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第169回芥川賞候補5作が発表!2人が初ノミネート、千葉雅也さんは3回目、乗代雄介さんは4回目の候補入り

6月16日(金)、日本文学振興会より第169回芥川龍之介賞の候補作が発表されました。

 

第169回芥川龍之介賞候補作品

・石田夏穂「我が手の太陽」(群像5月号)
・市川沙央「ハンチバック」(文學界5月号)
・児玉雨子「##NAME##(ネーム)」(文藝夏季号)
・千葉雅也「エレクトリック」(新潮2月号)
・乗代雄介「それは誠」(文學界6月号)

ノミネートされた5名のうち、市川沙央さん、児玉雨子さんが初の候補入り、石田夏穂さんは2度目、千葉雅也さんは3度目、乗代雄介さんは4度目の候補入りとなりました。

選考会は、7月19日(水)に築地「新喜楽」にて開催。贈呈式は、8月下旬に都内で行われます。また受賞作は、8月10日(木)発売の「文藝春秋」9月号に全文と選評を掲載。直木賞受賞作は、8月22日(火)発売の「オール讀物」9・10月合併号に作品の一部と選評が掲載されます。

 

石田夏穂「我が手の太陽」(2回目)

 

いしだ・かほ。1991年8月2日埼玉県生まれ。東京工業大学工学部卒。2021年「我が友、スミス」で第45回すばる文学賞佳作。

〈主な作品〉
『我が友、スミス』(集英社)=第166回芥川賞候補
『ケチる貴方』(講談社)
『黄金比の縁』(集英社)

 

市川沙央「ハンチバック」(初)

いちかわ・さおう。1979年生まれ。早稲田大学人間科学部(通信教育課程)卒。2023年「ハンチバッ
ク」で第128回文學界新人賞を受賞しデビュー。

〈主な作品〉
「ハンチバック」(文學界2023年5月号)

 

児玉雨子「##NAME##(ネーム)」(初)

ⒸMiyoko Tamai

こだま・あめこ。1993年生まれ。神奈川県横浜市出身。明治大学大学院文学研究科修士課程修了。2012年より作詞家として楽曲提供を開始。2021年『誰にも奪われたくない/凸撃』(河出書房新社)で初の小説単行本を刊行。

〈主な作品〉
『誰にも奪われたくない/凸撃』(河出書房新社)
「じゃあ何から産まれたかったの?」(文藝2022年春季号)

 

千葉雅也「エレクトリック」(3回目)

Ⓒ新潮社

ちば・まさや。1978年12月14日栃木県宇都宮市生まれ。東京大学大学院博士課程修了。博士(学術)。2019年、「デッドライン」で第41回野間文芸新人賞、2021年、「マジックミラー」で第45回川端康成文学賞を受賞。

〈主な作品〉
『動きすぎてはいけない ―ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社)=紀伊國屋じんぶん大賞2013、第5回表象文化論学会賞受賞
『勉強の哲学 来たるべきバカのために』(文藝春秋)
『意味がない無意味』(河出書房新社)
『アメリカ紀行』(文藝春秋)
『デッドライン』(新潮社)=第162回芥川賞候補、第41回野間文芸新人賞受賞
『ツイッター哲学 ―別のしかたで』(河出文庫)
「マジックミラー」(文学ムック ことばと vol.1)=第45回川端康成文学賞受賞
「オーバーヒート」(新潮社、「マジックミラー」併録)=第165回芥川賞候補
『現代思想入門』(講談社現代新書)新書大賞2023受賞

 

乗代雄介「それは誠」(4回目)

のりしろ・ゆうすけ。1986年6月18日北海道江別市生まれ。法政大学社会学部メディア社会学科卒。2015年、「十七八より」で第58回群像新人文学賞を受賞しデビュー。2018年、『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞、2021年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞を受賞。2022年、同作で第37回坪田譲治文学賞を受賞。

〈主な作品〉
『十七八より』(講談社)
『本物の読書家』(講談社)=第40回野間文芸新人賞受賞
「未熟な同感者」(『本物の読書家』に併録)
『最高の任務』(講談社)=第162回芥川賞候補
「生き方の問題」(『最高の任務』に併録)
『ミック・エイヴォリーのアンダーパンツ』(国書刊行会)
『旅する練習』(講談社)=第164回芥川賞候補、第34回三島由紀夫賞受賞、第37回坪田譲治文学賞受賞
『皆のあらばしり』(新潮社)=第166回芥川賞候補
『掠れうる星たちの実験』(国書刊行会)
『パパイヤ・ママイヤ』(小学館)

 

優秀な「純文学短編作品」に対して贈られる芥川賞

芥川賞は、直木賞と同じく日本文学振興会が昭和10年に制定。新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品のうち最も優秀なものに贈られ(応募方式ではない)、主に無名もしくは新進の作家を対象としている。授賞は上半期・下半期の年2回。

選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏。

※直木賞候補作はこちら