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BFC初代チャンピオンにMARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店の久保田理恵さん!「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」で

3月3日(月)、全国の書店員が王座をかけてフェア企画を競い合う「Book Fair Championship(BFC)」の初代チャンピオンに、「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」を応募した久保田理恵さん(MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店、静岡県)が選ばれました。

同フェアは2022年3月にMAURZEN&ジュンク堂書店新静岡店で開催されたもの。本庄静子という架空の新社会人を作り上げ、その人物が持つ不安や悩みなどを解決するヒントになる本をまとめて、フェアというスタイルで読者に提案したものです。企画内容の詳細はこちら

BFC初代チャンピオンとその企画棚

▲同日の贈呈式で再現された「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」と久保田さん

都内で3月3日に開かれた贈呈式では、チャンピオンに輝いた久保田さんが、「私が提案した企画は、本庄静子という架空の人物の悩みを本でカバーするというものでした。その企画が面白いと評価していただけたこと、そしてその評価をもらえたことに、本当に喜びを感じています。この企画は、新静岡店の皆さんと一緒に考え、お店の力を結集して作り上げたものです。みんなの協力があってこそ、リアリティのある企画に仕上がったと感じています。お店の仲間たちに心から感謝しています」と受賞の喜びを語りました。

その後に、スペシャルプレゼンターの棚橋弘至さん(新日本プロレスのプロレスラー)が久保田さんにチャンピオンベルトを巻き、「今回、チャンピオンとなった久保田さんは、次回初めての防衛戦です。次回のフェアでは、読書家の方々の予想を超えるようなサプライズがあっても面白いかもしれません。僕も3日後のタイトルマッチに向け、久保田さんと並んでチャンピオンベルトを掲げられるよう、全力で挑みます」とエールを送りました。

久保田さんと棚橋さん

▲久保田さん(左)と棚橋さん

今回のチャンピオン奪取を記念して、同フェアに登場する架空の人物「本庄静子」の3年後を軸にした「2025年版フェア」が3月15日(土)より丸善ジュンク堂書店の31店舗で開催される予定です。

 

第2位に岡田菜織さん(HMV&BOOKS SHINSAIBASHI)の「一冊書店」

第2位には「一冊書店」を企画した岡田菜織さん(HMV&BOOKS SHINSAIBASHI、大阪府)、第3位には「中万々店では1冊も売れてない悲しい俺だけどそれはキミに出会うためだったんださよならなんて言わず今すぐ連れて帰ってくれないかフェア」の鎌倉綾さん(TSUTAYA中万々店、高知県)が選出されました。

一冊書店のフェア

一冊書店のフェアとそのしおり

▲「一冊書店」のフェアと配布したしおり

「一冊書店」は、選書した本を一冊ずつ並べて、たった一人の客に届けるという架空の書店を想定したもの。対象書籍を購入した客は掲示しているPOPをしおりとして使えるように持ち帰り自由とし、その表面には書籍の中から印象に残った一文を、裏面には「一冊書店」の店名を入れリボンをつけてしおり感を出すなど手の込んだフェアです。

【企画内容抜粋】あまりたくさん本が売れる店ではないので、積めるほど発注するのはリスクが高く、かといって元棚に一冊置いていてもなかなか見つけてもらえない、だったら一冊を全力でお薦めする書店を作ろうと小さな書店の店主になった気持ちで棚を作りました。本屋さんで面白そうな本と出会う時、たくさん積まれている本よりも、棚に一冊だけあった本が自分にぴったりくる本だった時の「運命かも!」という感覚が大好きで、手に取ってくださったお客様にもその感覚を味わってほしいという思いもありました。

BFC公式サイト「一冊書店」より

 

第3位のTSUTAYA中万々店・鎌倉綾さんのフェアは、店頭で注目されずに返本される本に着目し、マッチングアプリ形式で「プロフィール」POPを作成し、売れた本の「プロフィール」も展示したものです。

TSUTAYA中万々店のフェア1

TSUTAYA中万々店のフェア ▲「中万々店では1冊も売れてない悲しい俺だけどそれはキミに出会うためだったんださよならなんて言わず今すぐ連れて帰ってくれないか」フェア

