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瀬尾まいこさんが印税の全額を書店へ 最新刊『そんなときは書店にどうぞ。』で書店を応援

そんなときは書店にどうぞ_瀬尾まいこさん

『そんなときは書店にどうぞ。』の書店マージンを50%に

12月20日(金)に刊行される瀬尾まいこさんの最新エッセイ『そんなときは書店にどうぞ。』の発行元である水鈴社は、本書の書店マージンを50%として取り扱うことを発表しました。

近年、全国で書店の閉店が相次ぎ、書店が一軒もない「無書店」の自治体も増えています。こうした状況に、瀬尾さんは『そんなときは書店にどうぞ。』の刊行にあたり、著者印税の受け取りを辞退し、その分を経営に苦しんでいる書店への応援に使って欲しいと希望されました。

水鈴社は瀬尾さんの思いを受け、出版販売会社の日本出版販売、トーハンの全面協力を得て、通常は23%~24%の書店マージンを、50%にて取り扱いすることで書店を応援します。過去にも書店マージンが50%の本はありましたが、本屋大賞受賞作家である瀬尾さんのような、著名作家の作品で実施されるのは異例です。

なお、今年のBOOK MEETS NEXTでは、10月26日(土)17時から、神保町・出版クラブにて瀬尾さんの講演が行われ、書店への思いについて語られる予定です。

 

「書店への思い」と今回の企画へのメッセージ

本書刊行にあたり、瀬尾さんと水鈴社から以下のメッセージが寄せられています。

【瀬尾まいこさんからのメッセージ】

昨今、どうしても書店さんへの思いが抑えられずにいます。家にいるのが好きで外に行くことが得意ではない私ですが、そんな私を外に駆り出してくれるものがあります。それは会いたい人の存在です。会いたい人の持つ力は何よりも強く、私を簡単に引っぱりだしてくれます。

私の会いたい人。それは、書店員さんです。

私は書店さんが大好きです。書店員さんは本を読者の方に届けてくれる大事な人というだけでなく、どうすれば本が売れるだろうとあれこれ考えてくださり、いつもどこかうきうきしている魅力的な人が多くて、お会いするとうれしくなります。そして、私が本を作るうえでの仲間だと勝手に思っています。できるだけたくさんの書店さんに行きたい。私が元気をもらうだけでなく、書店員さんに少しでも恩返しをすることができないか。そんな思いでこの本を書きました。

書店員さんと読者の方々が笑ってくださったら、こんなに嬉しいことはありません。

 

【水鈴社 代表取締役・篠原一朗さんからのメッセージ】

瀬尾まいこさんは、『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞するまで、作家が新刊を出した際などに書店にご挨拶に行く「書店まわり」という慣習をご存知なかったそうです。本屋大賞受賞後、たくさんの書店巡りをして、多くの書店員さんたちに出会った瀬尾さんは気付きます。「こんなに魅力的で楽しい場所があったのか」と。そんな書店さんとの思わず笑ってしまうエピソードの数々と、水鈴社創立第1作である『夜明けのすべて』の映画化にまつわる様々な思い出を、瀬尾さんらしい軽妙なエッセイにまとめ、書店を舞台とした書き下ろし短編小説「そんなときは書店にどうぞ。」を収録したのが本書です。現在、多くの書店が苦境に立たされていることを知った瀬尾さんは、「私の印税は書店さんを盛り上げるために使ってください」と話され、水鈴社もそれに賛同させていただきました。

本書が出版業界全体に与える影響は大きくはないかもしれませんが、一つの小さなお祭りとなり、多くの方の意識が書店に向かうきっかけとなれば、こんなに嬉しいことはありません。

 

『そんなときは書店にどうぞ。』作品紹介

そんなときは書店にどうぞ。

『そんなときは書店にどうぞ。』
著者:瀬尾まいこ
発売日:2024年12月20日(金)
発行所:水鈴社
定価:1,760円(税込)
ISBN:9784910576008
内容:
『そして、バトンは渡された』で本屋大賞受賞後、たくさんの書店巡りをして多くの書店員さんたちに出会った瀬尾まいこさん。
そんな書店さんとの思わず笑ってしまうエピソードの数々や、水鈴社創立第1作である『夜明けのすべて』が映画化された際の、出演者や監督との交流などの様々な思い出を、瀬尾さんらしい軽妙なエッセイにまとめました。
・編集者の口約束に戸惑い、謎の多い出版業界の慣習に困惑しながら書店巡りをすることになる「無敵のカルカン先輩現る」。
・本屋大賞を受賞し、全国の書店員さんたちにお祝いしていただきながら、お祭りのような日々を過ごした「そしてバトン、ゴールデンイヤー」。
・書店員さんたちの作るPOPに感動! そして用意していただいたくす玉を上手く割れなかった「くす玉を割るコツと絶景横浜」。
・主演の松村北斗さんのかっこよさに驚き、上白石萌音さんの真摯さに胸を打たれながらも鋭いツッコミを入れる「『夜明けのすべて』撮影見学記」。
・顔は怖いが心は優しい三宅唱監督とのタイマン、いや対談の様子をレポートした「ついに対談の日、来たる」。
など、全25本のエッセイを収録。
そして巻末には、書店を舞台に、吉川英治文学新人賞を受賞したベストセラー『幸福な食卓』の後日譚を描いた、書き下ろし短編小説「そんなときは書店にどうぞ。」を掲載しています。
瀬尾まいこさんの書店と書店員の方々への溢れる愛とユーモアが凝縮された、ほっこり温かく、思わず笑みがこぼれる一冊です!

エッセイは、こちらからご覧いただけます

 

【著者紹介】

瀬尾まいこさん

せお・まいこ。1974年、大阪府生まれ。2001年、「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、翌年作家デビュー。2005年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞、2019年『そして、バトンは渡された』で本屋大賞を受賞。2020年に刊行された『夜明けのすべて』は映画化され、ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されるなど、大きな話題となった。ほかの作品に『図書館の神様』『強運の持ち主』『優しい音楽』『あと少し、もう少し』『傑作はまだ』『私たちの世代は』など多数。

 

【水鈴社について】

幻冬舎、文藝春秋で文芸作品を世に送り届けてきた編集者が、2020年に立ち上げた出版社です。今年映画化された『夜明けのすべて』(著:瀬尾まいこ)や、YOASOBIと直木賞作家4名によるコラボレーションプロジェクト『はじめての』(著:島本理生、辻村深月、宮部みゆき、森絵都)、2024年本屋大賞第4位を獲得した『スピノザの診察室』(著:夏川草介)など、刊行点数を絞り、文学賞やメディアミックス展開などで注目を集める話題作をつくり続けています。

 

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