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『とろけるくちびる』高崎ぼすこさんインタビュー:“そのときの私ができる最大値を詰め込みたい”

1月21日(金)より順次、全国約600書店にて配布が開始されたBLコミックガイド「B+LIBRARY(ビープラスライブラリー)」vol.11。

表紙は、ドラマCD化もされている人気BLコミック『とろけるくちびる』の豪華描き下ろしイラストが飾りました。

巻頭には、『とろけるくちびる』の著者・高崎ぼすこさんのインタビュー記事を掲載。BLの魅力やご自身の作品への想い、好きなジャンルや設定などとあわせて、高崎ぼすこさんのこれまでの作品を紹介しています。

今回は「B+LIBRARY」vol.11に掲載しきれなかった部分も含めた、高崎ぼすこさんのインタビューをご紹介します。

高崎ぼすこ
2013年『いとしい、ということ』(竹書房)にて商業BLデビュー。
スタイリッシュかつ美麗な作風で、幅広い女性読者から熱い支持を得ている「Qpa」のエロ女神。「色気溢れる表情」「ダイナミックなエロを芸術的なまでに美麗なタッチで表現するテクニック」「あまキュンエロ」の三拍子が揃った数々の作品が、ドラマCD化・グッズ化され、日本だけに留まらず世界中で高い人気を誇る。

とろけるくちびる
著者:高崎ぼすこ
発売日:2018年10月
発行所:竹書房
価格:748円(税込)
ISBNコード:9784801964174

『とろけるくちびる』作品紹介
世渡り上手を装っての社長業、仕事も順風満帆。ただし色恋はまったく音沙汰ナシの寂しい生活を送る相原。
接待の帰り道、酒に悪酔いして道にしゃがみこんでいるとサングラス男子が、女を口説くような言動で馴れ馴れしく声を掛けてきた。
イラついた相原がからかい半分にキスをしかけて黙らせて「俳優を意識した髪型、似合ってねーんだよ!」と捨て台詞まで吐いた翌朝、自宅で目を覚ますとテレビに映る俳優・雨宮理久が、昨日のいけ好かないサングラス男子で……!?
年下イケメン社長にロックオンされた社長、とろけてほどける関係の行方は――?

生意気年下イケメン俳優×チャラ仕様なバリキャリ社長
業界シークレットラブ★

(竹書房公式ページより)

 



デビュー当初は手探りの毎日

――商業BL作家としてデビューするに至った経緯や、そのときの心境をお聞かせください。 

二次創作イベントで出版社の担当さんにお声をかけていただいたのがきっかけです。子どものころからイラストは描いていましたが、漫画を描くとなるとネームのコマ割りの時点から全然できなくて! ずっと「自分は漫画を描くのは向いていないんだろうなー」とうっすら思っていたくらいなので、お声をかけていただいたときはかなりびっくりしました。

「新しい挑戦だしきっと楽しい!」と思って描かせていただくことになりましたが、簡単なわけもなく! 1年目は本当に手探りの毎日でした。画面・ストーリー構成など基礎を必死に勉強しながら描いていた気がします。

 

ゲームで脳を切り替えて気分転換

――原稿作業中に欠かせないものはありますか?

ストーリーを考えているときと大事な決めゴマを描いているときは、水が流れる音や焚き火などの環境音をうっすら流しています。楽曲だと曲のイメージに引っ張られちゃうことがあるので。

ペン入れ以降はおすすめプレイリストを聞いたり、ゲーム配信を流していたりすることが多いです。元気が出るものを聞いてラストスパートをかける感じですね!

――原稿作業の気分転換にされていることはありますか?

なぜか肩がこるとかじゃなくて頭皮が痛くなる(笑)ので、休憩がてらマッサージ機で揉んでいます。気づくと長時間座りっぱなしなので、部屋でできる軽い運動もします。

あとはゲームをしていることが多いです。でも結構やりこんじゃうタイプなので、作業の合間にやるといういうさじ加減が難しくて……。ひとつの原稿が片付いて次に入る前、「よっしゲームまとめてやるぞ!」みたいな感じで、脳を切り替えるときにプレイするようにしています。

 

自分が楽しいと思うものを、妥協せず追求して描いていく

――作品を描くにあたり、大切にされていることはどのようなことですか。

まず、「私が楽しいと思うものを描くこと! 妥協しないで楽しいを追求すること!」は忘れないようにしています。やっぱり描いている私が楽しくないものを、みなさんに楽しんでいただくというのは難しいかなと思うんです。

毎回そのときの私ができる最大値を詰め込みたいなと思って描いているので、「面白かった」とご感想をいただける度に、「よかった伝わったー!」といつも大喜びしています。

――好きなジャンルや設定はありますか?

