「国内小説で最も売れた作品は何?」 「今どんな小説が読まれているの?」 こうした疑問に応えるため、日本出版販売 CANTERA運営事務局では、出版物のPOSデータ分析ツール「CANTERA」を活用して、毎月の小説売上ベスト10を発表します。まずは、2024年6月期の売上データを調査しました。はたして、最も売れた国内小説の作品は何だったのでしょうか?
データ取得期間:2024年6月1日~6月30日
対 象 商 品:2024年6月1日~6月30日に発売になった
対 象ジャンル:TSUTAYAジャンルの「国内小説」
〈CDP CANTERA調べ〉
第1位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。Another』
著者:汐見夏衛、イラストレーター:ふすい
発売日:2024年6月28日
発行所:スターツ出版
定価:1,540円(税込)
ISBN:9784813793410
大ヒット『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』待望の続編!
・「もし、生まれかわれるなら――今度こそ、君の側にいよう」白昼夢-佐久間彰
・「あなたと出会ったことで、私は変わった。あなたの想いが、私を変えたんだ」水鉄砲―加納百合
・「千代ちゃん、どうか幸せになってくれ。君は絶対に幸せになる」三日月―石丸智志
・「いつかまた必ずお会いできると信じて、ずうっと待っていたの。もう一度あなたに会える日を…」夏の空―中嶋千代
人気登場人物たちの”その後”が読める短編集。それぞれの物語に号泣!(スターツ出版公式サイト『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。Another』より)
第1位に輝いたのは、2023年に映画化され、著者の累計発行部数250万部を超えた『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。Another』でした。10~20代の女性から圧倒的な支持を得て、堂々の第1位となりました。
前作では、現代の女子中学生・加納百合が戦時中の日本にタイムスリップし、特攻隊員の佐久間彰と出会い、戦争の現実に直面しながら絆を深める姿が描かれました。続編となる本作では、前作のキャラクターとの絆や新たな試練が描かれています。
著者の汐見夏衛さんは、両編を通じて、戦争の悲惨さと人間の温かさを伝えることで平和の大切さを訴えかけています。
第2位『了巷説百物語』
著者:京極夏彦
発売日:2024年6月19日
発行所:KADOKAWA
定価:4,400円(税込)
ISBN:9784041117200
〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋。
〈化け物遣い〉御行の又市。
〈洞観屋〉稲荷藤兵衛。
彼らが対峙し絡み合う、過去最大の大仕掛けの結末は――?
文学賞3冠を果たした〈巷説百物語〉シリーズ堂々完結!下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。
凡ての嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから〈洞観屋〉と呼ばれていた。
ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者ども炙り出してくれというのだ。
敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たち――。
依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。
やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるが――。(KADOKAWA公式サイト『了巷説百物語』より)
第2位は数々の賞を受賞した「巷説百物語」シリーズの待望の最終巻『了巷説百物語』です。
妖怪をテーマにしたミステリーの本シリーズは、多くの読者を虜にしてきました。狐狩りの名人・稲荷藤兵衛や〈憑き物落とし〉中禪寺洲齋、〈化け物遣い〉御行の又市といった魅力的なキャラクターたちが織り成す物語は、 ドラマやアニメ、コミックにもなっており、幅広い年代から支持を得ています。
最終巻の総ページ数は1,152ページ。読み始めたら、過去作すべてを読み返したくなる読者もきっと多いはず。今夏の読書のすべてを、妖怪シリーズに捧げてみてはいかがでしょうか?
第3位『暗殺』
著者:柴田哲孝
発売日:2024年6月19日
発行所:幻冬舎
定価:1,980円(税込)
ISBN:9784344043060
元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。
日本の未来を奪った2発の弾丸。
本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?
日本を震撼させた実際の事件をモチーフに膨大な取材で描く、傑作サスペンス。奈良県で日本の元内閣総理大臣が撃たれ、死亡した。その場で取り押さえられたのは41歳男性の容疑者。男は手製の銃で背後から被害者を強襲。犯行の動機として、元総理とある宗教団体とのつながりを主張した――。
日本史上最長政権を築いた元総理が殺された、前代未聞の凶行。しかし、この事件では多くの疑問点が見逃されていた。致命傷となった銃弾が、現場から見つかっていない。被害者の体からは、容疑者が放ったのとは逆方向から撃たれた銃創が見つかった。そして、警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。
警察は何を隠しているのか? 真犯人は誰だ?(幻冬舎公式サイト『暗殺』より)
元総理が凶弾に倒れた実際の事件をモチーフにした柴田哲孝さんのサスペンス小説『暗殺』が、40代後半~60代後半の男性を中心に支持を得て、第3位にランクインしました。
物語は、奈良県で元総理が撃たれ、その場にいた男性が逮捕されるところから始まります。手製の銃による襲撃、宗教団体とのつながりなど、謎が次々と浮かび上がり……。
現実の事件との関連が話題となった本作を、「本当にフィクションなのか?」とスマホを開き、情報を検索しながら読まれた方も多いのではないでしょうか。緻密な取材に基づいたリアルな描写と、緊張感あふれる展開に一気読み必至です。7月以降はメディアでも取り上げられる機会が増えており、今後の売れ行きも気になる作品です。
第4位以下の作品
第4位
- 明智恭介の奔走
- 著者:今村昌弘
- 発売日:2024年06月
- 発行所:東京創元社
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784488029067
第5位
- 新心霊探偵八雲 赤眼の呪縛
- 著者:神永学
- 発売日:2024年06月
- 発行所:講談社
- 価格:1,925円(税込)
- ISBNコード:9784065359341
第6位
- 首木の民
- 著者:誉田哲也
- 発売日:2024年06月
- 発行所:双葉社
- 価格:1,980円(税込)
- ISBNコード:9784575247473
第7位
- 六月のぶりぶりぎっちょう
- 著者:万城目学
- 発売日:2024年06月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,870円(税込)
- ISBNコード:9784163918624
第8位
- 古本食堂 新装開店
- 著者:原田ひ香
- 発売日:2024年06月
- 発行所:角川春樹事務所
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784758414678
第9位
- 完本 神坐す山の物語
- 著者:浅田次郎
- 発売日:2024年06月
- 発行所:双葉社
- 価格:2,200円(税込)
- ISBNコード:9784575247466
第10位
- ブルーマリッジ
- 著者:カツセマサヒコ
- 発売日:2024年06月
- 発行所:新潮社
- 価格:1,760円(税込)
- ISBNコード:9784103556916
CANTERAとは
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