今年7月より施行された、プラスチック製買い物袋(レジ袋)の有料化。
各書店も来店客への周知、エコバッグ持参の推奨など対応しているなか、こちらのトートバッグが話題になっているのをご存じでしょうか。
これは香川県高松市に本社を置き、全国に店舗を展開する「宮脇書店」のエコバッグ。従来のレジ袋のデザインをほぼそのままトートバッグにしており、A4判の雑誌が入るちょうどよいサイズ感、税込100円という価格の手頃さもあって、「これはいいアイデア」「つい買ってしまった」と好評です。
▼これまで使用されていたレジ袋(左)とエコバッグ(右)
宮脇書店本店 筒井敬三店長もこのエコバッグについて、「特にお声掛けをしなくても、すぐに目につくのかどんどん買われています。街中でも持ち歩いている方を見かけます」「取り置き注文されるお客様、エコバッグだけをお求めになるお客様も多く、書店のイメージアップにもつながっています」と、手応えを口にしています。
普段からの利用客や地元出身者にとって愛着あるデザインを残したことで、年齢や性別に関係なく受け入れられているようです。
本好きの心に響き、書店の売り場にもなじむエコバッグを
なお「書店限定エコバッグ」を導入する動きは、宮脇書店に限らず、全国的に広がりつつあります。
レジ袋有料化に先立ってリリースされたのが、文学作品をイメージしたデザインのエコバッグ。現在全6種類展開されており、先ほど紹介した宮脇書店デザインのエコバッグは、実は、この規格のバッグにオリジナルデザインをプリントしたものとなっています。
全6種類の内容は『赤毛のアン』『道程』『銀河鉄道の夜』『ウォールデン 森の生活』『ハムレット』『こころ』。
オープン価格商品のため店舗によって価格は異なりますが、およそ100円~150円。手持ちのカバンに入り切らなかったとき、マイバッグを忘れてしまったときなどもレジ袋代わりに買いやすく、数種類合わせ買いする人も多いようです。
トートバッグは幅28cm×高さ32cmで、内ポケットなし・マチなしのシンプルなつくり。誰かに本を贈りたいとき、ラッピングの代わりに、このバッグとセットでプレゼントするのもいいかもしれません。
冒頭で紹介した宮脇書店のほかにも、リブロやオリオン書房など、オリジナル柄のエコバッグを展開している書店がいくつかあります。ぜひお近くの書店を覗いてみてください。
書店がエコバッグを導入するメリットは
今回紹介したエコバッグの現在の導入店舗数は、約600店・110法人。
「販売以外にノベルティとして使用するケースもあり、宣伝効果が期待できる」(リブロ ララガーデン春日部店 高野光一店長)、「店舗としてSDGsに取り組んでおり、その方針と合っているのもよい」(丸善 有明ガーデン店 石川格店長)、「会計待ちで並んでいらっしゃる時に手に取り、そのまま購入されるお客様も多い」(オリオン書房ルミネ立川店 長沼智夫店長)と、書店からも「導入してよかった」という声があがっています。
エコバッグ自体に付加価値を与え、「書店でエコバッグを購入する文化」を広げることを目的としたこの取り組み。今後新デザインも追加予定となっており、コレクターが生まれることで、その勢いはさらに盛り上がりそうです。
(写真協力:丸善 有明ガーデン店)