好きでつい描いちゃうのが、ギャップとか二面性のあるキャラです。予想もつかない言動でこちらを振り回してくれるところが、描いている最中も楽しくて!

あとは「年下攻め」が好きですね! 受けの心のバリケードをバッタバッタと倒しながら迫っていく年下攻めの執着心みたいなのが好きです。

 

「とろけるくちびる」シリーズは、キャラクターが生きているみたいだなと思った作品

――これまでのお仕事を振り返って、特に思い入れのある作品やシーンについてお聞かせください。

作品として思い入れがあるのは「とろけるくちびる」シリーズですね。不思議なもので、「いや私にはその発想はないわ~」と思うことを登場人物が言うんです。体感としては、どんどん動くキャラを私がひたすら描き起こしただけに近くて……。キャラクターが生きているみたいだなと思った作品です。

思い入れのあるシーンは、『とろけるくちびるmore melty』の鍵が返ってくるところの独白ですね! あのあたりは本当にやりきれないし、作者といえど、あの流れはどうにもしてやれないので可哀そうでした。

『とろけるくちびる more melty』作品紹介
セフレから“恋人”になった理久と相原。とはいえ人気俳優とデザイン会社社長なふたりはお互い仕事が忙しく会えない時間が多い分、会える時はお互いを求め合い、愛を育んでいた。

ある日、相原は久しぶりに理久に会える嬉しさで頭がいっぱいになり、仕事でミスをしてしまう。「自分に追いつきたい」と言って頑張っている理久にも合わせる顔がなく落ち込んでいたところ追い打ちをかけるように理久のマネージャーから今の関係にクギを刺されてしまう。

会いたいのに会えない、カッコ悪いところも見せたくない、愛し合っているのにすれ違うふたりの恋は一筋縄ではいかず――?

(竹書房公式ページより)

――『とろけるくちびる』は『たどるゆび』のスピンオフ作品ですが、本作を描こうと思われたきっかけをお聞かせください。

『たどるゆび』連載時から、「相原さんをもうちょっと読んでみたい」というご感想をたくさんいただいていました。担当さんと次の連載はどんなものを描こうかと相談していたときに、「……相原さん気にならない?」という話になって。気になる! こういう人なはず! なにそれ読みたい!! という流れで連載になりました。

受けの涼は、『たどるゆび』だと攻めの元カレポジションなんです。でもこの2人、読むと分かるのですが絶対にうまくいかないんですよ! 涼は理久じゃないと無理だし、高瀬は花村じゃないとうまくいかない、そこを描き分けるのがすごく楽しかったです。

――今後挑戦してみたい題材や注目のジャンルがあればお聞かせください。

実は今まで「同年代同体格のケンカップル」系を描いたことが一度もなかったので、幼馴染みや同期とかそういう設定でもいつか描いてみたいです。

注目のジャンルはファンタジーでしょうか。いつか私も描けたらいいなと憧れを持っています!

――最後に、読者へのメッセージをお願いします!

ここまで読んでくださりありがとうございました! こんなにたくさんの人に作品を読んでいただけるのは本当にありがたく幸せなことだといつも思っています。

『とろけるくちびる』と『それでも俺のものになる』を数年かけての連載で描かせていただきましたが、いま新しい作品にも取り組んでいるところです! コミックスとなって読者のみなさまにお届けできるよう頑張ります!

「B+LIBRARY」について
「B+LIBRARY」は、キャラ属性や萌え度、ジャンルといった切り口から好きなBLコミックを探すことのできるガイドブック。BLポータルサイト「ちるちる」に投稿された10万件以上のレビューや、BLコンテンツを扱うサイトで収集されたデータをもとに作品を厳選し、「スパダリ攻め」「メガネ受け」といった設定別で掲載。「好きなジャンル」「好きな作家」「絵柄」などさまざまな切り口で作品を選ぶことができるので、新たなBLコミックと出合ったり、見逃していた作品を見つけたりするのに役立ちます。

 

「B+LIBRARY」に関するお問い合わせ

日本出版販売株式会社 マーケティング部MD課
[E-mail]nippan_md@nippan.co.jp

※配布店舗の営業時間、配布状況・配布方法などについては、各店舗まで直接お問い合わせください。