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第170回芥川賞は九段理江『東京都同情塔』、直木賞は河﨑秋子『ともぐい』、万城目学『八月の御所グラウンド』に決定

第170回芥川、直木賞

日本文学振興会は1月17日(水)、第170回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会を東京・築地「新喜楽」で開き、芥川賞に九段理江さん『東京都同情塔』、直木賞には河﨑秋子さん『ともぐい』、万城目学さん『八月の御所グラウンド』をそれぞれ選出しました。芥川賞の九段さんは2回目の候補で受賞、直木賞の河﨑さんは2回目、万城目さんは6回目の候補で、直木賞はダブル受賞となりました。

なお、芥川賞受賞作は、2月9日(金)発売の『文藝春秋』3月号に全文と選評を掲載。直木賞受賞作は、2月22日(木)発売の『オール讀物』3・4月合併号に作品の一部と選評が掲載されます。
贈呈式は、2月下旬に都内で行われます。

 

芥川賞

九段理江「東京都同情塔」(2回目)

九段理江さんⒸ森清

くだん・りえ。1990年9月27日埼玉県浦和市(現さいたま市)生まれ。2021年、「悪い音楽」で第126回文學界新人賞を受賞しデビュー。

東京都同情塔
著者:九段理江
発売日:2024年01月
発行所:新潮社
価格:1,870円(税込)
ISBNコード:9784103555117

ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられることに。犯罪者に寛容になれない建築家・牧名は、仕事と信条の乖離に苦悩しながら、パワフルに未来を追求する。ゆるふわな言葉と実のない正義の関係を豊かなフロウで暴く、生成AI時代の預言の書。

(新潮社公式サイト『東京都同情塔』より)

〈主な作品〉
「悪い音楽」(文學界2021年5月号)
『Schoolgirl』(文藝春秋、「悪い音楽」併録)=第166回芥川賞候補、令和4年度(第73回)芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞
「しをかくうま」(2023年文學界6月号)=第45回野間文芸新人賞受賞
「東京都同情塔」(2023年新潮12月号)

 

第170回芥川龍之介賞候補作品

・安堂ホセ「迷彩色の男」(文藝秋季号)
・川野芽生「Blue」(すばる8月号)
・九段理江「東京都同情塔」(新潮12月号)
・小砂川チト「猿の戴冠式」(群像12月号)
・三木三奈「アイスネルワイゼン」(文學界10月号)

 

直木賞

河﨑秋子『ともぐい』(2回目)

河﨑秋子さんⒸ新潮社

かわさき・あきこ。1979年北海道別海町生まれ。北海学園大学経済学部卒業後、ニュージーランドで1年間緬羊飼育を学ぶ。帰国後、酪農を営む実家で従業員と羊飼いをしながら小説執筆を開始。2012年「東陬遺事(とうすういじ)」で第46回北海道新聞文学賞(創作・評論部門)、2014年『颶風の王(ぐふうのおう)』で三浦綾子文学賞、2016年同作でJRA賞馬事文化賞を受賞。2019年十勝管内に転居し、以後は執筆に専念。

ともぐい
著者:河﨑秋子
発売日:2023年11月
発行所:新潮社
価格:1,925円(税込)
ISBNコード:9784103553410

明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河崎流動物文学の最高到達点!!

(新潮社公式サイト『ともぐい』より)

〈主な作品〉
『颶風の王』(KADOKAWA)=三浦綾子文学賞受賞、JRA賞馬事文化賞受賞
『肉弾』(KADOKAWA)=第21回大藪春彦賞受賞
『土に贖う』(集英社)=第39回新田次郎文学賞受賞、第36回織田作之助賞候補、第33回三島由紀夫賞候補、第11回山田風太郎賞候補
『鳩護』(徳間書店)
『絞め殺しの樹』(小学館)=第167回直木賞候補、第39回織田作之助賞候補
『鯨の岬』(集英社、「東陬遺事」併録)
『清浄島』(双葉社)

 

万城目学『八月の御所グラウンド』(6回目)

万城目学

まきめ・まなぶ。1976年2月27日生まれ。大阪市出身。京都大学法学部卒。2006年、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。

八月の御所グラウンド
著者:万城目学
発売日:2023年08月
発行所:文藝春秋
価格:1,760円(税込)
ISBNコード:9784163917320

死んだはずの名投手とのプレーボール
戦争に断ち切られた青春
京都が生んだ、やさしい奇跡

女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。

京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――

(文藝春秋BOOKS『八月の御所グラウンド』より)

〈主な作品〉
『鴨川ホルモー』(産業編集センター、KADOKAWA)
『鹿男あをによし』(幻冬舎)=第137回直木賞候補
『プリンセス・トヨトミ』(文藝春秋)=第141回直木賞候補
『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』(筑摩書房)=第143回直木賞候補
『とっぴんぱらりの風太郎』(文藝春秋)=第150回直木賞候補
『悟浄出立』(新潮社)=第152回直木賞候補

 

第170回直木三十五賞候補作品

・加藤シゲアキ『なれのはて』(講談社)
・河﨑秋子『ともぐい』(新潮社)
・嶋津輝『襷がけの二人』(文藝春秋)
・万城目学『八月の御所グラウンド』(文藝春秋)
・宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』(朝日新聞出版)
・村木嵐『まいまいつぶろ』(幻冬舎)

 

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