2025年11月1日(土)から2027年末までの約2年間、神奈川県藤沢市の有隣堂藤沢店で“これからの書店”をテーマにした実験的企画展シリーズ「SAYONARA FESTIVAL」が開催されます。
その第1弾として、2025年11月1日(土)から「小さな絶滅展」がスタートします。
閉店までの2年間を“実験の舞台”に
開店60周年を迎える有隣堂藤沢店は、長年にわたり地域の皆さまに親しまれてきましたが、再開発事業に伴い2027年末をもって営業を終了する予定です。
しかし、同社は閉店までの約2年間を「お別れだけど、終わりじゃないのです。」を合言葉に、書店の未来を試す期間と位置づけました。1〜2か月ごとにテーマを変えた展示・書籍販売・イベントを展開して“本との新しい関わり方”を社会に提案していく計画です。
第1弾企画:「小さな絶滅展」

実験的企画展シリーズの第1弾のテーマは、「小さな絶滅展」です。11月1日より国立科学博物館で開催される特別展「大絶滅展―生命史のビッグファイブ」(主催:国立科学博物館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社)と同時期に、地球上で過去5回発生したとされる大規模な生命絶滅の歴史を、書籍・資料・立体展示を通して紹介します。
「大絶滅展」関連書籍、図鑑、科学エッセイなどに加え、化石や恐竜フィギュア、絶滅動物の模型などを展示販売。また、フィルムカメラやアナログレコードなど、テクノロジーの進化のなかで忘れられつつある文化資源も“絶滅危惧的カルチャー”として紹介します。
単なる懐古にとどまらず、「便利さの裏で失われる価値」を問い直す場とし、アナログ体験を通じて文化的持続性を再評価するワークショップも開催予定です。
書店という存在も、時代の変化の中で“文化の転換期”を迎えています。その意味で、藤沢店で過ごす時間そのものが“展示の一部”であり、お客様一人ひとりが“観察者であり、共創者でもある”構成となっています。
「小さな絶滅展」展示構成
■地球上では5回も生命が絶滅している
古生物学の視点から「絶滅」の歴史を辿る、ロマンあふれる導入セクション。
書籍:古生物学関連の読み物や図鑑など、多角的に「大絶滅」を読み解くラインナップ。
雑貨:化石標本、彩色済み恐竜フィギュアなど、コレクション性の高いアイテムを展開。自分で色を塗れるモデルや、木製パズルのように恐竜骨格を組み立てるモデルなど、楽しみながら太古の地球を再現できる商品を揃えます。
■ほとんどの絶滅はヒトがやらかしました
現在進行中の生物の絶滅や環境破壊に焦点を当て、ヒトと文明の関係を考えるセクション。
書籍:生物学・環境学関連の読み物や図鑑など、自然と人間の関わりを見つめ直す内容。
雑貨:絶滅危惧種の動物フィギュアや爬虫類モチーフのぬいぐるみなど、親しみやすく環境保全を意識できるアイテムを展開。楽しみながら“いのちの多様性”について考えるきっかけを提供します。
■生物だけじゃない?文化も絶滅する?
生物の絶滅から視点を転じ、ヒトが生み出してきた文化・風習・生活様式といった“古き良きもの”の消失に焦点を当てるセクション。
書籍:昭和の文化や風習、ポップカルチャー、音楽、レコード、廃墟など、時代の移り変わりとともに姿を消しつつある文化を紹介する読み物や図鑑を展開。
雑貨:昭和の食卓を彩ったレトロ食器、USEDレコードやプレーヤー、フィルムカメラ、なめ猫ステッカー、駄菓子パッケージ缶バッジ、カセット&MD型キーホルダー、昭和的エモさ漂う灰皿など、懐かしさと遊び心を感じるアイテムを揃えます。
■そして我々も絶滅するのか?
人類の未来、そして書店という文化装置の未来に思いを巡らせる締めくくりのセクション。「小さな絶滅展」のラストを飾る章として、来場者に“次の時代へ何を残すか”を問いかけます。
開催概要
有隣堂 藤沢店「小さな絶滅展」
期間:2025年11月1日(土)~2026年1月4日(日)
会場:有隣堂 藤沢店
住所:神奈川県藤沢市南藤沢2-1-1フジサワ名店ビル2~5F
        