6月12日（木）、日本文学振興会より第173回直木三十五賞の候補作が発表されました。
直木賞とは：優秀な「短編・長編の大衆文芸作品」に贈られる賞
直木賞は、芥川賞と同じく日本文学振興会が昭和10年に制定。新聞・雑誌（同人雑誌を含む）あるいは単行本として発表された短編および長編の大衆文芸作品のうち、最も優秀なものに贈られ（応募方式ではない）、無名・新進・中堅作家が対象となっている。授賞は上半期・下半期の年2回。
選考委員は、浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・辻村深月・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき・米澤穂信の各氏。
第173回直木三十五賞候補作品
・逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』（早川書房）
・青柳碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』（新潮社）
・芦沢央『噓と隣人』（文藝春秋）
・塩田武士『踊りつかれて』（文藝春秋）
・夏木志朋『Nの逸脱』（ポプラ社）
・柚月裕子『逃亡者は北へ向かう』（新潮社）
ノミネートされた6人のうち、柚月さんが3回目、逢坂さん、芦沢さんが2回目の候補入り。青柳さん、塩田さん、夏木さんは初の候補入りとなりました。
選考会は、7月16日（水）に築地「新喜楽」にて開催。贈呈式は、8月下旬に都内で行われます。また受賞作は、8月22日（金）発売の『オール讀物』9・10月合併号に作品の一部と選評を掲載。芥川賞受賞作は8月8日（金）発売の『文藝春秋』9月号に全文と選評が掲載されます。
逢坂冬馬『ブレイクショットの軌跡』（2回目）
あいさか・とうま。1985年埼玉県所沢市生まれ、横浜市育ち。明治学院大学国際学部国際学科卒。2021年、「同志少女よ、敵を撃て」で第11回アガサ・クリスティー賞を受賞してデビュー。
- ブレイクショットの軌跡
- 著者：逢坂冬馬
- 発売日：2025年03月
- 発行所：早川書房
- 価格：2,310円（税込）
- ISBNコード：9784152104113
〈作品〉
『同志少女よ、敵を撃て』（早川書房）＝第166回直木賞候補、キノベス！2022受賞、2022年本屋大賞1位、第8回沖縄書店大賞小説部門大賞受賞、第9回高校生直木賞受賞
『歌われなかった海賊へ』（早川書房）＝第15回山田風太郎賞候補
『ブレイクショットの軌跡』（早川書房）＝第38回山本周五郎賞候補
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青柳碧人『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』（初）
あおやぎ・あいと。1980年8月26日、千葉県千葉市生まれ。早稲田大学教育学部卒。2009年、「浜村渚の計算ノート」で第3回講談社Birth小説部門を受賞、同年、同作でデビュー。
- 乱歩と千畝
- 著者：青柳碧人
- 発売日：2025年05月
- 発行所：新潮社
- 価格：2,420円（税込）
- ISBNコード：9784103562719
〈主な作品〉
『浜村渚の計算ノート』（講談社）
『希土類少女』（講談社）
『ウサギの天使が呼んでいる ほしがり探偵ユリオ』（東京創元社）
『むかしむかしあるところに、死体がありました。』（双葉社）＝2020年本屋大賞候補
『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』（双葉社）
『スカイツリーの花嫁花婿』（光文社）
『名探偵の生まれる夜 大正謎百景』（KADOKAWA）
『令和忍法帖』（文藝春秋）
『オール電化・雨月物語』（PHP研究所）
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芦沢央『噓と隣人』（2回目）
あしざわ・よう。1984年2月13日生まれ、東京都葛飾区出身。千葉大学文学部史学科卒。2012年「罪の余白」で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー。
- 嘘と隣人
- 著者：芦沢央
- 発売日：2025年04月
- 発行所：文藝春秋
- 価格：1,760円（税込）
- ISBNコード：9784163919713
〈主な作品〉
『罪の余白』（角川書店）＝第3回野性時代フロンティア文学賞受賞
『許されようとは思いません』（新潮社）＝第38回吉川英治文学新人賞候補
『火のないところに煙は』（新潮社）＝第7回静岡書店大賞受賞、第32回山本周五郎賞候補
『汚れた手をそこで拭かない』（文藝春秋）＝第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞候補
『神の悪手』（新潮社）＝第34回将棋ペンクラブ大賞「文芸部門」優秀賞受賞
『夜の道標』（中央公論新社）＝第76回日本推理作家協会賞（長編および連作短編集部門）受賞
塩田武士『踊りつかれて』（初）
しおた・たけし。1979年4月21日兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。2010年「盤上のアルファ」で第5回小説現代長編新人賞を受賞。翌年同作でデビュー。
- 踊りつかれて
- 著者：塩田武士
- 発売日：2025年05月
- 発行所：文藝春秋
- 価格：2,420円（税込）
- ISBNコード：9784163919805
〈主な作品〉
『罪の声』（講談社）＝第7回山田風太郎賞受賞
『騙し絵の牙』（KADOKAWA）
『歪んだ波紋』（講談社）＝第40回吉川英治文学新人賞受賞
『デルタの羊』（KADOKAWA）
『朱色の化身』（講談社）
『存在のすべてを』（朝日新聞出版）＝第9回渡辺淳一文学賞受賞
『踊りつかれて』（文藝春秋）
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夏木志朋『Nの逸脱』（初）
なつき・しほ。1989年6月1日生まれ、大阪府東大阪市出身。大阪市立第二工芸高校卒。2019年「Bとの邂逅」で第9回ポプラ社小説新人賞を受賞。2020年、同作を改題し単行本化した『ニキ』でデビュー。
- Ｎの逸脱
- 著者：夏木志朋
- 発売日：2025年01月
- 発行所：ポプラ社
- 価格：1,760円（税込）
- ISBNコード：9784591184059
〈作品〉
『ニキ』（ポプラ社）＝第9回ポプラ社小説新人賞受賞
『Nの逸脱』（ポプラ社）
『ゲーム実況者 AKILA』（スターツ出版）
柚月裕子『逃亡者は北へ向かう』（3回目）
ゆづき・ゆうこ。1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい！」大賞を受賞。2009年同作品でデビュー。
- 逃亡者は北へ向かう
- 著者：柚月裕子
- 発売日：2025年02月
- 発行所：新潮社
- 価格：2,090円（税込）
- ISBNコード：9784103561316
〈主な作品〉
『臨床真理』（宝島社）
『検事の本懐』（宝島社）＝第25回山本周五郎賞候補、第15回大藪春彦賞受賞
『孤狼の血』（KADOKAWA）＝第154回直木賞候補、第6回山田風太郎賞候補、第37回吉川英治文学新人賞候補、第69回日本推理作家協会賞（長編および連作短編集部門）受賞
『慈雨』（集英社）＝〈本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10〉第1位
『盤上の向日葵』（中央公論新社）＝第8回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞2位
『暴虎の牙』（KADOKAWA）＝第33回山本周五郎賞候補、第11回山田風太郎賞候補
『ミカエルの鼓動』（文藝春秋）＝第166回直木賞候補
『教誨』（小学館）
『風に立つ』（中央公論新社）
『逃亡者は北へ向かう』（新潮社）
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