2024年7月に発売された国内小説の売上ランキングを発表します。はたして今、どんな小説が読まれているのでしょうか? 本ランキングは、小説やコミックなど出版物の性別・年代・地域ごとの売行きなどがわかるPOSデータ分析ツール「CANTERA」の調査結果に基づき、作成しています。概要は以下の通りです。
データ取得期間:2024年7月1日~7月31日
対象商品:2024年7月1日~7月31日に発売された作品
対象ジャンル:TSUTAYAジャンル「書籍/文芸書」の中の「国内小説」
〈CDP CANTERA調べ〉
第1位『サンショウウオの四十九日』
著者:朝比奈秋
発売日:2024年7月12日
発行所:新潮社
定価:1,870円(税込)
ISBN:9784103557319
周りからは一人に見える。でも私のすぐ隣にいるのは別のわたし。不思議なことはなにもない。けれど姉妹は考える、隣のあなたは誰なのか? そして今これを考えているのは誰なのか――三島賞受賞作『植物少女』の衝撃再び。最も注目される作家が医師としての経験と驚異の想像力で人生の普遍を描く、世界が初めて出会う物語。
(新潮社公式サイト『サンショウウオの四十九日』より)
7月に最も売れた国内小説は、第171回芥川賞受賞作品『サンショウウオの四十九日』でした。著者の朝比奈秋さんが、医師としての経験や独自の視点を交えて描いた本作では、結合双生児の姉妹をテーマに、その感情を丁寧に描きつつ、“肉体”と“思考”の関係について考えさせられる内容となっています。20~70代まで、男女問わず幅広い支持を得た、至高の純文学です。
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・第171回芥川賞は朝比奈秋『サンショウウオの四十九日』と松永K三蔵『バリ山行』、直木賞は一穂ミチ『ツミデミック』に決定
第2位『プラチナハーケン1980』
著者:海堂尊
発売日:2024年7月3日
発行所:講談社
定価:2,090円(税込)
ISBN:9784065358115
昭和の終わりの足音が聞こえる中、東城大学医学部総合外科の佐伯教授は、若きヒラ医局員・渡海征司郎を大抜擢した。彼は周囲の医局員の反感を買いながらも次々に高度な手術を成功させる。やがてオランダの国際学会に教授の名代として送り出された渡海は、その地で新たな因縁と巡り会う。
そして帰国後、ある患者のカルテに不審を抱いた彼は、佐伯外科の深い闇へ足を踏み入れていく……。(講談社BOOK倶楽部『プラチナハーケン1980』より)
海堂尊さんの大人気メディカル・エンターテインメント「ブラックペアン」シリーズの最新作『プラチナハーケン1980』が第2位にランクインしました。本作はシリーズの主人公・渡海征司郎(とかい・せいしろう)の重要な過去を描いていることもあり、ファン必読の一冊となっています。また、第一作となる『ブラックペアン1988』の8年前が舞台となっているため、シリーズ最初の一冊としても楽しめそうです。
タレントの二宮和也さんが主人公を演じるドラマ「ブラックペアン~シーズン2~」も放送中です。ドラマを楽しんでいる方も、ぜひ、原作小説を手に取ってみてください。
第3位『狐花 葉不見冥府路行』
著者:京極夏彦
発売日:2024年7月26日
発行所:KADOKAWA
定価:2,310円(税込)
ISBN:9784041152096
時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は“この世に居るはずのない男”だった――。
この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、“憑き物落とし”を行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。(KADOKAWA公式サイト『狐花 葉不見冥府路行』より)
先月の発売時にほんのひきだしで紹介した京極夏彦さんの最新作『狐花 葉不見冥府路行(きつねばな はもみずにあのよのみちゆき)』がランクインしました。歌舞伎の舞台での上演を念頭に書かれた本作では、「百鬼夜行」シリーズの主人公、中善寺明彦(通称:京極堂)の曽祖父が怪異に挑みます。妖怪を通じて、人間の本質を暴き出す見どころはそのままに、舞台の劇的な場面展開を想像しながら楽しめる作品です。
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・京極夏彦と歌舞伎がコラボ!歌舞伎舞台化のための新作ミステリ『狐花 葉不見冥府路行』が7月26日発売
・京極夏彦の最新刊『狐花 葉不見冥府路行』が7月26日発売!歌舞伎舞台化のための新作ミステリ
〈京極夏彦30thAnniversary〉
〈松竹チャンネル〉
気になる第4位以下のランキングはこちら。
第4位『バリ山行』
- バリ山行
- 著者:松永K三蔵
