモを書き入れたり落書きしたりできる共同読書補助ツールです。自分とは異なる解釈や着眼点に触れることで、一人では得られなかった読書体験ができるだけでなく、一緒に読んだ仲間への興味も掻き立てられるはず。本の内容とは無関係な雑談や落書きも、一人では読み通せなかった本を読み進める後押しになるかもしれません。

 

「公開大研究会」では3つの“実験”の可能性を考えるトークセッションも

9月22日開催の「文喫の実験室 公開大研究会」では、3つのプロトタイプの体験ブースが設けられるとともに、会場内にて、それぞれの可能性を深掘りするトークセッションも行われます。

トークセッションには、樋口恭介さん(SF作家/編集者/コンサルタント)をはじめとする3名のゲストが登壇。「旅と物語」「AIと物語のパーソナライズ」「ナラティブとコミュニティ」というテーマで、文喫ブックディレクターの有地和毅さんとともに語り合います。

「文喫の実験室 公開大研究会」の参加チケットは、Peatixにて販売中です。

 

開催概要

日時:2023年9月22日(金)19:00~22:00(開場18:30)
会場:文喫 六本木(〒106-0032 東京都港区六本木6-1-20 六本木電気ビル1F)
参加費:1,000円(税込・1ドリンク無料)

〉〉イベント詳細・申し込みはこちら

 

「文喫の実験室」ステイトメント
本がわたしたちに与えてくれるもの。
視点の拡張・変換、心理・行動の変化……本の効能は、人生や、世界をゆたかに変えるもの。
しかし、読書のために必要な「読む」「聞く」といった行為は、昨今のライフスタイルの変容により、ハードルの高い行為となりつつあります。
文喫は、多様なクリエイター、パートナー、生活者のみなさんとともにここから新しい「文化を喫する」スタイルを実験していきます。