「アンパンマンの本」「やなせたかし」2024年ベストセラーランキング発表
世代を超えて愛されている、誰もが知る国民的ヒーロー「アンパンマン」。現在、その生みの親であるやなせたかしさんと妻・暢さんの夫婦をモデルにしたNHK連続テレビ小説「あんぱん」が放送されており、作品はもとよりお二人の人生にも注目が集まっています。
幼少期は劣等感に悩み、戦争も経験し、作品が大ヒットしたのは70歳近くになってから。それまで苦難の日々を送りながらも夢を忘れず、晩年まで平和を願い、愛と勇気を込めた作品を作り続けたやなせさん。代表作の「アンパンマン」は数多の関連本が出版される人気となり、2018年にはフレーベル館刊行のアンパンマン絵本の累計発行部数が8,000万部を突破したと発表されています(アニメイラスト本含む)。
「アンパンマン」以外でも、平和と暴力の本質を問う『チリンのすず』やライオンの子どもを主人公に愛と別れを描いた『やさしいライオン』といった絵本や、『ボクと、正義と、アンパンマン』などのエッセイ、「手のひらを太陽に」の作詞や詩集、童話と、たくさんの作品を遺しました。
また、やなせさんの素顔や人生を知ることのできる評伝なども刊行されていますので、ドラマ化でその生き方がたどれるいま、書籍でも作品とともにやなせさん自身について触れてみるのもおすすめです。
そこで今回は、「アンパンマンの本」とそれ以外のやなせさんの著作にわけて、2024年の販売冊数をもとにそれぞれ集計したベストセラーランキングをお届けします。各作品の内容もあわせてご紹介しますので、ランキングを参考に、ぜひ書店店頭で気になる1冊を手に取ってみてください。
※ランキングは2024年の販売冊数を集計しています(集計期間:2024/1/1~2024/12/31)
※シリーズ作品は一つにまとめています
※日販調べ
「アンパンマンの本」2024年に一番人気の作品は…?!
「アンパンマンの本」で2024年に一番人気があった作品は、『アンパンマン ころころえほん』でした。
『アンパンマン ころころえほん』は、低年齢から楽しめる「ベイビー・アンパンマン」シリーズの1冊です。同シリーズはウレタン素材の『やわらかパズルえほん』や音の出る絵本、さがし絵本など、現在計17冊が刊行されています。
窓をスライドさせたり、くねくねした線に沿って食べものを転がしたり。指で動かす、本を傾けるなど動作をともなって遊べる本書は、指先が発達し、つかむ、つまむといった、いろいろな動きができるようになる1~2歳の時期にぴったりです。さまざまなしかけを動かすことで、手先の器用さや好奇心を育むことができる、親子一緒に楽しめるしかけ絵本です。
『アンパンマン ころころえほん』(「ベイビー・アンパンマン」シリーズ)
原作:やなせたかし、作画:トムス・エンタテインメント
発売日:2024年1月
発行所:フレーベル館
定価:1,320円(税込)
ISBN:9784577051580
丸をころがして…窓をスライドさせて…指で動かして遊ぶ、アンパンマンのしかけ絵本。指先のトレーニングにも!
(フレーベル館公式サイト『アンパンマン ころころえほん』より)
「アンパンマンの本」2024年 ベストセラーランキング第2位~第5位
第2位『アンパンマンをさがせ!ミニ(1)』(「アンパンマンをさがせ!ミニ」シリーズ)
- アンパンマンをさがせ!ミニ 1
- 著者:やなせたかし K&B 石川ゆり子 東京ムービー
- 発売日:2002年08月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:880円(税込)
- ISBNコード:9784577025017
持ち運びに便利な『アンパンマンをさがせ!(1)』のミニサイズ版! アンパンマンといっしょに、たくさんの仲間たちをさがそう。
(フレーベル館公式サイト『アンパンマンをさがせ!ミニ(1)』より)
■そのほかのシリーズ作品に、(2)(3)、「BLUE」「RED」「GREEN」があります
第3位『アンパンマンぷっくりシールブック』
- アンパンマンぷっくりシールブック
- 著者:やなせたかし トムス・エンタテインメント
- 発売日:2021年10月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:1,320円(税込)
- ISBNコード:9784577049976
ぷっくりした質感のあるアンパンマンシールが32枚ついた豪華なシールブック!
(フレーベル館公式サイト『アンパンマンぷっくりシールブック』より)
■そのほかのシリーズ作品に、『アンパンマンぷっくりシールブック アンパンマンのせかい』があります
第4位『ミニミニ アンパンマン』(「どこでもアンパンマン ミニブック」シリーズ)
- ミニミニ アンパンマン
- 著者:やなせたかし トムス・エンタテインメント
- 発売日:2020年12月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784577048863
アンパンマンの形をした、どこでもお話が楽しめるミニブック! パトロールにやってきたアンパンマンは、ばいきんまんに出会い……。
(フレーベル館公式サイト『ミニミニ アンパンマン』より)
■そのほかの「どこでもアンパンマン ミニブック」シリーズ作品はこちら
第5位『アンパンマンはじめてのことばえほん〈わくわく〉』(「アンパンマンはじめてのことばえほん)シリーズ
- アンパンマンはじめてのことばえほん〈わくわく〉
- 著者:やなせたかし トムス・エンタテインメント
- 発売日:2016年02月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:1,298円(税込)
- ISBNコード:9784577043424
動物、食べ物、体、色…アンパンマンといっしょに、いろいろな「ことば」を覚えよう! はじめての図鑑にぴったり!
