第16回山田風太郎賞(主催:KADOKAWA)の選考会が10月20日(月)に東京都千代田区の東京會舘で行われ、大門剛明さんの『神都の証人』と遠田潤子さんの『ミナミの春』が受賞作に決まりました。
▲第16回山田風太郎賞を受賞した大門剛明さん(左)と遠田潤子さん
同賞の贈賞式および祝賀会は11月下旬に東京會舘で開催されます。受賞者には、正賞として記念品(名入り万年筆)と副賞100万円が授与されます。角川三賞として、同賞と、第45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞、第16回小説野性時代新人賞(ともに主催:KADOKAWA)の贈賞式・祝賀会も、あわせて行われます。
選評は『小説 野性時代』特別編集2025年冬号に掲載される予定です。 選考委員は、朝井まかてさん、貴志祐介さん、桜木紫乃さん、馳星周さんの4人(貴志祐介さんは欠席)です。
『神都の証人』
著者:大門剛明
発売日:2025年6月
発行所:講談社
定価:2,585円(税込)
ISBN:9784065391594
【作品内容】
理不尽な社会的抑圧が高まる我が国の在りし日。突如、冤罪により父を奪われた少女がいた。事件の謎は戦前から令和まで引き継がれ、冤罪を覆すため敢然と立ちあがった弁護士の大志もまた世代を超えて紡がれてゆく。彼らが報われる日は来るのか? 社会のひずみを壮大なスケールで活写したリーガル・ミステリーの雄の渾身作。慟哭の結末は我々に生きる意味さえ問いかける、前代未聞かつ究極の「冤罪」ミステリー。(講談社公式サイト『神都の証人』より )
【著者略歴】
大門剛明(だいもん・たけあき)。1974年生まれ。51歳。男性。三重県伊勢市生まれ。第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をダブル受賞した「ディオニソス死すべし」(刊行時『雪冤』に改題)で2009年デビュー。他の著作に『罪火』『確信犯』『獄の棘』『優しき共犯者』「正義の天秤」シリーズ(角川文庫)、『テミスの求刑』『両刃の斧』(中公文庫)、「完全無罪」シリーズ(講談社文庫)などがある。
『ミナミの春』
著者:遠田潤子
発売日:2025年3月
発行所:文藝春秋
定価:1,980円(税込)
ISBN:9784163919553
【作品内容】
愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚。痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。『銀花の蔵』で直木賞候補、いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”!
売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。(計6篇)(文藝春秋公式サイト『ミナミの春』より)
【著者略歴】
遠田潤子(とおだ・じゅんこ)。1966年、大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒業。2009年、『月桃夜』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10』第1位に、『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位に輝く。『冬雷』で第1回未来屋小説大賞を受賞、2020年『銀花の蔵』で直木賞候補に。他の著書に『ドライブインまほろば』『廃墟の白墨』『人でなしの櫻』『イオカステの揺籃』などがある。
【第16回山田風太郎賞候補作品】
- 普通の子
- 著者:朝比奈あすか
- 発売日:2024年12月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784041138373
- 飽くなき地景
- 著者:荻堂顕
- 発売日:2024年10月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:2,145円(税込)
- ISBNコード:9784041150672
- 失われた貌
- 著者:櫻田智也
- 発売日:2025年08月
- 発行所:新潮社
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784103564119
- 目には目を
- 著者:新川帆立
- 発売日:2025年01月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784041133804
- 神都の証人
- 著者:大門剛明
- 発売日:2025年06月
- 発行所:講談社
- 価格:2,585円(税込)
- ISBNコード:9784065391594
- ミナミの春
- 著者:遠田潤子
- 発売日:2025年03月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784163919553
山田風太郎賞
戦後日本を代表する大衆小説家、故山田風太郎氏の独創的な作品群と、大衆性、ノンジャンル性、反骨精神など氏が貫いた作家的姿勢への敬意を礎に、有望な作家の作品を発掘顕彰するために創設されました。毎年9月1日から翌年8月31日までに刊行された長編および短編の文芸作品(ミステリ、時代、SFなどジャンルを問わない)の中より最も面白いと思われる作品に贈られます。新人、新進、中堅作家の作品が対象となります。