【企画内容抜粋】品出しをしていれば「何だか気になる!」「ちょっと面白そう…」「この本好きな人絶対いるだろうな」と思う本は山ほどあるけれど、すべての本に注目してもらうための工夫を凝らすことは難しく、歯痒い気持ちになるばかりだ。本との出会いは一期一会であり、すべての本は「出会うべき読者」の存在を待っている。だからこそ、その本たちは「売れない本」などではなく、まだ興味がある人に見つけてもらえていないだけなのだ。どうか、このめちゃくちゃ長いタイトルのコーナーで少しでも多くの人に注目してもらって、ぜひおうちに連れて帰ってもらいたい! 書店で本と読者の橋渡しだ! ただ、著者・出版社の方に見つかると気まずいことこの上ないフェアではある。

BFC公式サイト「中万々店では1冊も売れてない悲しい俺だけどそれはキミに出会うためだったんださよならなんて言わず今すぐ連れて帰ってくれないかフェア」より

 

また、協賛企業のOVOL日本紙パルプ商事賞は、「わたしの推し本POPコンテスト」の松本照実さん(西沢書店)が受賞しました。

同企画は、中学生・高校生が本に関心を持つきっかけをつくることを目的に、中学生・高校生からPOPを募集し、店頭に本とともに陳列したものです。西沢書店外商部を通じて学校に働きかけて728枚のPOPが集まりました。中学生・高校生に接する機会のない来店者に対して、今の中高生が推したい本をアピールした内容となっています。

協賛企業賞の西沢書店さん(右)

▲表彰された西沢書店の松本照実さん

 

第2回BFCの応募スケジュールも公開

久保田さんの防衛戦となる第2回BFCのスケジュールも公開されました。募集期間は2025年10月1日(水)~11月30日(日)​。2025年12月22日(月)にベスト10の企画が発表され、2026年2月2日(月)にチャンピオンの発表とチャンピオンベルト贈呈式が開かれる予定です。

応募要項の詳細はこちら

スペシャルプレゼンターの棚橋さんは、「BFCへのエントリーに迷っている書店員の方も、ぜひ一歩踏み出してください。挑戦しなければ何も変わらない。でも挑めば、その経験が必ず自分の力になります。行動することにこそ価値があるのです。今後のBFCも楽しみにしています」と全国の書店員に呼びかけました。

 

ベスト10のフェア企画

第1次予選を通過した、そのほか7つのフェア企画は以下の通りです。

・『ペイフォワード文庫』走る本屋さん高久書店(静岡県)/高木久直さん
・『あなたにぴったりの本~16Personalitiesのタイプで選んだとっておきの一冊~コンシェルジュ文庫2024』二子玉川 蔦屋家電(東京都)/松本泰尭さん
・『みんなのBOOKS 〜一冊だけの書店員募集〜』萬松堂(新潟県)/渡邉典朋さん
・『疑似体験職業フェア』TSUTAYAデイズタウンつくば(茨城県)/上野恵佑さん
・『米津玄師と文学』紀伊國屋書店横浜店(神奈川県)/千葉拓さん
・『3冊の本』広島 蔦屋書店(広島県)/江藤宏樹さん
・『芳林堂書店と、10冊』芳林堂書店高田馬場店(東京都)/山本善之さん

 

BFCとは

BFCは、書店で実施されているフェアを広く世に発信し、フェアを目がけて書店へ来店してくれるお客様を増やすために、書店員がフェアの腕を競い合うチャンピオンシップです。カルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「梅田 蔦屋書店」の店長であり、ひとり出版社「書肆汽水域」としても活動を行う北田博充さんが実行委員長を務め、書店からは、蔦屋書店、丸善ジュンク堂書店、正和堂書店など、出版社からはライツ社、クロスメディア・パブリッシングも参画する出版業界横断プロジェクトです。

第1回は2024年11月1日(金)~12月22日(日)の期間に、全国から154件のフェア企画応募があり、第1次選考で10件のフェアを選出。その中から、審判員の滝口悠生さん(小説家)、三宅香帆さん(文芸評論家)、久禮亮太さん(フラヌール書店)がベスト3の企画を選出しました。

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