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いよいよ始まる、史上初のゴールデンウィーク10連休。
ほんのひきだしでは「10連休読むならこれしかない!」と題し、さまざまな出版社の文芸編集者に「10連休に読むなら?」というテーマでおすすめ本を選んでいただきました。
今回本をご紹介いただくのは、筑摩書房 第一編集室 井口かおりさんです。
10連休休むなら、最初に読む本は、本書がおすすめです。なぜならこの本の先に、豊かな韓国文学の森が広がっているからです。
韓国文学には、本書の訳者・斎藤真理子さんの訳されたパク・ミンギュの奇想天外で抒情的な作品ほか、たくさんの傑作があります。そのなかでも本書は短く、テーマがはっきりしているので、韓国の小説を初めて読む方にも読みやすいと思います。また、本書は、フェミニズム本への入り口にもなっています。本書が問題提起だとしたら「答え」のような本がいろいろ出ています。
この本を作ったきっかけは、2017年頃、韓国のフェミニズムが盛り上がっていることを知り、日本でもそのような本を出せないか斎藤真理子さんにご相談して、ベストセラーのこの本を教えていただいたことでした。教育や、就職、子育てなどで、女性が半生で体験する差別が淡々と書かれたこの本は、日本でも共感が得られると思いましたが、どの程度かはわかりませんでした。しかし2018年12月8日に発売されるやたちまち話題になり、4月中旬現在、発行部数13万部になりました。
この本を出して、小説の力というものを強く感じています。SNSで本書の感想を検索すると「あれは女性差別だったのかと気づいた」という言葉が多く見られます。今までやりすごしてきた差別が可視化され、未来を変える原動力になる本だと思います。
本書ヒットの背景には、韓国文化の隆盛もあります。韓国文学を一貫して刊行してきた出版社のおかげです。本書は、K-POPのアーティストたちが本書を読んだと発言したり、映画化決定など話題性もあります。「女性差別」や「嫌韓」が過去のものになることを期待しています。
内容紹介
韓国で100万部突破! 映画化決定!
異例の大ベストセラー小説、日本でも大反響。ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。
(筑摩書房『82年生まれ、キム・ジヨン』特設サイトより)
次回は【小学館 出版局 皆川裕子さん】のおすすめ本です!
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