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男の子が泣いています。
「おおぜいでやったのよ/ひとりではとめられなかった/わたしのせいじゃないわ」
「みんなたたいた/ぼくもたたいた/でもほんのすこしだけだよ」
「自分のせいじゃない/その子がかわってるんだ/ほかの子はふつうなのに」
ほかの子どもたちは自分の知っていることを話しながら、最後には必ず「わたしのせいじゃない」といいます。
本当にそうでしょうか?
おそらく「どう思う?」と子どもに聞いても、なかなか言葉が出てこないと思います。でもきっとその子の中には、「責任」という概念の芽が生まれていることでしょう。
考え込んでしまったり、あまりに暗い表情をするようになったりした場合は、途中で読むのをとめてしまってもいいでしょう。お子さんの様子を見ながら、一緒に読み進めていきたい絵本です。本は大きくてずっしり重いですが、大切なものをお子さんは受け取ることができるはずです。
絵本ではありませんが、オールカラーで漫画やイラストがついていて読みやすいのが「学校では教えてくれない大切なこと」シリーズ。全15巻のうち3巻を友人関係にあてており、第2巻「自分と仲良く」、第6巻「気持ちの伝え方」、第11巻「考え方のちがい」と、いずれも実践的な内容となっています。
友だちはどんなことをしたら悲しむのか。自分の中に生まれるもやもやした気持ちは何か。しっかりしたテーマながら、お説教くさくなく、楽しく笑いながら読めるところが魅力的です。
なおこのシリーズには「友だち関係」のほかに「整理整頓」や「防犯」などのテーマがあり、自分で読めるようになると子どもが自ら学習するようになるのもいいところ。累計70万冊の人気シリーズです。
美しい筆づかいの絵本ですが、描かれる物語は壮絶です。
転校先でいじめに遭った小学4年生の妹。お姉さんのまなざしは、妹の苦しみ、傷、お母さんの涙を日々とらえます。そしてある日、妹は……。
「わたしを いじめたひとたちは/もう わたしを/わすれてしまった でしょうね」妹からのこのメッセージは、直接的に加害者だったことのない人もはっとさせられるはずです。
かなりヘヴィーな内容なので、小学校に慣れた小学校2~3年生くらい、もしくは“妹”と同じ4年生くらいの時に読むのがおすすめです。