'); }else{ document.write(''); } //-->
『左目に映る星』で2013年の「第37回すばる文学賞」を受賞してデビューしたのち、『透明人間は204号室の夢を見る』『五つ星をつけてよ』などで現代的な人間関係や感情の機微をこまやかに描いてきた奥田亜希子さん。
そんな奥田さんの最新作『青春のジョーカー』が3月26日(月)に発売。先駆けて2月5日(月)より、Twitterで全文を無料公開するというユニークな試みがスタートしました。
1
七夕ゼリーは光を受け、机の木目に鮮やかな影を落とす。乳酸菌飲料で作られたゼリーの上に、偽物の海のように澄んだソーダゼリーが重なる二層仕立てで、そのわざとらしい水色の中には、星形にくり抜かれた果物やナタ・デ・ココが沈んでいた。 <1> #青春のジョーカー— 『青春のジョーカー』奥田亜希子@全文公開中 (@aojo_novel) 2018年2月5日
本文は『青春のジョーカー』公式Twitterアカウント(@aojo_novel)にて、1日に30回前後、合計1,000回以上にわたって投稿されるとのこと。公開された本文はTogetterでまとめ読みすることもできます。
『青春のジョーカー』は、思春期のモヤモヤとしたルサンチマンや性欲を描いた作品です。
主人公は、中学3年生の男子・基哉。学校内での序列を意味する“スクールカースト”最底辺の基哉は、カースト上位の女子グループに属する咲に片思いをし、彼女を思いながら自慰行為にふける毎日を送っていました。そんなある日、基哉は大学生の兄が所属するサークルのバーベキューに参加し、1人の女子大生と出会います。
自慰行為の代償として、ロールプレイングゲームで集めたモンスターを1匹ずつリリースする基哉の心理とは? 女子大生との出会いは基哉に何をもたらし、何を奪ったのか? ぜひ本書の公式Twitterアカウントをフォローして確かめてみてください。
◆担当者からのメッセージ◆
大人になって振り返ると、どうして中学時代、あんなに毎日が辛かったんだろうと思うことがあります。年を取り、過去の出来事を客観的に見ることができるようになったからでしょうか。
過去に戻ることはできませんが、『青春のジョーカー』を読むと、なぜか当時の記憶が鮮明に蘇ります。脆くて薄っぺらい、ピュアな人間関係。100人いたら100人の青春があると思いますが、きっと誰もが当時の眩しさや危うさを思い出す――『青春のジョーカー』がいつの間にか自分のための物語になる――そんな作品です。読了後、感想を語り合わずにはいられない奥田亜希子の小説、ぜひご一読ください!
(集英社 文芸書編集部 中山さん)
世の中に発売されている本で、1人もその作品が「面白い」と思ってないものなんてないと思います。実際、どんな本にもキラリと光るもの、学べることがあります。でも私はこの本を100人に、1,000人に、10,000人に知ってほしい!! とにかく多くの人にこの物語に出合ってほしくて、Twitterという場所を選びました。ここで、思春期の青くささ、もどかしさ、安っぽさ、キラメキを全身で浴びて、ノックアウトされてほしい。心から売りたいと思っている本です。どうぞよろしくお願いいたします!!
(集英社 書籍販売部 葛西さん)
▼奥田亜希子さん近影
小学校時代に出会った完璧な少年を忘れられない26歳の早季子と、恋愛経験ゼロで童貞のアイドルオタク・宮内の恋のゆくえは……? 第37回すばる文学賞を受賞したデビュー作!
地味で暗く、コミュニケーション能力が皆無の実緒。彼女の片思いははたして実るのか……?
女同士のルームメイト、2か月に1度だけ会う親子、姉の忘れ形見の少女……。一言では言い表せない、さまざまな「家族のかたち」を描いた短編集。
商品を評価する5つの星、投稿につけられた「イイネ!」、メッセージについた「既読」……。インターネット上で飛び交うサインと、それにまつわる人の心を活写した連作短編集。
読者とのあいだにトラブルを抱えるティーン誌の編集者と、地方に暮らす中学生の郁美。出会うはずのない2人の人生が交差するとき、意外な真実が明るみに……?