今回の文庫ランキング第1位は、宮部みゆきさんの時代小説「きたきた捕物帖」シリーズ第2作『子宝船』でした。本シリーズは、半人前の岡っ引き・北一が、湯屋の釜焚き・喜多次とともに、さまざまな事件に翻弄されつつ成長していく時代ミステリー。謎解きに怪異、江戸庶民の人情が描かれている物語で、宮部さんがこれまでに発表した作品とのクロスオーバーも楽しめるのが特徴です。
- 子宝船
- 著者:宮部みゆき
- 発売日:2024年08月
- 発行所:PHP研究所
- 価格:1,078円(税込)
- ISBNコード:9784569904245
江戸は深川、二人の「きたさん」が、事件を通して成長していく物語。
第一話「子宝船」
赤子を亡くした家の宝船の絵から弁財天が消えていた。大騒動が起きるなか、北一が、絵を描いたという男の家へ行ってみると……。第二話「おでこの中身」
弁当屋の一家三人が殺された――。悲惨な現場を見ていられず、外に出た北一は、見物人のなかに怪しげな女がいるのに気づく。第三話「人魚の毒」
北一が、検視の与力・栗山のもとで弁当屋の事件の真相を探っていると、木更津湊でお上の御用を務めているという男が訪ねてくる。(PHP研究所公式サイト『子宝船』より)
第3位には、誉田哲也さんの『フェイクフィクション』が初登場しました。宗教をテーマにした長編小説で、ある事件をきっかけにまったく接点がないはずの三人の運命が絡み合い、「警察組織vs.悪魔と呼ばれる男vs.カルト教団vs.元キックボクサー」という構図になっていく物語です。
- フェイクフィクション
- 著者:誉田哲也
- 発売日:2024年08月
- 発行所:集英社
- 価格:1,100円(税込)
- ISBNコード:9784087446791
東京・五日市署管内の路上で、男性の首なし死体が発見された。刑事の鵜飼は現場へ急行し、地取り捜査を開始する。死体を司法解剖した結果、死因は頸椎断裂。「斬首」によって殺害されていたことが判明した。一方、プロのキックボクサーだった河野潤平は引退後、都内にある製餡所で従業員として働いていた。ある日、同じ職場に入ってきた有川美祈に一目惚れするが、美祈が新興宗教「サダイの家」に関係していることを知ってしまい……。
(集英社公式サイト『フェイクフィクション』より)
そのほか、ランキング集計期間中に発売された新刊では、第8位に『高校事変』第21巻が初登場しました。本作は、平成最大のテロ事件を起こして死刑になった犯罪集団のリーダーの次女・優莉結衣が主人公の物語。彼女が通う武蔵小杉高校で起こるテロから始まり、やがて日本の運命を左右する国家侵略に立ち向かうことになり……という内容です。
7月に発売された第20巻に続いて2か月連続での新刊発売で、9月24日(火)には第22巻が発売予定です。
- 高校事変 21
- 著者:松岡圭祐
- 発売日:2024年08月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:924円(税込)
- ISBNコード:9784041153826
文庫売上ランキング TOP10
※ランキングについて※
・調査期間:2024年8月19日~8月25日 日販調べ
・★印は、調査期間内に発売された新刊です
第11位~第20位
第21位~第30位
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・「この衝撃は一生もの」本格ミステリー『方舟』や、Netflix実写化で話題の『地面師たち』がランクイン|週間文庫ランキング(2024年8月20日調べ)