第1回アルパカ文学賞大賞授賞式と、大賞受賞者新川帆立さんのサイン会が3月21日(金)、東京都千代田区の三省堂書店有楽町店2階特設コーナーで開催されました。第1回の大賞は、新川帆立さんの『ひまわり』です。
- ひまわり
- 著者:新川帆立
- 発売日:2024年11月
- 発行所:幻冬舎
- 価格:2,090円(税込)
- ISBNコード:9784344043541
新川 帆立(しんかわ・ほたて)
1991年生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身。宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2021年に『元彼の遺言状』でデビュー。他の著書に『剣持麗子のワンナイト推理』『競争の番人』『先祖探偵』『令和その他のレイワにおける健全な反逆に関する架空六法』『縁切り上等!』『女の国会』『目には目を』などがある。
授賞式では、新川さんが以下の通り、受賞の喜びを語りました。
▲受賞した新川さん(右)と同賞を主催する内田剛さん
【新川さんコメント】
この度は第1回「アルパカ文学賞」大賞をいただきまして、誠にありがとうございます。
この作品は、言葉の力で人と人が繋がり、さまざまな問題を解決していくことをテーマにしています。読者の皆様にも、その過程を通じて何かを感じ取っていただけたら嬉しいです。
思い返してみると、作家の仕事は決して一人では成し遂げられるものではありません。関係各所の皆様とコミュニケーションをとりながら、ようやく作品が世に出るのだと改めて実感しています。皆さんの声が大きな励みになり、創作を続ける原動力となっています。
これから先、落ち込むことがあったとしても、この賞をいただいたことを思い出し、自分を奮い立たせながら前に進み、2025年も精一杯頑張っていきたいと思います。どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
また、『ひまわり』の受賞理由について、主催する内田剛さんは「『人はどんな絶望の淵にあっても、言葉の力で生きていける』という真理を見事に文学作品として表した、に尽きます。誰かの人生を変える力のある一冊を埋もれさせる訳にはいかない。なにか冠を与えたい、そんな想いでアルパカ文学賞が生まれました。『ひまわり』との出会いがなければ、この賞はありませんでした」とコメントしました。
アルパカ文学賞とは
アルパカ文学賞は、本屋大賞創立メンバーでブックジャーナリストとして活躍する内田剛さん(三省堂書店の元書店員)が、「三省堂書店めくる塾」と連携して、1年間に刊行された文芸作品のマイベストを決める個人賞です。
第1回の選考対象の作品は、2023年12月1日〜2024年11月30日の間に刊行された(奥付に準拠)日本の小説(判型問わずオリジナルの小説)です。
選考の基準は、この1年(2024年)でもっとも印象に残った小説で、熱い言葉の力を感じさせる作品であること。内田さんは「誰かにオススメしたくなる『読後感の良さ』を重視しています。そして、過去本屋大賞にノミネートされていない作家の作品を選ぶことによって、書店の店頭で埋もれがちな良書をすくいあげたいと思います」と話しています。
第1回アルパカ文学賞の候補作は以下の通りです。
書名 | 著者名 | 出版社 | 刊行年 | 定価 | ISBN |
俺たちの箱根駅伝 (上・下) |
池井戸潤 | 文藝春秋 | 2024年4月 | 各1,980円 | 上:9784163917726 下:9784163917733 |
バタン島漂流記 | 西條奈加 | 光文社 | 2024年6月 | 2,090円 | 9784334103569 |
ソコレの最終便 | 野上大樹 | ホーム社 | 2024年6月 | 2,200円 | 9784834253849 |
アーセナルにおいでよ | あさのあつこ | 水鈴社 | 2024年9月 | 1,760円 | 9784164010099 |
おきざりにした悲しみは | 原田宗典 | 岩波書店 | 2024年11月 | 2,200円 | 9784000616652 |
責任 | 浅野皓生 | KADOKAWA | 2024年9月 | 1,870円 | 9784041153840 |
鳥と港 | 佐原ひかり | 小学館 | 2024年6月 | 1,870円 | 9784093867191 |
禁忌の子 | 山口未桜 | 東京創元社 | 2024年10月 | 1,870円 | 9784488025694 |
音のない理髪店 | 一色さゆり | 講談社 | 2024年10月 | 1,980円 | 9784065373255 |
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