料理本なのに写真集のような美しい世界の朝の風景に、思わず旅したくなる『世界の朝ごはん』｜料理レシピ本大賞2024ノミネート作

6月24日（月）、第11回となる2024年度「料理レシピ本大賞 in Japan」の一次選考通過タイトルが発表されました（関連記事）。

総エントリー数112作品の中から一次選考を通過したのは、料理部門・大賞の33作品、お菓子部門・大賞の5作品、料理部門・ジャンル賞（こどもの本賞、エッセイ賞、コミック賞）の15作品。一部の書店店頭では、それら候補作を集めたフェアがスタートしています。

ほんのひきだしでは、一次選考を通過したタイトルの中から話題のレシピ本を、短期連載形式でご紹介します。ぜひ、書店店頭に足を運んで本書を手に取り、気になる料理にトライしてみてください。

「料理レシピ本大賞」は、出版社各社がエントリーした料理レシピ本から、書店員と料理専門家が「わかりやすく作りやすい」「日本の食文化や食育に貢献できる」「おいしい、お客様に薦めたいと感じる」などの基準で投票し、得票数で受賞作を決定するものです。受賞作品の発表は、9月10日（火）の予定です。

【Vol.4】エッセイ賞ノミネート作『世界の朝ごはん』

今回、ご紹介するのは、エッセイ賞にノミネートされている『世界の朝ごはん』（パイ インターナショナル）です。

『世界の朝ごはん』

監修：WORLD BREAKFAST ALLDAY、編著：パイ インターナショナル
発売日：2023年3月
発行所：パイ インターナショナル
判型：A5変型判
定価：2,035円（本体価格1,850円）
ISBN：9784756255952

朝ごはんを通して世界の文化、歴史に触れる！

毎日限られた時間の中で作る朝ごはんは、お昼ごはんや晩ごはんと違い、シンプルで簡単な定番メニューが並びます。だからこそ、それぞれのメニューにその国ならではのストーリーがつまっています。本書では、朝ごはんを通して世界各国の文化や歴史に触れることができ、読むたびに新しい発見があります。

掲載メニュー数66か国167種という多種多様さも特徴の一つです。フランスやイギリスなどの主要国はもちろん、なかにはコスタリカやサモアなど、あまり馴染みのない国も。各地域を幅広く網羅しているので、ページをめくりながらお気に入りの朝ごはんを探してみるのもおすすめです。

そして本書の一番のポイントは、料理本でありながら写真集としても楽しめること。美しい料理の写真と、世界各国の朝の風景が満載の一冊です。朝ごはんの個性を引き立たせるかわいらしいテーブルウェアも必見。眺めるだけで思わずうっとり、旅したくなること間違いなしです。

『世界の朝ごはん』オススメの3か国の朝ごはんを紹介！

ここからは、3か国のオススメの朝ごはんを紹介します。まずは「イングリッシュ・ブレックファスト」（イギリス）です。

豪華な朝ごはんとして世界的に知られるイングリッシュ・ブレックファスト。ハイカロリーな品目は産業革命の頃、朝からエネルギー補給が必要な労働者階級に定着しました。

そんな歴史を知ると、普段何気なく食べていた定番プレートも不思議と味わい深く感じられます。

続いて「トルティージャ」（スペイン）です。

スペインを代表する家庭料理であるスパニッシュオムレツ。スペイン語での正式名称が「トルティージャ」だということは、あまり知られていないのではないでしょうか。

実はメキシコのトルティーヤは、丸く黄色い外見が似ていることから、同じ名称で呼ばれたのが始まりとされます。食を通じて世界のつながりに気づかされる一品です。

最後は「チュルブル」（トルコ）です。

卵は、日本でも朝ごはんの定番として愛される食材です。お醤油で味つけする卵かけごはんなどは、忙しい朝にぴったりですよね。しかしトルコでは卵を、ヨーグルトやニンニク、唐辛子で調理するというのですから驚きです。

メインで使う食材は同じでも、どんな調味料とあわせるかでその国らしさが表れます。ぜひいろいろな組み合わせを真似して、料理のおもしろさ、奥深さを体感してみてください！

監修者から読者、書店員に向けメッセージ

監修を務めるWORLD BREAKFAST ALLDAYの方から、読者や書店員の皆様にメッセージを寄せていただきました。