今回の文庫ランキングは、第1位に佐伯泰英さんの『竃稲荷の猫』、第2位に宮部みゆきさんの『魂手形 三島屋変調百物語七之続』がそれぞれ初登場しました。
『竃稲荷の猫』は、1冊読切の文庫書き下ろし作品です。粋な文化の息づく江戸の下町で暮らしながら三味線職人を目指す、才能に富む若き男女を描いています。
竃稲荷の猫
著者:佐伯泰英
発売日:2023年6月
発行所:光文社
価格:836円(税込)
ISBN:9784334795405
日本橋からほど近い竈河岸の裏店で、小夏は三味線職人の父とふたり暮らしだ。父の弟弟子の善次郎は、母のいない小夏を気遣いながら、一張の三味線を造り上げることを夢見て修業に励んでいた。ふたりは力を合わせ、世にひとつしかない三味線を造り上げようとするが、さまざまな困難が襲う。才能に溢れる若き男女が、己を信じて夢に向かい進む先に待つものとは。
(光文社公式サイト『竃稲荷の猫』より)
第2位の『魂手形 三島屋変調百物語七之続』は、宮部みゆきさんが2006年からライフワークとして書き続けている江戸怪談シリーズの第7弾で、今年、第1作目の刊行から15周年を迎えました。
本作は、江戸で人気の袋物屋・三島屋の座敷を訪れた客が、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」をルールに、胸にしまってきた怖い話や不思議な話を語っていく連作短編集です。本作には、「火焔太鼓」「一途の念」「魂手形」の3編が収められています。
魂手形 三島屋変調百物語七之続
著者:宮部みゆき
発売日:2023年6月
発行所:KADOKAWA
価格:814円(税込)
ISBN:9784041134719
百物語なんかしていると、この世の業を集めますよ――。江戸は神田の袋物屋・三島屋では、風変わりな百物語が続けられている。語り手一人に、聞き手も一人。主人の次男・富次郎が聞いた話はけっして外には漏らさない。少年時代を木賃宿で過ごした老人が三島屋を訪れた。迷える魂の水先案内を務める不思議な水夫に出会ったことがあるという――。三島屋に嬉しい報せも舞い込み、ますます目が離せない宮部みゆき流の江戸怪談。
(KADOKAWA公式サイト『魂手形 三島屋変調百物語七之続』より)
そのほかの新刊では、第8位に『六人の嘘つきな大学生』、第10位に『高校事変』第15巻が初登場しました。
『六人の嘘つきな大学生』は、就活生が企業から「六人の中から一人の内定者を決める」という課題を与えられ、そこからさまざまな事件が起こる青春ミステリーです。単行本発売時には、「ブランチBOOK大賞2021」大賞を受賞したほか、数々のミステリー賞で上位にランクインしました。
これまでに漫画化や舞台化がされており、実写映画の制作も決定しています。
六人の嘘つきな大学生
著者:浅倉秋成
発売日:2023年6月
発行所:KADOKAWA
価格:814円(税込)
ISBN:9784041134016
成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。
(KADOKAWA公式サイト『六人の嘘つきな大学生』より)
文庫売上ランキング TOP10
※日販調べ
※TOP10のみ前回との順位比較を記載
※★印は集計期間中(2023年6月12日~6月18日)に発売された新刊です
第11位~第20位
第21位~第30位
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・佐伯泰英の書き下ろし新作『猪牙の娘』や、青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』が初登場|週間文庫ランキング(2023年6月13日調べ)