- 発売日:2024年07月
- 発行所:講談社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784065369609
第171回芥川賞受賞作。古くなった建外装修繕を専門とする新田テック建装に、内装リフォーム会社から転職して2年。会社の付き合いを極力避けてきた波多は同僚に誘われるまま六甲山登山に参加する。その後、社内登山グループは正式な登山部となり、波多も親睦を図る目的の気楽な活動をするようになっていたが、職人気質で職場で変人扱いされ孤立しているベテラン社員妻鹿があえて登山路を外れる難易度の高い登山「バリ山行」をしていることを知ると……。
「山は遊びですよ。遊びで死んだら意味ないじゃないですか! 本物の危機は山じゃないですよ。街ですよ! 生活ですよ。妻鹿さんはそれから逃げてるだけじゃないですか!」(本文より抜粋)(講談社BOOK倶楽部『バリ山行』より)
第5位『転の声』
- 転の声
- 著者:尾崎世界観
- 発売日:2024年07月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784163918822
主人公の以内右手は、ロックバンド「GiCCHO」のボーカリストだ。着実に実績をつみあげてきて、ようやくテレビの人気生放送音楽番組に初出演を果たしたばかり。しかし、以内は焦っていた。あるときから思うように声が出なくなり、自分の書いた曲なのにうまく歌いこなせない。この状態で今後、バンドをどうやってプレミアムな存在に押し上げていったらいいのだろうか……。
そんなとき、カリスマ転売ヤー・エセケンの甘い言葉が以内の耳をくすぐる。「地力のあるアーティストこそ、転売を通してしっかりとプレミアを感じるべきです。定価にプレミアが付く。これはただの変化じゃない。進化だ。【展売】だ」
自分のチケットにプレミアが付くたび、密かに湧き上がる喜び。やがて、以内の後ろ暗い欲望は溢れ出し、どこまでも暴走していく……。果たして、以内とバンドの行きつく先は?(文藝春秋公式サイト『転の声』より)
第6位『わたしの知る花』
- わたしの知る花
- 著者:町田そのこ
- 発売日:2024年07月
- 発行所:中央公論新社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784120058066
「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。淡く、薄く、醜くも、尊い。様々な花から蘇る記憶――。これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。
(中央公論新社公式サイト『わたしの知る花』より)
第7位『フェイクドキュメンタリーQ』
- フェイクドキュメンタリーQ
- 著者:フェイクドキュメンタリーQ
- 発売日:2024年07月
- 発行所:双葉社
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784575319019
今回の書籍は、この人行方不明のテーマのもと、チャンネル内で再生回数の多い、『封印されたフェイクドキュメンタリー』『-(basement)-BASEMENT』『フィルムインフェルノ』『Sanctuary』等をもとにしたホラー短編集。
テレビスタッフを呪った、「見たら死ぬ呪いのビデオ」の行方を新たに発掘する様子を描いたり、エレベーターで失踪した女性がカメラに向かって訴えていたことを明らかにしたりといった内容が明らかに!? 考察好きの方にとって、答え合わせの要素も含んだ短編集。
さらには、動画未公開の書下ろし作品も2作品収録。(双葉社公式サイト『フェイクドキュメンタリーQ』より)
第8位『軽いノリノリのイルカ』
- 軽いノリノリのイルカ
- 著者:又吉直樹 満島ひかり
- 発売日:2024年07月
- 発行所:マガジンハウス
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784838732760
上から読んでも下から読んでも同じ「回文」から編み出されるファンタジックな「掌編小説」。
満島ひかりが生んだ奇跡の回文をもとに又吉直樹が苦しみながら物語を書き下ろした、『GINZA』連載の回文物語集「まさかさかさま」が待望の書籍化。(マガジンハウス公式サイト『軽いノリノリのイルカ』より)
第9位『最後は笑ってさよならをしよう』
- 最後は笑ってさよならをしよう
- 著者:神田澪
- 発売日:2024年07月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,540円(税込)
- ISBNコード:9784041148891
Xから生まれた、140字ぴったりで完結する「超短編小説(スーパーショート)」の名作をもっと!
