【売上ランキング】朝井リョウおすすめ小説10選｜2023年最新

「朝井リョウ」2023年書籍（小説）ベストセラーランキング発表

大学在学中に執筆した『桐島、部活やめるってよ』が小説すばる新人賞を受賞し、作家デビューした朝井リョウさん。そのデビュー作は、2012年に神木隆之介さん主演で実写映画化され、日本アカデミー賞の最優秀作品賞を受賞しました。

その後、会社員として勤務しながら作家活動を続け、2013年には『何者』で、直木賞史上初の平成生まれの受賞者かつ、男性受賞者としては最年少者となり、メディアでも大きな話題となりました。

朝井さんは、青春をテーマにした爽やかな作品から、社会の違和感を浮き彫りにする重厚な作品まで、幅広いジャンルを執筆されています。フィクションでありながら、読者の実体験が思い起こされるような共感性の高い作風や、特徴を鋭くとらえた人物描写が魅力です。読んだ後は、社会や自分の生き方を見つめ直すきっかけを与えてくれる作品が多く、幅広い年代に親しまれています。

また、朝井さんの文章は読みやすく、読書が苦手な人や普段あまり読書をしない人もさくさくと読み進められるのも特徴です。

今回は、朝井さんの書籍（小説）で、2023年の販売冊数を集計したベストセラーランキングをご紹介します。ランキングをご参考に、ぜひ書店店頭でお好みの1冊を手に取ってみてください。番外編のエッセイもおすすめです！

※ランキングは2023年の販売冊数を集計しています（集計期間：2023/1/1～2023/12/31）
※日販調べ

 

2023年に一番人気の作品は…？！

朝井リョウさんの書籍で、2023年に一番人気があった作品は、『正欲』でした。

本作は、朝井さんが「生き延びるために本当に大切なものとは、何なのだろう。小説家としても一人の人間としても、明らかに大きなターニングポイントとなる作品です」とコメントしており、SNSでも「読む前の自分には戻れない」「力づけられた」などと反響を呼んだ作品です。

物語は、不登校の息子を持つ検事・啓喜、初恋に悩む女子大生・八重子、そして秘密を抱える契約社員・夏月の三者の視点から展開されます。彼らの人生が交錯し、多様性を尊重する時代においてもなお、不都合なつながりが明らかになり、普遍的な感情や倫理的ジレンマを探求していきます。

昨年11月には稲垣吾郎さん、新垣結衣さんが出演した実写映画が公開されて話題となり、累計発行部数は50万部を超えています。

『正欲』
著者：朝井リョウ
発売日：2023年6月
発行所：新潮社
定価：935円（税込）
ISBN：9784101269337

自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繫がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。

（新潮社　朝井リョウ作家生活10周年記念作品『正欲』特設サイトより）

 

「朝井リョウ」2023年書籍（小説）ベストセラーランキング第2位～第10位

第2位『スター』

国民的スターって、今、いないよな。…… いや、もう、いらないのかも。
誰もが発信者となった今、プロとアマチュアの境界線は消えた。新時代の「スター」は誰だ。
「どっちが先に有名監督になるか、勝負だな」
新人の登竜門となる映画祭でグランプリを受賞した立原尚吾と大土井紘。ふたりは大学卒業後、名監督への弟子入りとYouTubeでの発信という真逆の道を選ぶ。
受賞歴、再生回数、完成度、利益、受け手の反応――
作品の質や価値は何をもって測られるのか。私たちはこの世界に、どの物差しを添えるのか。

ベストセラー『正欲』と共に作家生活10周年を飾った長編小説が待望の文庫化。

（朝日新聞出版公式サイト『スター』より）

 

第3位『死にがいを求めて生きているの』

植物状態のまま眠る青年と見守る友人。二人の間に横たわる“歪な真実”とは？　平成に生まれた若者たちが背負った、自滅と祈りの物語。

（中央公論新社公式サイト『死にがいを求めて生きているの』より）

 

第4位『何者』

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。

（新潮社公式サイト『何者』より）

■シリーズ作品『何様』（『何者』アナザーストーリー6篇）

 

第5位『桐島、部活やめるってよ』

バレー部のキャプテン・桐島の突然の退部が、5人の高校生達に波紋を起こして……。至るところでリンクする、17歳の青春群像小説。第22回小説すばる新人賞受賞作。

（集英社公式サイト『桐島、部活やめるってよ』より）

 

第6位『世にも奇妙な君物語』

異様な世界観。
複数の伏線。
先の読めない展開。
想像を超えた結末と、それに続く恐怖。
もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。
待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。
各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに――。
では始めましょう。朝井版「世にも奇妙な物語」。

（講談社BOOK倶楽部『世にも奇妙な君物語』より）

 