(フレーベル館公式サイト『アンパンマンはじめてのことばえほん〈わくわく〉』より)
■そのほかのシリーズ作品に、『ぐんぐん』『にこにこ』『すくすく』があります
【こちらもおすすめ!】
『あんぱんまん』
『あんぱんまん』は1973年、月刊絵本「キンダーおはなしえほん」に初めて掲載された作品で、50周年を控えた2022年、内容はそのままに、「新装版」が発売されました。タイトルは、「幼児向け絵本」という理由からひらがなで表記されており、あんぱんまんの外見もいまとは少しイメージは違いますが、その内容はまさに「みんなのヒーロー」です。
本書とあわせ、「やなせたかしのあんぱんまん1973」シリーズとして、『あんぱんまんと ごりらまん』『あんぱんまんと ばいきんまん』『アンパンマンと ムシバラス』『それいけ! アンパンマン』『アンパンマンと もえるほし』の計6冊が刊行されています。やなせたかしさんの思いのこもった原点ともいえる作品たちも、この機会にぜひ読んでみてください。
- あんぱんまん 新装版
- 著者:やなせたかし
- 発売日:2022年07月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:1,397円(税込)
- ISBNコード:9784577050255
困っている人がいると、どこからか飛んできて顔を食べさせてくれる。アンパンマン絵本の始まりであり、原点を描いた不朽の名作。
(フレーベル館公式サイト『あんぱんまん』より)
「やなせたかし」2024年に一番人気の作品は…?!
やなせたかしさんの2024年に一番人気があった作品は、『ボクと、正義と、アンパンマン』でした(アンパンマンの絵本やキャラクター関連書をのぞく)。
本書は、アンパンマンが生まれた背景や子どもたちから学ぶ純粋な心などを通じて、やなせさんの創作に向き合う姿勢から生き方、温かな人柄までが伝わってくるエッセイ集です。「ボクと、正義と、アンパンマン」「子どもは先生」「人生はよろこばせごっこ」「女の子・男の子」「表紙の取れた本」の5章からなり、絵本同様、やなせさんが伝え続けた正義や生き方についてのメッセージが込められた一冊となっています。
『ボクと、正義と、アンパンマン』
著者:やなせたかし
発売日:2022年2月
発行所:PHP研究所
定価:1,628円(税込)
ISBN:9784569851518
アンパンマンに思いを込めてメッセージを送り続けた著者が、人の優しさ、心の痛み、生き方を綴った心温まるエッセイ集。
(PHP研究所公式サイト『ボクと、正義と、アンパンマン』より)
「やなせたかし」2024年 ベストセラーランキング第2位~第5位
第2位『何のために生まれてきたの?』
- 何のために生まれてきたの?
- 著者:やなせたかし
- 発売日:2024年06月
- 発行所:PHP研究所
- 価格:880円(税込)
- ISBNコード:9784569904061
69歳でアンパンマンが大ヒット。苦しい時もユーモアと好奇心を忘れなかった著者が、半生を振り返りつつ前向きに生きる秘訣を語る。
(PHP研究所公式サイト『何のために生まれてきたの?』より)
第3位『わたしが正義について語るなら』
- わたしが正義について語るなら 新装版
- 著者:やなせたかし
- 発売日:2024年06月
- 発行所:ポプラ社
- 価格:979円(税込)
- ISBNコード:9784591182093
国民的ヒーロー「アンパンマン」を産みだしたやなせたかしが、半生を通じて向き合った「正義」のあり方とは
(ポプラ社公式サイト『新装版 わたしが正義について語るなら』より)
第4位『人生なんて夢だけど』
- 人生なんて夢だけど
- 著者:やなせたかし
- 発売日:2005年02月
- 発行所:フレーベル館
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784577030080
あるときは漫画家、またあるときは絵本作家、歌手……。マルチクリエイターとして活躍したやなせたかしが人生を自ら綴った一冊。
(フレーベル館公式サイト『人生なんて夢だけど』より)
第5位『やなせたかし詩集』
- やなせたかし詩集
- 著者:やなせたかし
- 発売日:2024年11月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:990円(税込)
- ISBNコード:9784309421520
たったひとりで生れきて/たったひとりで死んでいく/人間なんてさみしいね……「てのひらを太陽に」「アンパンマンのマーチ」他、抒情詩人やなせたかしの代表作を収める。
(河出書房新社公式サイト『やなせたかし詩集』より)
著者のプロフィール
やなせたかし
1919年生まれ、高知県出身。東京⾼等⼯芸学校⼯芸図案科(現千葉⼤学)卒業後、東京⽥辺製薬宣伝部に⼊社。徴兵され復員後は⾼知新聞社で雑誌編集を担当。1947年上京、三越百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を開始。舞台美術、作詞、ラジオ・テレビの構成も⼿がける。1967年、「ボオ⽒」で週刊朝⽇マンガ賞受賞。1973年創刊の雑誌『詩とメルヘン』(サンリオ)の編集⻑を務めた。同年『あんぱんまん』(フレーベル館 ⽉刊絵本『キンダーおはなしえほん』)発表。1988年にテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」が放送を開始し、国⺠的⼈気を博する。作詞に「⼿のひらを太陽に」、絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』など多数。2013年永眠。