人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. 本と人
  3. ほん
  4. 編集者がおすすめ!❝全員死んでる系ミステリー❞ブームはこの小説から始まる!

編集者がおすすめ!❝全員死んでる系ミステリー❞ブームはこの小説から始まる!

4月の発売直後から、SNSで「“全員もう死んでる”設定が斬新すぎる」と話題になり、即重版となった五条紀夫さんの『クローズドサスペンスヘブン』。

その面白さに、「新潮ミステリー大賞」の選考委員である湊かなえさん、道尾秀介さんも太鼓判を押す❝新感覚❞ミステリーの魅力について、新潮文庫nex副編集長の小川寛太さんにご紹介いただきました。

クローズドサスペンスヘブン
発売日:2023年4月
発行所:五条紀夫
価格:693円(税込)
ISBN:9784101802619

俺は、間違いなく殺された。なのに、ここはどこだ? 気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、現世で惨殺された6人が、記憶を無くした状態で、この天国屋敷に返り咲いたらしい。俺は誰だ? なぜ、誰に殺された!? 俺たちは真相を知りたい――。館(やかた)ものクローズドサークルに新風を吹き込む「全員もう死んでる」ミステリ。

〈新潮社公式サイト『クローズドサスペンスヘブン』より〉

 

面白過ぎる「全員もう死んでいる」系ミステリー

「面白いのでもったいない」
「大賞として単行本で刊行するより、むしろ新潮文庫nexで出した方が向いているのではないか」

第9回新潮ミステリー大賞の選考会で選考委員の湊かなえさんと道尾秀介さんがそうおっしゃるのを聞いて、私はひそかにガッツポーズをしました。最終候補となっていた五条紀夫さんの『クローズドサスペンスヘブン』は、奇抜な設定と登場人物たちの軽妙なやりとりが面白過ぎるので、大賞を逃したとしてもぜひ新潮文庫nexで刊行させていただきたいと思っていました。

もう選考会の途中から、お二人のお名前と「お墨付き!」の太鼓判を押した文庫のオビのイメージがフワフワ頭の中に浮かんでいました。

▲実際の『クローズドサスペンスヘブン』の帯の裏面がこちら

 

会議で「館(やかた)ものクローズドサークルに新風を吹き込む“全員もう死んでる”系ミステリー爆誕!」というキャッチコピーを発表したところ、営業担当からは「そんな“系”はあるの?」と突っ込まれました。「いや、全員死んでる系ミステリーの大ブームは、この一冊から始まるのだ!」と大見得を切ってしまいました(なのでミステリー作家の皆様、ぜひ次作構想は、いま流行りの「全員死んでる」系をご検討ください!)。

有難いことに事前にゲラを読んでいただいた全国書店員さんたちにも大好評をいただきまして、新人作家としては異例のサイン本まで作らせていただくことになりました。

発売初日から大展開してくださった紀伊國屋書店 新宿本店さんをはじめ、全国の書店さんで大プッシュをしていただいたおかげさまで、瞬く間に品切れ店続出・発売即重版決定となりました。

▲紀伊國屋書店 新宿本店での展開のようす

 

発売日前夜に行われた新潮ミステリー大賞の贈呈式では、選考委員の先生方や後援の東映の方々を前に、壇上に上がった五条紀夫さんが「長いタイトルですが、覚えてください! はいせーの!」とタイトルを4回も復唱させて、私の顔をひきつらせました(「もう一回!」があと一回多かったら壇上から引きずり降ろそうと思いました)。

今になって思えば、あの時の会場全体を包み込んだ「クローズドサスペンスヘブン!」のコール・アンド・レスポンスが何か良い言霊のようなものになって、発売直後からの「口コミで話題沸騰!」の状況を生み出してくれたのかもしれません。流石です、五条さん。

(新潮文庫nex副編集長 小川寛太)