第16回「小説 野性時代 新人賞」の選考結果が3月7日(金)に発表され、木野寿彦さんの「降りる人」が大賞に決定しました。
本賞は、応募総数564作品の中から最終候補3作品が選ばれ、選考委員の冲方丁さん、辻村深月さん、道尾秀介さん、森見登美彦さんによる厳正な審査を経て決定されました。選評は、「小説 野性時代」5月号(4月25日発売予定)に掲載予定です。
※受賞作は2025年中にKADOKAWAから単行本として刊行される予定です
受賞作品
■第16回「小説 野性時代 新人賞」大賞受賞作
・『降りる人』木野寿彦
〈あらすじ〉
三十歳の宮田は仕事を鬱のような状態で辞め、ほとんど外に出られなくなる。
そんな時、友人の浜野から、期間工は人と接することが少なく「人間だとは思われない、ほとんど透明」な仕事だと聞き、浜野の働く工場で期間工として働くことを決める。
単調な作業にも慣れて夏になった頃、浜野はニーチェの『ツァラトゥストラはこう言った』を読み、そこから想像したらしい「降人」という存在について、宮田に語る。
「降人」とは降りることを選択した存在で、罵詈雑言を浴びながら寝そべっている人のようなイメージだという。
そんな中、宮田は同じ期間工の鬼木に金をよこすように脅される。宮田は一度承諾するが……。
〈著者略歴〉
木野寿彦(きの・としひこ)※ペンネーム
1983年生まれ。男性。福岡県出身、福岡県在住。九州大学文学部卒業後、工場勤務や事務職を経験。
「小説 野性時代 新人賞」とは
「小説 野性時代 新人賞」は、2009年より創設された、文学新人賞です。これまでにない新ジャンルを築きあげるエンターテインメント作品を広く募集し、読む者の心を揺さぶる、将来性豊かな稀代のストーリーテラーを選出しています。
●原稿枚数:400字詰め原稿用紙換算200枚から400枚(長編1作品)
●対象作品:広義のエンターテインメント小説。恋愛、ミステリ、冒険、青春、歴史、時代、ファンタジーなど、ジャンルは問いません(ノンフィクション・論文・詩歌・絵本は除く)
※第11回より「野性時代フロンティア文学賞」が、「小説 野性時代 新人賞」に改称されました
選考委員
〉〉「小説 野性時代 新人賞」公式サイトは こちら