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第171回芥川賞候補5作を発表!尾崎世界観さんは2度目、朝比奈秋、坂崎かおるさんなどが初候補

6月13日(木)、日本文学振興会より第171回芥川龍之介賞の候補作が発表されました。

 

芥川賞とは:優秀な「純文学短編作品」に対して贈られる賞

芥川賞は、直木賞と同じく日本文学振興会が昭和10年に制定。新聞・雑誌(同人雑誌を含む)に発表された純文学短編作品のうち最も優秀なものに贈られ(応募方式ではない)、主に無名もしくは新進の作家を対象としている。授賞は上半期・下半期の年2回。

選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・川上未映子・島田雅彦・平野啓一郎・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏。

 

第171回芥川龍之介賞候補作品

・朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」(新潮5月号)
・尾崎世界観「転の声」(文學界6月号)
・坂崎かおる「海岸通り」(文學界2月号)
・向坂くじら「いなくなくならなくならないで」(文藝夏季号)
・松永K三蔵「バリ山行」(群像3月号)

ノミネートされた5人のうち、尾崎世界観さんを除く、全員が初の候補入り。尾崎さんは2度目の候補入りとなりました。

選考会は、2024年7月17日(水)に築地「新喜楽」にて開催。贈呈式は、8月下旬に都内で行われます。また受賞作は、8月9日(金)発売の『文藝春秋』9月号に全文と選評を掲載。直木賞受賞作は、8月22日(木)発売の『オール讀物』9・10月合併号に作品の一部と選評が掲載されます。

 

朝比奈秋「サンショウウオの四十九日」(初)

©石渡朋

あさひな・あき。1981年生まれ。京都府出身。2021年「塩の道」で第7回林芙美子文学賞を受賞。22年、同作を収録した単行本『私の盲端』でデビュー。

〈主な作品〉
『植物少女』(朝日新聞出版)=第36回三島由紀夫賞受賞
『あなたの燃える左手で』(河出書房新社)=第51回泉鏡花文学賞、第45回野間文芸新人賞受賞

 

尾崎世界観「転の声」(2回目)

おざき・せかいかん。1984年11月9日、東京都生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。12年、アルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」でメジャーデビュー。16年、初の小説『祐介』を書き下ろしで刊行。

〈主な作品〉
『祐介』(文藝春秋)
『苦汁100%』(文藝春秋)
『苦汁200%』(文藝春秋)
『泣きたくなるほど嬉しい日々に』(KADOKAWA)
『母影』(新潮社)=第164回芥川賞候補
『私語と』(河出書房新社)

 

坂崎かおる「海岸通り」(初)

さかさき・かおる。1984年東京都生まれ。2020年に「リモート」で第1回かぐやSFコンテスト審査員特別賞を受賞。22年に「嘘つき姫」で第4回百合文芸小説大賞、「あたう」で第 28回三田文学新人賞佳作。

〈主な作品〉
「ベルを嗚らして」(小説現代2023年7月号)=第77回日本推理作家協会賞短編部門受賞
「封印」(『乗物綺談異形コレクションLVI』〈光文社文庫〉所収)
『嘘つき姫』(河出書房新社)

 

向坂くじら「いなくなくならなくならないで」(初)

©宇壽山貴久子

さきさか・くじら。1994年7月16日愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学文学部卒。2016年、Gt.クマガイユウヤとのポエトリーリーディング×エレキギターユニット「Anti-Trench」を結成。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に出演するなど、ライプを中心に活動。22年、詩集『とても小さな理解のための』刊行。初の著書となる。同年「国語教室ことぱ舎」を創設。23年『夫婦間における愛の適温』刊行。24年文藝夏季号にて初となる小説「いなくなくならなくならないで」を発表。

〈主な作品〉
『とても小さな理解のための』(しろねこ社)
『夫婦間における愛の適温』(百万年書房)

 

松永K三蔵「バリ山行」(初)

まつなが・けー・さんぞう。1980年茨城県水戸市生まれ。関西学院大学卒。2021年「カメオ」で第64回群像新人文学賞優秀作を受賞しデビュー。

〈主な作品〉
「カメオ」(群像2021年7月号)

 

直木賞候補作はこちら