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  • 前代未聞の新漫画賞「MILLION TAG」参加編集者に意気込みを聞く!/マーガレット編集・ハタケヤマ 編

    2021年03月05日
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    日販 ほんのひきだし編集部 浅野
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    〈これは前代未聞の漫画賞であり、漫画SHOWだ。スターはいつも突然、鮮烈にデビューする。〉

    昨年12月に開催決定が発表された、漫画家発掘オーディション番組「MILLION TAG(ミリオンタッグ)」。これは、集英社が次世代スター作家を発掘するべく始動させた新たな漫画賞で、選抜された6名の漫画家が編集者とタッグを組んで優勝を目指し、3か月にわたるその選考過程を番組として配信するという前代未聞の方式で行なわれます。

    4つの課題を経て優勝者が得るのは、「賞金500万円」「少年ジャンプ+での連載確約」「単行本発売」「アニメ制作(1話分相当)の確約」。

    募集締切が3月21日に迫るなか、挑戦者を待つ6名の参加編集者から、「少年ジャンプ+」編集・林士平さんと、「マーガレット」編集・ハタケヤマさんのお二人にそれぞれお話を伺いました。

    今回は、『ふたりで恋をする理由』『彼女が可愛すぎて奪えない』『アンクールデッド』などを担当するハタケヤマさんのインタビューをお届けします。

    ―― ハタケヤマさんは、「MILLION TAG」参加編集者では唯一の“少女漫画の編集者”ですね。まずは、現在のお仕事についてお聞かせください。

    2019年に集英社に入社して、「別冊マーガレット」で連載の担当や新作の立ち上げなどを何本か経験したあと、1年半くらい経ったタイミングで現在のマーガレット編集部に異動になりました。なので、入社以来ずっと少女漫画部門でお仕事をしているのですが、BL誌「君恋」や女子向け漫画アプリ「マンガMee」でBL作品の担当も経験しているので、少女漫画以外のジャンルにもわりと携わっています。ちなみに、同じく参加編集者であるヤングジャンプ編集部の李くん(『久保さんは僕を許さない』(著・雪森寧々)などを担当)とは同期です。

    もともと漫画がとにかく好きだったのと、「子どものための仕事をしたい」という思いから、漫画か児童書の編集をしたいなと思って就職活動をして、希望が通ったかたちです。特に漫画には人生の要所々々で助けられてきたので、その影響力を強く感じていました。ゼロからイチを作るのが作家さんだとしたら、その素晴らしいイチを何倍にもして、たくさんの人に届けるために何倍にも大きくするお手伝いがしたい。その気持ちは今も同じです。

    ―― 特に影響を受けた漫画はなんですか?

    『SLAM DUNK』(著・井上雄彦)がきっかけでバスケットボールを始めて、小学5年生からずっと続けていました。特に三井寿が大好きです。更生して“やり直し”をしていく感じがすごくかっこよくて……。私はバスケットを始めた当時から身長がわりとあったので、ポジションはずっとゴリ(赤木剛憲)だったんですけど(笑)。

    ――(笑)。「少年ジャンプ+」は普段から見ていらっしゃいますか?

    たくさん読んでいます! 連載作だと『2.5次元の誘惑』(著・橋本悠)が好きですね。コスプレを題材にした漫画で、私自身、学生時代に趣味でコスプレをしていたこともあるのですが、する側の視点から読んでいても嘘がなく、それでいてしっかりエンタメとして昇華されているのが素晴らしいです。

    編集者視点でいうと「少年ジャンプ+」は、読切がたくさん載っているところがいいですね。まだ連載デビューしていない新人作家さんもファンを獲得しやすいですし、読切の反応次第ですぐ連載に移行できるのもいいなと思います。

    ――「早い段階からファンがつく可能性がある」という点は、「MILLION TAG」にも共通していますね。

    そうですね。優勝者はデビューした時点ですでにファンがいる、もし優勝を逃してもファンがいて知名度があるというのは、この企画の魅力の一つだと思います。なので、応募を考えている人はぜひ、少しでも迷っているなら、たとえギリギリになるとしても描き上げて投稿してほしいです。

    ―― 今回ハタケヤマさんが「MILLION TAG」に参加表明した動機はなんだったのでしょう? 少女漫画の新人賞ではなく、「少年ジャンプ+」をフィールドとした企画ですよね。

