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コスパ、タイパの次は“メンパ”!?「心」を重視する新たな消費トレンドとは?年間2,000冊以上のマンガを読む書店員・すず木さんが“メンパ”マンガをおすすめ!

メンパアイキャッチ (2)

「タイパ」の次は「メンパ」。注目の第3の消費トレンド

株式会社BookLiveが運営する総合電子書籍ストア「ブックライブ」は、同ストアの利用データを基にした人気マンガカテゴリの傾向分析を発表しました。

SNSやAIの普及などにより、時間消費の選択肢が多様化する中、時間をより効率的に活用する「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されてきました。
その反動として、現在注目を集めているのが「メンタルパフォーマンス(メンパ)」です。

「メンパ」とは、心(メンタル)の豊かさや安らかさを保ち、感情を大きくかき乱されないことを重視する姿勢を指します。2026年は、こうした精神的な負担を抑えた消費行動が、コスパやタイパに次ぐ、「第3の消費トレンド」として注目されています。

 

「メンパ」トレンドはマンガの消費傾向にどう影響を与えるのか?

心の安らかさ、メンタルが削られない「メンパ」を、「タイパ」時代のマンガの消費傾向に照らし合わせて比較すると、以下のような消費傾向が生まれると考えられます。

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ここで挙げた消費傾向をもとに、“おもいっきり「メンパ」に浸りながらマンガを選んでみるなら?”というお題で、年間2,000冊以上のマンガを読むブックライブ書店員・すず木さんが、2026年に注目したい「メンパ」に効くマンガ5選を紹介しています。

 

「メンパ」で選ぶ注目マンガ、5作品はこれだ!

『魔力枯れのダークエルフ(1)』(講談社)

maryokugare著者:板橋大祐
発売日:2026年5月
発行所:講談社
定価:792円(税込)
ISBN:9784065430132

かつて「万能の魔術師」と呼ばれたアミラは、魔力枯れを起こし、すべての魔法を失った。魔力がすべてを支配する世界で、できることなど何もない。しかし彼女は今、風と語らい、火を起こし、料理を覚えながら、生きる意味を探す。魔法のない日々に芽吹くのは、静かな幸福と小さな奇跡。喪失から始まる、再生のセカンドライフ・ファンタジー!

(講談社公式サイト『魔力枯れのダークエルフ(1)より』)

書店員 すず木さんのおすすめコメント

「役に立たなきゃ」という焦りを溶かす、究極のセルフケア・ファンタジー!

「失敗できない」「間違えられない」と、常に成果や効率(タイパ)を求められて心がすり減っていませんか?
本作の主人公アミラは、かつての「万能の魔術師」という最高の肩書きを失ってもなお、驚くほど軽やかに、今できる等身大の生活を面白がっていきます。
劇的なバトルやハラハラする急展開で感情を揺さぶるのではなく、不器用ながらも自分で料理を作り、不細工な道具を自作していく彼女の「まったりとした歩み」を見守る時間は、私たちのあくせくした神経を心地よく鎮めてくれます。
「何かができなくなっても、世界はこんなに美しくて、自分の手で小さな幸せは作れる」。そう気づかせてくれる本作は、心が疲れた夜に少しずつ読み返したい、抜群の「メンパ」向上マンガです!

 

『ドラゴンの胃でおやすみ(1)』(講談社)

doragon作画:西村隆、原作:大橋ユウ
発売日:2026年5月
発行所:講談社
定価:792円(税込)
ISBN:9784065433607

国の象徴・民の憧れ「騎士団長」。しかしその役割は外面(そとづら)とは裏腹の中間管理職で、上司にコキ使われるだけのものであった。
そんな「厄職」を背負い生きる誇り高き女騎士団長・リンナは、ある日の職務中に巨大なドラゴンに遭遇。国のため応戦するも、日々の激務の疲れがたたり、無惨にも食べられてしまった……。
気が付くとそこはドラゴンの胃の中。そこでの出会いが彼女の人生を変える……!?
日常に疲れたアナタに贈る、夢と癒しの“胃の中”ファンタジー!!

(講談社公式サイト『ドラゴンの胃でおやすみ(1)』より)

書店員 すず木さんのおすすめコメント

「強制シャットダウン」がもたらす、至高のセルフケア&脳内リセット!

「自分がやらなきゃ回らない」「期待に応えなきゃ」と、真面目すぎるがゆえに自分を追い詰めてしまうこと、ありますよね。本作の主人公リンナは、まさにその典型。
そんな彼女が「ドラゴンに食べられる」という、現実逃避の究極形とも言える不可抗力によって、ブラックな職場と責任感から強制的に切り離される姿は、現代でいう「究極のデジタルデトックス」そのものです。
思い通りにならない最悪の状況であるドラゴンの胃袋内ですら、捉え方次第で最高のリラクゼーション空間に変えていくという、マインドセットの切り替えを教えてくれます。
ドラゴンの胃酸を避けるお風呂を作ったり、不思議な胃の中の生態系を楽しんだり。「こうでなければならない」というガチガチの義務感に縛られた脳のコリを、クスッと笑えるユーモアと抜群のアイデアで柔らかくほぐしてくれる、仕事に追われる現代人に最も必要な「メンパ」サプリメントです!