恋愛、ミステリー、SF……涙の感動作からクスッと笑えるコメディまで。わずか140字の先に、想像もしないラストが待っている。
最新作のほか、X未公開の書き下ろしも多数。また、新作短編小説も収録した本作は、さらに涙が止まらない。
へとへとに疲れた夜にもすぐに読めて、何度でも読み返したい。
140字小説の名手・神田澪による、TikTokでも話題沸騰の作品集最新作。(KADOKAWA公式サイト『最後は笑ってさよならをしよう』より)
第10位『下町サイキック』
- 下町サイキック
- 著者:吉本ばなな
- 発売日:2024年07月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784309031958
下町で生まれ育ったキヨカは幼いころから、目に見えないものが見える能力を持っていた。中学生になって、ご近所に住む友おじさんが運営する「自習室」の空間を、その力で清めるアルバイトをしていた。そんなある日、母と離婚して家を出た父が、自殺未遂を図ったという連絡が入って――。人と違う能力を持つ少女が世界を生き延びるための、暮らしの知恵が詰まった最新長編!
(河出書房新社公式サイト『下町サイキック』より)
第11位『もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら』
- もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら
- 著者:眞邊明人
- 発売日:2024年06月
- 発行所:サンマーク出版
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784763141439
祖父のコンサル会社を継いだ武田倫太郎は幼少期から感性が鋭く、中学の歴史の授業中に、なぜか源義経の霊を見てしまう。以降、身近な霊と対話するようになった倫太郎は、ある大企業の難しい案件を担当することになる。その場に現れたのは、あろうことか莫大な財を築いたマネーゲームの天才にして空前の成り上がり者、豊臣秀吉だった——。
生きることに虚しさを感じ、不器用で人づきあいも苦手な倫太郎は、秀吉に後押しされ難しい案件を切り抜けたが、次々と新たな課題が押し寄せる。そんな状況で倫太郎の心身には、ある変化が……。歴史、ビジネス、ミステリーなど、あらゆるジャンルと時代を超えた前代未聞のエンターテインメント小説シリーズ、最新刊!(サンマーク出版公式サイト『もしも豊臣秀吉がコンサルをしたら』より)
第12位『いなくなくならなくならないで』
- いなくなくならなくならないで
- 著者:向坂くじら
- 発売日:2024年07月
- 発行所:河出書房新社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784309032078
死んだはずの親友・朝日からかかってきた一本の電話。時子はずっと会いたかった彼女からの連絡に喜ぶが、「住所ない」と話す朝日が家に住み着き――。デビュー作にして第171回芥川賞候補作。
(河出書房新社公式サイト『いなくなくならなくならないで』より)
第13位『籠の中のふたり』
- 籠の中のふたり
- 著者:薬丸岳
- 発売日:2024年07月
- 発行所:双葉社
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784575247534
父親を亡くしたばかりの弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は川越の家で暮らし始める。小学6年生のときに母親が自殺し、それ以来、他人と深く関わるのを避けてきた快彦だったが、明るくてお調子者の亮介と交流することで人として成長していく。だが、ある日、母が結婚する前に父親の安彦に送った手紙を見つけ、衝撃の事実を知る。母は結婚前に快彦を妊娠していて、快彦に知られてはならない秘密を抱えていた。そして、出生の秘密は亮介の傷害致死事件とも繋がっていく。二人は全ての過去と罪を受け入れ、本当の友達になれるのか――。
(双葉社公式サイト『籠の中のふたり』より)
第14位『法廷占拠 爆弾2』
- 法廷占拠
- 著者:呉勝浩
- 発売日:2024年07月
- 発行所:講談社
- 価格:2,200円(税込)
- ISBNコード:9784065363041
史上最悪の爆弾魔が囚われた。
そのとき新たな悪が生まれた。
東京地方裁判所、104号法廷。
史上最悪の爆弾魔スズキタゴサクの裁判中、突如銃を持ったテロリストが乱入し、法廷を瞬く間に占拠した。
「ただちに死刑囚の死刑を執行せよ。ひとりの処刑につき、ひとりの人質を解放します」前代未聞の籠城事件が発生した。
スズキタゴサクも巻き込んだ、警察とテロリストの戦いが再び始まる!(講談社BOOK俱楽部『法廷占拠 爆弾2』より)
第15位『今夜、喫茶マチカネで』
- 今夜、喫茶マチカネで
- 著者:増山実
- 発売日:2024年07月
- 発行所:集英社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784087718720
「実は、私には、今まで誰にも話してこなかった、秘密があります」
昭和29年に大阪の待兼山駅前で父と母が始めた書店と喫茶店。
1階の書店を兄が、2階の喫茶店を弟が継いだが、時代の流れもあり、65年続いた店の歴史の幕を閉じることに。
