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原尞さんの14年ぶりの新刊となる『それまでの明日』が、3月1日(木)、早川書房より発売されます。
『それまでの明日』は、正統派のハードボイルド小説として知られる“沢崎シリーズ”の最新作です。
私立探偵・沢崎は、ある金融会社の支店長から、赤坂にある料亭の女将の身辺調査を依頼されます。しかし、沢崎が調べるとその女将はすでに亡くなっており、顔立ちの似た妹が跡を継いでいることが判明。調査の対象が女将なのか妹なのかもわからないまま、当の依頼人が忽然と姿を消し、沢崎はいつしか金融がらみの事件に巻き込まれていきます。
沢崎は、1988年に発表された原さんのデビュー作『そして夜は甦る』で初登場したキャラクターです。西新宿に探偵事務所を構える私立探偵で、両切りピースを手放さない愛煙家。『そして夜は甦る』では40代前半だった沢崎ですが、シリーズ6作目となる『それまでの明日』では50代半ばとなって登場します。
1988年のデビュー以来、30年で発表した長篇はわずか4作、しかもそのすべてが沢崎シリーズと、原さんは寡作なことでも知られています。そして前作の刊行から14年を経てなお、新作の刊行を多くのファンが待ち望む作家でもあります。
70年代はおもにフリーのジャズピアニストとして活躍し、30歳のころから意識的に翻訳ミステリを乱読。中でも「アメリカのハードボイルド御三家」と称されるレイモンド・チャンドラーに心酔しました。沢崎は、そのチャンドラーが生み出した名探偵・フィリップ・マーロウがモデルだそうです。そんな彼を主人公に据えた『そして夜は甦る』は、「日本の風土にハードボイルドを定着させた作品」として高く評価されました。
シリーズ第2作『私が殺した少女』は第102回直木賞を受賞。その後も『天使たちの探偵』『さらば長き眠り』『愚か者死すべし』と沢崎の物語は書き継がれ、合計130万部に達する人気シリーズとなっています。
そんなミステリ界の生ける伝説ともいえる原さんの新作発売を記念して、1月25日(木)に発売された「ミステリマガジン」3月号では、「原尞読本」と題した特集を掲載しています。『それまでの明日』の第1章を公開しているほか、最新作に込めた想いなどについて語られた最新インタビューを掲載。原さんの人と作品を解き明かす1冊となっています。
〉原尞、その7つの伝説とは?(【note】Hayakawa Books & Magazines(β))
2月1日(木)には『それまでの明日』刊行に先駆けて、シリーズ第1作『そして夜は甦る』の全文無料連載が「note」にてスタート。全36章からなる作品が、平日の午前0時に1章ずつ公開されています。
4月には、同作のポケミス版が刊行予定です。また2月下旬からは、沢崎シリーズの文庫版全5点のカバーが一新され、店頭に並びます。
〉【note連載】原尞の伝説のデビュー作『そして夜は甦る』全文連載(第1章)
『それまでの明日』
著者:原尞
出版社:早川書房
定価:1,944円
発売日:2018年3月1日
ISBN:9784152097484