第7位『どうしても生きてる』

死んでしまいたいと思うとき、そこに明確な理由はない。心は答え合わせなどできない。（「健やかな論理」）
尊敬する上司のSM動画が流出した。本当の痛みの在り処が写されているような気がした。（「そんなの痛いに決まってる」）
生まれたときに引かされる籤は、どんな枝にも結べない。（「籤」）
等鬱屈を抱え生きぬく人々の姿を活写した、心が疼く全6編。

（幻冬舎公式サイト『どうしても生きてる』より）

 

第8位『少女は卒業しない』

取り壊しの決まっている地方の高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎える、それぞれの「別れ」を、瑞々しく繊細に描く。切なくも力強いメッセージが光る全7話。

（集英社公式サイト『少女は卒業しない』より）

 

第9位『もういちど生まれる』

バイトを次々と替える翔多。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、背中を押される爽快な青春小説。

（幻冬舎公式サイト『もういちど生まれる』より）

 

第10位『発注いただきました！』

これが本当の「お仕事小説」だ！　直木賞作家・朝井リョウが、名だたる有名企業からの「ご依頼」に応えに応えた作品集！　発注内容→作品→感想戦と、赤裸々な構成でお届けします。

（集英社公式サイト『発注いただきました！』より）

 

【番外編】「朝井リョウ」おすすめエッセイ

2023年の書籍の売り上げが上位だったものの、小説ではないため惜しくもランク外となった朝井さんのユーモアあふれるエッセイ集「ゆとりシリーズ」をご紹介します。

本シリーズは三部作で構成されており、ゆとり世代である朝井さんがゆるいノリで綴った笑えるエッセイです。子ども時代のエピソードから、学生時代のやらかし話、家族や友人との面白おかしいやり取りなど、実体験や周りの人々とのエピソードを包み隠さず綴っています。

「ゆとりシリーズ」1作目の『時をかけるゆとり』では、朝井さんの上京の日々、就活、社会人生活などが描かれています。続巻では、さまざまなエピソードの後日談も語られているため、刊行日の古い順から読むことをおすすめします。ぜひ、朝井さんの飾らない日常を描いた作品をお楽しみください。

 

■『時をかけるゆとり』（「ゆとりシリーズ」1作目）

就活生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。この初エッセイ集では、天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』改題。“圧倒的に無意味な読書体験”があなたを待っている！？

（文藝春秋公式サイト『時をかけるゆとり』より）

 

■『風と共にゆとりぬ』（「ゆとりシリーズ」2作目）

読んで得るもの特にナシ！　500枚超の楽しいことだけ詰まった大ボリュームエッセイ集。

対決！レンタル彼氏／ポンコツ！会社員日記／冒険！朝井家、ハワイへ／諦観！衣服と私
失態！初ホームステイ／本気！税理士の結婚式で余興／阿鼻叫喚！痔瘻手術、その全貌等

日経新聞「プロムナード」連載エッセイや、壮絶な痔瘻手術の体験をつづった「肛門記」を収録。また、その顛末が読める「肛門記～Eternal～」書き下ろし！

（文藝春秋公式サイト『風と共にゆとりぬ』より）

 

■『そして誰もゆとらなくなった』（「ゆとりシリーズ」3作目・完結）

『時をかけるゆとり』『風と共にゆとりぬ』に続く第三弾にして完結編。怒涛の500枚書き下ろし！　頭空っぽで楽しめる本の決定版！

修羅！腹痛との戦い
戦慄！催眠術体験
迷惑！十年ぶりのダンスレッスン
他力本願！引っ越しあれこれ
生活習慣病！スイーツ狂の日々
帰れ！北米&南米への旅etc……

一生懸命生きていたら生まれてしまったエピソード全20編を収録。楽しいだけの読書をしたいあなたに贈る一冊です。

（文藝春秋公式サイト『そして誰もゆとらなくなった』より）

 

著者のプロフィール

朝井リョウ

あさい・りょう。1989年生まれ。岐阜県出身。2009年『桐島、部活やめるってよ』で小説すばる新人賞を受賞してデビュー。『何者』で直木賞、『世界地図の下書き』で坪田譲治文学賞、『正欲』で柴田錬三郎賞を受賞。同作は50万部を超えるベストセラーとなり、映画化もされた。著書に『少女は卒業しない』『世にも奇妙な君物語』『死にがいを求めて生きているの』『スター』ほか多数。

 

『正欲』以来、3年半ぶりの新作長篇小説『生殖記』が10月2日（水）発売決定！

『生殖記』は、2022年～2023年にかけて北海道新聞、河北新報、東京・中日新聞、西日本新聞にて連載されていた作品ですが、刊行にあたって大幅な加筆修正が行われています。連載を読まれていた方も、ぜひ改めてお手にとってお楽しみください。

『生殖記』
著者：朝井リョウ
発売日：2024年10月2日
発行所：小学館
定価：1,870円（税込）
ISBN：9784093867306

 

関連記事

・朝井リョウの新刊『生殖記』が10月2日に発売決定！『正欲』以来、3年半ぶりの新作長篇小説
・朝井リョウさんがデビュー10周年を迎えた今、書きたい「不都合な問い」