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TikTokで話題!小説紹介クリエイター・けんごインタビュー「読んだことのない人の目線に立って」

『残像に口紅を』(中央公論新社)、『さよならの向う側』(マイクロマガジン社)、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(スターツ出版)……。

これらの小説はジャンルも出版社もばらばらですが、一人のSNS投稿から反響を呼び、重版された作品です。

小説紹介クリエイター「けんご@小説紹介」さん(以下、けんごさん)は、TikTokを中心にSNSで小説の魅力を発信しています。

TikTokのフォロワー数は26万人以上。けんごさんに紹介された小説は多くの書店で品切れとなり、投稿をきっかけに、これまでに約15の作品が重版されています。

(撮影:森 清)

そんなけんごさんが、毎月テーマに沿ってオススメ小説を紹介する連載が、全国約1,000書店の在庫がわかるスマートフォン向けアプリ「ほんらぶ」でスタートします!

ヒットを呼ぶ小説紹介クリエイターとして注目が集まるけんごさん。SNS活動や小説への思いをインタビューしました。

※アプリをダウンロードすると、PUSH通知で毎月書評が届きます。
書評連載について詳細はコチラ




 

 

コスパ良く時間をつぶせる趣味が欲しい

――けんごさんは月に20冊前後の本を読んでいるとのことですが、小さなころから本好きだったのでしょうか。

両親は本を読むので、福岡の実家には小説も置いていましたが、僕自身は全く読書をするタイプではありませんでした。

小説を読むようになったのは大学1年生の時で、コスパ良く時間をつぶせる趣味が欲しい、と思って読書を選びました。胸を張って言える趣味が無かったので、作りたいなと思って。当時は文庫1冊を読むのに2週間くらいかかったので、すごくコスパが良いと思っていました。

映画を見に行くと1,500円以上かかるし、漫画もシリーズで揃えるとお金がかかるし。それで小説をどんどん読んでいって、いつのまにか好きになっていましたね。

小説の登場人物の表情や声は、100人が同じ本を読んでも100人が違う感じ方をすると思うんです。そうやって想像力を搔き立てられるところが魅力だと思います。

――初めて読んだ小説は東野圭吾さんの『白夜行』(集英社)だと伺いました。

選んだのは、たまたまなんです。ドラマも見た記憶はあるのですが、内容は全く覚えていなくて。「この本があのドラマの原作なんだ」と思って読もうと思いました。当時は小説家も全然知らなかったですけど、東野圭吾さんだけはお名前を知っていたので、それもきっかけになったのかなと思います。

――普段読む本はどのように選んでいますか。

僕はストーリーに重きを置いています。文庫だったら裏を見て、単行本だったら帯を見て、という感じです。書店員さんのPOPも本を選ぶポイントの1つです。あとはTwitterで出版社さんや著者の方をフォローしていて、新刊情報をチェックしています。

ライト文芸はSNS活動を始めてから読み始めましたが、単純に読みやすいです。レーベルにもよりますが、サスペンスなどは非常に作りこんだ内容もあったりするので、年齢は関係ないかな、と思います。ジャンルも色々なものがありますね。

 

何万部売れていようが、有名作家だろうが、読んだことのない人の目線に立って紹介する

――けんごさんは昨年(2020年)の11月からTikTokを始めています。何かきっかけはあったのでしょうか。

大学でずっと野球をやっていたのですが、野球部の活動が11月までで、引退のタイミングで何かやりたいなと思っていました。僕の人生は野球漬けだったので、何か変わったことがしたかったんですよね。SNSには関心があったので、どうせなら好きな小説を紹介できたら面白そうだな、と何気なく始めました。

最初始めた時には、こんなに反響があるとは全然思っていませんでした。いまTikTokのフォロワーが26万人いるのですが、小説に興味関心を持っている人がこんなに多いんだ、ということに僕自身が驚きました。

(小説をTikTokで紹介するけんごさん)

最初に投稿した1本目の動画から見てくださる方がすごく多くて、4本目に紹介した『冬に咲く花のように生きたあなた』(KADOKAWA)がすぐに重版されて、すごいスピードだな、と思っていました。

出版社の方も、なぜ突然この作品がランキングに入ったり問い合わせが増えたりするのかと調査されて、僕のSNSに辿り着いてびっくりされていましたね。

 (けんごさんがTikTokで紹介したのは2020年11月25日。1か月も経たないうちに重版が決定しました)

――SNSで紹介されている本は、ジャンルが違ってもどれも「読みたい!」と思うものばかりです。紹介する本を選ぶ基準はありますか?

面白かったら紹介する、というシンプルな理由で選んでいます。あと最近はなるべく新刊を紹介するようにしています。実際に紹介している作品は古いものもあるのですが、意識としては新刊が優先ですね。単行本で発売される作品はなかなか初動が出づらくて、面白いのに売るのが大変と聞くので、僕が頑張って知ってもらえる機会が増えればいいな、と思っています。

一方で、東野圭吾さんの『白夜行』や宮部みゆきさんの『火車』など、すごく好きなんですけど、どうしても上手くまとまらなくて紹介できていない作品もあります。

――社会人として働くかたわら、紹介動画を作成し続けるのは大変なことだと思います。

動画を作る前に話す内容を“脚本”として一言一句すべて書いているのですが、この文章を考えるのに時間がかかります。ものにもよりますが、撮影と編集は割とすぐに終わりますね。動画の編集は学生時代に遊びながらやっていたので元から覚えていました。

――けんごさんが紹介した作品が重版されることも多くなっています。重版の報告を受けた時はどのようなお気持ちですか。

4本目の動画で初めて重版のご報告をいただいて、そこから何十作品も同様の報告をいただいています。紹介するなら、手に取って読んでもらえる方がうれしくて、その指針の一つが重版だと思っています。ひとつひとつの作品を重版まで導けるように頑張りたいと思っているので、重版の報告をいただくと良かったな、と感じます。

――ひと昔前のベストセラーなども紹介されていますね。

「そんなベストセラーを紹介しても、いまさらでしょ」とか言われることも多いのですが、それは読書好きの思い込みであって、知らない人の方が圧倒的に多いんですよね。

たとえ300万部売れていて、その300万部をシェアして2人ずつが読んでいたとしても、600万人しか読んでいないんです。日本の全人口と比べたら本当に少ない。だから何万部売れていようが、有名作家だろうが、読んだことのない人の目線に立って紹介する、ということは意識しています。

(ラジオ出演時や書店動画など)媒体によっても基本のスタンスは変えていなくて、一貫して知らない人の目線に立つ、ということを意識しています。

例えば「“あの”東野圭吾さんの新作」や「100万部突破していて」などと言っても、知らない人は知らないじゃないですか。なのでそういった余計な情報は入れません。その物語がどういうものなのか、ということだけです。

――10月から配信する「ほんらぶ」での連載は、動画ではなく文章での書評になります。

作品を知らない人に届けたい、という気持ちは変わりません。アプリを利用している方に、今まで読んだことがないレーベルや作品を手に取っていただけたらうれしいですね。

動画を作るときに書いている“脚本”と同じように、堅苦しい言葉などは使わずに、まっすぐ伝えられたらいいな、と思います。ジャンルや年齢層も関係なく、たくさんの作品を紹介したいです。

インタビューの様子(2021年9月21日オンラインにて)

 

けんご@小説紹介SNSリンク

lit.link:https://lit.link/kengobook
Instagram:https://www.instagram.com/kengo_book
Twitter:https://twitter.com/kengo_book
TikTok:https://www.tiktok.com/@kengo_book

 

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※2021年12月は24日(金)の配信となります。
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