今回の文庫ランキング第1位は、佐伯泰英さんの「柳橋の桜」シリーズ完結となる第4作『夢よ、夢』でした。主人公は、父親のような船頭になることを夢見る娘・桜子で、涙あり、恋あり、活劇ありの時代小説です。本シリーズはこれまで4か月連続で発売され、すべてが初登場で第1位を獲得しました。
波乱万丈の旅を経て新しい生き方を探す桜子と小龍太。魚河岸の老舗・江の浦屋5代目が仕掛ける異国交易の仕事の未来と大きさに惹かれる小龍太。小龍太との祝言を前に、船頭の道を進むべきか悩む桜子。そんな中、オランダ人画家コウエルの「二枚の絵」がそれを見た人々を少しずつ変えてゆく――
早朝の柳橋・神木三本桜に願うのは、大きな儲けか、夢の実現か。猪牙強盗の事件の謎の解明、そして未来への希望が詰まった最終巻。(文藝春秋BOOKS『柳橋の桜(4)夢よ、夢』より)
- 柳橋の桜 四
- 著者:佐伯泰英
- 発売日:2023年09月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:880円(税込)
- ISBNコード:9784167920906
第3位には畠山健二さんの時代小説『本所おけら長屋 外伝』、第5位には瀬尾まいこさんの『夜明けのすべて』が初登場しました。
『本所おけら長屋 外伝』は、シリーズ第一幕(全20巻)の累計発行部数が200万部を突破した、江戸の「おけら長屋」を舞台とした、笑って泣ける人気シリーズです。外伝には、万造や松吉といった登場人物たちの若き日を描く前日譚や、特別付録として、シリーズ第一幕の名場面ガイドが収録されています。
- 本所おけら長屋 外伝
- 著者:畠山健二
- 発売日:2023年09月
- 発行所:PHP研究所
- 価格:880円(税込)
- ISBNコード:9784569903408
『夜明けのすべて』は、PMS(月経前症候群)で感情を抑えられない美紗と、パニック障害になり生きがいも気力も失った山添の2人を巡る物語。互いの事情と孤独を知り、同志のような気持ちが芽生えた2人は、自分にできることは少なくとも、相手のことは助けられるかもしれないと思うようになり、少しずつ希望を見出していきます。
2024年2月に実写映画化されることが発表されており、山添役をSixTONESの松村北斗さんが、美紗役を上白石萌音さんが演じます。
- 夜明けのすべて
- 著者:瀬尾まいこ
- 発売日:2023年09月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:803円(税込)
- ISBNコード:9784167920920
\⋱ 本日9/5(火)より開催 ⋰/#文春文庫 秋100ベストセレクション📚
今年は『#夜明けのすべて』とのコラボが決定ˊ˗
イメージキャラクターの#上白石萌音 さんよりメッセージ✨
この秋のお供に、
ぜひ手に取っていただけると嬉しいです𓂃𓈒𓏸詳細は以下を✔https://t.co/5HWIJFdYvj pic.twitter.com/J9xPzPuGbU
— 映画『夜明けのすべて』公式 (@yoakenosubete) September 5, 2023
そのほかの新刊では、第8位に辻村深月さんの『琥珀の夏』、第10位に藤井邦夫さんの時代小説シリーズ「新・秋山久蔵御用控」の第17作『逃れ者』が初登場しました。
『琥珀の夏』は、主人公の近藤法子が幼少期の頃に参加していて、カルトと言われるようになった「ミライの学校」で起こった事件を巡る物語。大人になり、弁護士となった法子は真相究明のために施設を訪れ、その施設で過ごした夏の日々を思い出していきます。
- 琥珀の夏
- 著者:辻村深月
- 発売日:2023年09月
- 発行所:文藝春秋
- 価格:1,155円(税込)
- ISBNコード:9784167920913
かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、少女の白骨遺体が見つかった。ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。埋められていたのは、ミカちゃんではないかーー。
小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。
30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。
(文藝春秋BOOKS『琥珀の夏』より)
文庫売上ランキング TOP10
※日販調べ
※TOP10のみ前回との順位比較を記載
※★印は集計期間中(2023年9月4日~9月10日)に発売された新刊です
第11位~第20位
第21位~第30位
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・『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』第7巻や、話題のドラマ「VIVANT」ノベライズがランクイン|週間文庫ランキング(2023年9月5日調べ)