残された数ヶ月間、月に一度開かれる「夜会」で、街にゆかりの人々が語るとっておきの思いがけない体験、生涯最高の思い出とは……。心あたたまる連作短編集。(集英社公式サイト『今夜、喫茶マチカネで』より)
第16位『ごめん。私、頑張れなかった。』
- ごめん。私、頑張れなかった。
- 著者:掌編小説
- 発売日:2024年07月
- 発行所:リベラル社
- 価格:1,375円(税込)
- ISBNコード:9784434340499
X(Twitter)で恋愛のショートストーリーを発信し続けている作家・掌編小説。
その3,000作を超える作品の中から名作を厳選し、書き下ろしを加えた珠玉の短編集ができました。
すべての物語は140字ちょうど。
1つの物語が2つの視点で描かれるので最後まで読むと、隠れていた《真実》が現れます。
あなたもきっとだまされる !?(リベラル社公式サイト『ごめん。私、頑張れなかった。』より)
第17位『あなたを待ついくつもの部屋』
- あなたを待ついくつもの部屋
- 著者:角田光代
- 発売日:2024年07月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,705円(税込)
- ISBNコード:9784163918747
母に教わった「バーの味」、夫婦で訪れた憧れの上高地……。
全国3か所の帝国ホテルを舞台に織りなす、めくるめく部屋の物語。
帝国ホテル発行の会報誌「IMPERIAL」で11年間にわたって連載した、42編のショートショートを一冊にまとめました。
幻想的な夢の世界を描くものもあれば、現実の夫婦を描いたものもあり、また過去と現在を行き来して語るものも。42編すべて趣向の違う、角田光代さんの幅の広さを思い知る短編集です。
1話5ページで読める短い文章量ながら、じんわりと心が温まり、時には泣け、時には笑えるストーリーが詰まっています。(文藝春秋公式サイト『あなたを待ついくつもの部屋』より)
第18位『夜行堂奇譚 伍』
- 夜行堂奇譚 伍
- 著者:嗣人
- 発売日:2024年07月
- 発行所:産業編集センター
- 価格:2,200円(税込)
- ISBNコード:9784863114104
「日常に帰りたいって奴なら助けられるさ。でも、日常から離れたくてあちら側に何度も足を延ばす奴を助けるのは無理だよ。」
血生臭い異形が彷徨う禁足地、復讐を唆す少女の甘い吐息、蔵に幽閉された魔眼の仔、人喰いの禍ツ猿……。
隻腕の見鬼・千早とオカルト嫌いの堅物公務員・大野木が、怪異の解決に奔走するバディホラー第5弾!(産業編集センター公式サイト『夜行堂奇譚 伍』より)
第19位『 バーニング・ダンサー』
- バーニング・ダンサー
- 著者:阿津川辰海
- 発売日:2024年07月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:1,925円(税込)
- ISBNコード:9784041141779
特別な能力で大衆を煽動する殺人犯・ホムラvs. “猟犬”の異名をもつ元捜査一課刑事
「あの、私も妹も、交通課から来ました」。その一言を聞いて、永嶺スバルは絶句した。違法捜査も厭わない“猟犬”と呼ばれた捜査一課での職務を失い、新しい課に配属された初日。やってきたのは、仲良し姉妹、田舎の駐在所から来た好々爺、机の下に隠れて怯える女性、民間人を誤認逮捕しかけても悪びれない金髪男だった。着任早々、チームに異様な死体の事件の報告が入る。全身の血液が沸騰した死体と、炭化するほど燃やされた死体。ただ一人の理解者であった相棒を失い、心の傷が癒えぬスバルは、捜査経験がほぼない「警視庁公安部第五課 コトダマ犯罪調査課」のメンバーで捜査を開始する。メンバーの共通点はただ一つ。ある能力を保持していることだった――。「すべての始まり」から、犯人の嘘は仕込まれている。(KADOKAWA公式サイト『バーニング・ダンサー』より)
第20位『人質の法廷』
- 人質の法廷
- 著者:里見蘭
- 発売日:2024年07月
- 発行所:小学館
- 価格:2,640円(税込)
- ISBNコード:9784093867153
駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、突如、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件――遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。警察による自白強要が疑われた。
志鶴が刑事司法を志した背景には、高校時代の友人のバイク事故死がある。自動車運転過失致死と処理されたが、彼女は冤罪を疑っている。そんな過去を持つ志鶴は、依頼人の潔白を晴らすため奔走する。
そこに立ちはだかるのは起訴有罪率が99・9%という現実だった。逮捕イコール犯人という世間の目。「人質司法」とも称される長時間勾留で有利に捜査を進めようとする警察・検察。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、孤立無援の志鶴は依頼人を救い出すことはできるのか――?(小学館公式サイト『人質の法廷』より)
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