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沖縄の書店員が選んだ第11回【沖縄書店大賞】決定!沖縄部門は『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』に

沖縄書店大賞TOP

4月24日(木)、沖縄県内の本屋で働く書店員が“今、いちばん読んで欲しい本!”を選ぶ「沖縄書店大賞」の発表会と授賞式が、那覇市の沖縄県立博物館・美術館にて開催されました。

第11回の受賞作は、沖縄部門の大賞が、web漫画サイト「くらげバンチ」で連載中の異文化ラブコメ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(8)』に、小説部門の大賞が、第67回群像新人文学賞、第46回野間文芸新人賞を受賞した『月ぬ走いや、馬ぬ走い』に、絵本部門の大賞が、シリーズ累計430万部を突破した「パンどろぼう」シリーズの最新作『パンどろぼうとりんごかめん』に決定しました。

授賞式には、沖縄部門大賞の空えぐみさん、小説部門大賞の豊永浩平さん、絵本部門大賞の柴田ケイコさんほか、優秀賞の受賞者も参加。また、玉城デニー沖縄県知事も参加し、「本は沖縄に親しむ入り口になる。受賞作がたくさんの人に読まれてほしい」とコメントしました。

沖縄書店大賞授賞式

▲前列左から2番目から順に、柴田ケイコさん、豊永浩平さん、空えぐみさん、玉城デニー沖縄県知事

 

大賞受賞作品

【沖縄部門】

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(8)』

沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる

著者:空えぐみ
発売日:2024年2月
発行所:新潮社
定価:770円(税込)
ISBN:9784107726827

てーるーより遅く転校してきた上妻さんが意外にも、喜屋武さんのうちなーぐちを聞き取れるようになってきたその理由とは!? 移住者先輩としての主人公の面子が丸つぶれな第8巻。

(新潮社公式サイト『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる(8)』より)

 

【小説部門】

『月ぬ走いや、馬ぬ走い』ちちぬはいや、うんまぬはい)

月ぬ走いや、馬ぬ走い

著者:豊永浩平
発売日:2024年7月
発行所:講談社
定価:1,650円(税込)
ISBN:9784065363720

第67回群像新人文学賞受賞! 新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能! 21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。
先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する!

(講談社公式サイト『月ぬ走いや、馬ぬ走い』より)

 

【絵本部門】

『パンどろぼうとりんごかめん』

パンどろぼうとりんごちゃん

著者:柴田ケイコ
発売日:2024年9月
出版社:KADOKAWA
定価:1,540円(税込)
ISBN:9784041153024

「パンどろぼう」シリーズ待望の第6弾! 今度の舞台はくだもの農園!
にわとり一家がいとなむコッコ農園へ、パンをとどけにやってきたパンどろぼう。
なにものかに農園があらされていることを知り、みまわりにでかけます。
「あ! のうえんを あらしているのは おまえたちだな!」
「うまそうなパンが あらわれたブヒ」「たべてやるブホ」
ピンチにおちいったパンどろぼう。そこに登場したのは―――?
最強にして最弱! たよれる(?)ニューヒロイン、参上!

(KADOKAWA公式サイト『パンどろぼうとりんごかめん』より)

 

受賞者のコメント

沖縄部門の大賞を受賞した空えぐみさんからは、「過去にも、準大賞をいただいた。今回は大賞に選んでいただき大変うれしい。連載当初は、まずウチナーンチュに愛される作品にしたいと思っていたが、漫画を通して沖縄のことに興味を持っていただくことができた。これからも沖縄の素晴らしいことを漫画で描いていきたい」と受賞の喜びが語られました。

実行委員会からは、ジュンク堂書店那覇店の森本浩平さんが壇上に立ち、「日本で一番売れている漫画は『ONE PIECE』だが、沖縄では“沖ツラ”が売れている。今年1月からTVアニメ化されたが、沖縄では民放3局のすべてで放送されるという前代未聞の状況(3月で終了済み)。空さんの漫画が、県民が書店に足を運ぶきっかけになっている。投票には書店員の感謝の気持ちも込められていると思う」と、その人気ぶりと選出の理由を明かしました。

小説部門の大賞を受賞した豊永浩平さんは、「タイトルは沖縄の黄金言葉(で光陰矢の如しと同じ意味を表す)。忘れられつつある沖縄の言葉を広く伝えることができてうれしい」と述べました。

絵本部門の大賞を受賞した柴田ケイコさんは、「過去に沖縄書店大賞の絵本部門で2度選んでいただいたが、今回初めて表彰式に参加できた。大変感謝している」とコメント。また、「沖縄の子どもたちにメッセージを」とのリクエストに、「現在は高知県で執筆活動を行っているが、同じ南国の匂いを感じる。これからも絵本を通じて沖縄の子どもたちにもワクワクを届けたい」と応えました。

第11回「沖縄書店大賞」ノミネート作品はこちら

 

「沖縄書店大賞」とは

「今、ぜひ多くの方に読んでもらいたい本」を選び、その素晴らしさを広めること、沖縄の読書文化を盛り上げることを目的とした、地域の書店員が主体となって運営されている賞です。受賞作は書店員のアンケートを通じて選ばれ、毎年多様な視点から感動を与える作品が選出されてきました。

対象:2024年1月1日~2024年12月31日までの1年間に刊行された書籍
・「沖縄部門」「小説部門」「絵本部門」の3つのカテゴリーで構成され、「沖縄部門」は沖縄を題材とした文芸、人文、実用、芸術、エッセイ、ガイド、ノンフィクション、絵本など(県内・県外、出版社は問わないが、県外の出版社の文庫は除外)

選考方法
・県内書店で働く書店員が「是非、多くの方に薦めたい!」と願う本を1次投票として、3部門各3作品(計9作品)を選び投票(1位3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント)
・獲得点数の多かった上位5作品を選出し、2次投票で大賞にふさわしい作品1点を改めて投票し、各部門で得票数がもっとも多かった本を大賞とする

 

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