 

『おじさんはカワイイものがお好き。(1)』(フレックスコミックス)

ojisan著者:ツトム
発売日:2018年5月
発行所:フレックスコミックス
定価:660円(税込)
ISBN:9784866750125

イケメンで仕事もデキる小路課長のひみつ。それは「カワイイキャラクター」に目がないところ! でも、そんなこと、部下のみんなには……言えない―――!(><) 世を忍び、カワイイものを愛でるおじさんの日々の葛藤を描く、「ヒミツのおじかわ」コメディ。小路課長の明日はどっちだ!?

(フレックスコミックス公式サイト『おじさんはカワイイものがお好き。(1)』より)

書店員 すず木さんのおすすめコメント

「世間の枠組み」をポイッと捨てて、自分の『好き』を抱きしめる至福のセラピー!

「大人だから」「男だから」「仕事ができるから」と、無意識のうちに社会的な役割や“こうあるべき”というイメージに縛られ、本音を押し殺してしまっていませんか? 本作の小路さんは、まさにそんな現代のプレッシャーの縮図のような人物です。
本作は「自分が本当に大好きなものを、他人の目を気にせず心から愛でることで、内なるメンタルパフォーマンスを120%回復させる」というポジティブなアプローチを教えてくれます。
カワイイもの好きを必死に隠そうとして葛藤する小路さん自身のギャップの可愛らしさに癒やされるだけでなく、お互いの隠された「偏愛」や個性を否定せず、徐々に認め合っていく優しい人間関係(心理的安全性)の描写がとにかく秀逸。
読み終えたあと、自分の好きなものを「好き!」と誇れるようになる、心の底からポカポカと温まる「自己解放系」メンパマンガです!

 

『本なら売るほど(1)』(KADOKAWA)

書影1巻
著者:児島青
発売日:2025年1月
発行所:KADOKAWA
定価:792円(税込)
ISBN:9784047381070

ひっつめ髪の気だるげな青年が営む古本屋「十月堂」。
店主の人柄と素敵な品ぞろえに惹かれて、今日もいろんなお客が訪れる。

本好きの常連さん、背伸びしたい年頃の女子高生、
不要な本を捨てに来る男、夫の蔵書を売りに来た未亡人。

ふと手にした一冊の本が、思わぬ縁をつないでいく–––。
本を愛し、本に人生を変えられたすべての人へ贈る、珠玉のヒューマンドラマ!

(KADOKAWA公式サイト『本なら売るほど(1)』より)

書店員 すず木さんのおすすめコメント

何者にもならなくていい。ただ、このページをめくっている時間が最高の贅沢!

刺激的な展開や急き立てるようなスピード(タイパ)とは対極にある、ただただ静かで豊かな時間が流れる本作。劇的な事件こそ起こりませんが、古本屋という「世間の喧騒から一歩離れた場所」に身を置く感覚そのものが、私たちの疲れた脳を優しくリセットしてくれます。
背伸びしたい思春期の少女、理想と現実の狭間で揺れる店主の人間味あふれる姿など、登場人物たちが抱える「ちょっと不器用で、ままならない感情」がとても愛おしく描かれています。
「こう生きなきゃ」「成功しなきゃ」という外的なプレッシャーから静かにフェードアウトし、自分の呼吸を整える。まるで木漏れ日の差し込む古本屋の片隅で、自分だけのお気に入りの本を見つけたときのような、穏やかな充足感に満たされる「極上のメンパマンガ」です。

 

『マイペースと歩く(1)』(新潮社)

マイペースと歩く_cover1
著者:三本阪奈
発売日:2025年4月
発行所:新潮社
定価:792円(税込)
ISBN:9784107728104

「きみといると、安心するんだ–––」。人目を気にして中学生活を送る近藤。そんな彼女の前の席に座っているのは、毎朝寝グセをつけて登校し、マイペースに日々を過ごす高橋だった。とあることをきっかけに、ふたりの距離が縮まって……。超絶マイペース男子・高橋に、みんなにっこり♪ ほろ苦く、やさしい思春期の日常、開幕!!

(新潮社公式サイト『マイペースと歩く(1)』より)

書店員 すず木さんのおすすめコメント

「人目を気にするセンサー」をそっとオフにしてくれる、心の避難所的作品。

「空気や顔色を読まなければ」「誰からも嫌われたくない」と、他人の目を気にするあまりに自分の心(メンタル)をすり減らしていませんか? 本作は、そんな現代人の心の痛みに寄り添い、優しく抱きしめてくれるような物語です。
周りの評価に振り回される近藤が、高橋の放つ飾らない優しさや独特のマイペースさに触れるうちに、強張っていた心がゆっくりと解きほぐされていく過程は本当に愛おしい。
スリルのない、淡々とした「いつもの学校生活」だからこそ、予測可能な安心感に包まれながら安心して物語に浸ることができます。
読んだあと、思わず「自分ももう少し、肩の力を抜いてマイペースに生きてみようかな」と呼吸が楽になる、珠玉の「セルフハグ系」メンパマンガです!

 

「ブックライブ」書店員 すず木 プロフィール

suzukisan

総合電子書籍ストア「ブックライブ」で働くプロ書店員。2005年から電子書籍サイトの運営に携わり、年間で2,000冊以上のマンガを読む。これまでに培った知識と経験をもとに、「マンガ作品の魅力」や「業界トレンド」、さらには「電子書店の書店員ならではの視点」など、多角的な切り口でマンガや電子書籍の魅力を発信。「面白いマンガを1人でも多くの人に読んでほしい」という思いを胸に、日々、マンガとの新たな出会いや、その魅力を届ける役割を担っている。