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5月17日、作家の車谷長吉さんが御年69歳で逝去されました。生々しいほどの生活描写が印象的だった『赤目四十八瀧心中未遂』で直木賞を受賞。「最後の私小説作家」とも言われた作家でした。
車谷長吉さんが執筆された本のうち直近2年間で多く読まれた作品はこちらです。
妖談 | 文藝春秋 |
人生の救い | 朝日新聞出版 |
赤目四十八瀧心中未遂 | 文藝春秋 |
塩壷の匙 | 新潮社 |
世界一周恐怖航海記 | 文藝春秋 |
何点か注目作品を紹介していきます。
まず絶対忘れてはならないのが『赤目四十八瀧心中未遂』。芥川賞を受賞した名実共の代表作と言える1冊です。逝去のニュース後、売上急上昇中です。
車谷さんの実質的デビュー作と言えるのが『塩壷の匙』です。初期作品集で、文庫化も1995年という古い作品ですが、『赤目四十八瀧心中未遂』と並んで読み継がれています。
車谷さんは人生相談コーナーでも人気を博しました。『車谷長吉の人生相談 人生の救い』は、新聞に投稿された身の上相談に著者が答えたもの。「がんばれ」「いつかどうなる」といったよくありがちな回答は多分ありません。なぜ車谷さんにこの相談コーナーを頼んだんだろう、そのアイデアと英断に拍手してしまいそうです。
[BOOKデータベースより]
新聞連載時より話題沸騰!“最後の文士”にして“反時代的毒虫”たる著者が、老若男女からの投稿による身の上相談に答える。妻子ある教師の「教え子の女子高生が恋しい」、主婦の「義父母を看取るのが苦しい」…これら切実な問いに著者が突きつける回答とは。
もともと比較的高い年齢層にファンの多い作家さんでしたが、生き様や発言に「格好いい!」と共感する若い読者も増えてきているようです。
味わい深い車谷さんの回答に読み進める手が止まらなくなったら、さらに人柄を知りたくなるもの。車谷さんは、エッセイも執筆されています。こちらの2冊もぜひ読んでみてください。
[日販MARCより]
車谷長吉、60歳にして初の日本脱出! ヴェトナム、南アフリカ、ブラジル、イースター島、パプアニューギニア…。未知の世界で見聞き、体験した「恐怖の」航海記。『文学界』連載に大幅加筆して単行本化。
[日販MARCより]
詩や小説を書くことは、救済の装置であると同時に一つの悪である…。私小説の鬼が、自らの人生、車谷文学の秘密、強迫性障碍を赤裸々に語る。「世界一周恐怖航海記」の顛末や最新エッセイも収録。
作品に触れたことのない方も、まだ読んでいない作品がある方も、この機会に車谷作品を見直してみませんか?