    “少女漫画誌志望ではない方”とお会いする機会が普段はどうしても少ないので、新しい作家さんと出会うきっかけにしたいなと思って参加しました。

    「少女漫画誌といえば恋愛もの」と思っていらっしゃる方が多いかもしれませんが、実際は少女漫画誌って、友情ものからミステリーまで幅広く面白い作品が載っているし、投稿もしてくださっていい場なんですよ。私が担当している『アンクールデッド』(著・緒川あお)という作品も、特異体質の女子高生が、捜査一課につとめる御曹司とタッグを組んで殺人事件の謎を追うミステリーなんですが、しっかり読者がついています。緒川あおさんも、すごく貪欲に、初連載ながらいろんなことにトライしてくださっていますしね。

    だけど、あまり触れてこなかった方たちにとっては、やっぱり「少女漫画誌ってこういうもの」というイメージがあって、ハードルを感じてしまっているんじゃないかなと思うんです。今回「MILLION TAG」に参加することで、作家さんや読者の皆さんに、少女漫画という場所や、その面白さを知っていただくきっかけになったらいいなという気持ちもありますね。

    ―― 連載挑戦者の皆さんにとっては、“少女漫画編集者ならではの視点”も気になるところかなと思います。

    少女漫画って、とりわけ「感情」に目を向けなきゃいけないジャンルだと思うんです。たとえば「好きな人にフラれた」というシーンひとつとっても、フッた側・フラれた側それぞれがどういう人物なのかによって、どれくらい、どんなふうにショックを受けるのかは異なるはずですし、演出やセリフによって見え方も大きく変わりますよね。

    なので普段から、編集者として「どの感情をどんなふうに拾って、どう表現するか」はこだわっていますし、作家さんにも粘り強く意図をお聞きしています。作品を拝見するときも、一人目の読者としてどう心が動いたかをとても大切にしていて、ときめきだけじゃなく、驚きでも悲しみでも、印象に残るセリフや心揺さぶられるシーンが必ずある作品にしたいなと考えています。

    今回どんな方と組むことになるのかはまだわかりませんが、私からはそういう視点をお渡しできるんじゃないかなと思っています。少年漫画は大好きですし、自分なりの見解も持ってはいますが、フィールドが違うからと少年漫画に寄せるのではなく、作家さんの書きたいものと、「私」と組んでいただくことの意義を大切にしたいです。

    ――「MILLION TAG」は特典の豪華さに加え、わずか3か月のうちに4つの課題に挑戦するというスピード感も特徴です。いまの心境はいかがですか。

    これだけの短期間にゼロの状態から一対一で詰めていくって、かなりタイトでハードですよね。私自身もふたを開けてみるまでわからないことばかりです(笑)。賞金500万円って桁違いの額ですし、それに連載や単行本化、アニメ制作まで付いているわけですから、それくらい集英社としても本気な企画で、私たちはそれに見合う、むしろそれ以上に価値のある作品を生み出さなきゃいけないんだなと思います。

    いつもなら「少し時間をかけて考えさせてください」と言いたいようなところも、一分一秒も惜しい環境下ですから、常に冷静でいて、早く答えを見つけ出さなくてはいけません。それに、通常の業務に影響が出て、いま担当させていただいている作家さんたちにご迷惑をおかけするようなことも絶対にしたくないですし。どこまでできるのか私にとっても初めての挑戦ですので、そこが楽しみでもあります。

    作家さんへのリスペクトや漫画を愛する気持ちはどの編集者も共通していると思うんですが、それに対するアプローチは一人ひとり違います。「MILLION TAG」の番組をご覧になる皆さんには、どんな才能が集まって、どんなふうに漫画が作られていくのか楽しんでいただきたいですし、ぜひ作品を何度も読んで、連載挑戦者それぞれの魅力に注目してほしいですね。

    それから、少しでもいいなと思ったら、ぜひ感想を寄せていただきたいです。応援の言葉って本当に、作家さんにとっても担当編集にとっても作品をつくっていくうえで力になるんですよ。面白いと思って書いたものがきちんと届いているという実感にもつながるので、ぜひ声をあげて作品を応援していただきたいです!

     

    「少年ジャンプ+」編集・林士平さんのインタビューはこちら

    前代未聞の新漫画賞「MILLION TAG」参加編集者に意気込みを聞く!/少年ジャンプ+編集・林士平 編




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