全国の書店員さんが、もっともおすすめの本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。
第76回は、埼玉県富士見市にあるリブロららぽーと富士見店の店長・宮崎洋平さんのご登場です。
今回、宮崎さんが紹介してくださるのは、音と手触りを楽しみながら赤ちゃんの脳にいい刺激を与える『NEW ふわふわ つるつる たべものたっち』です。本作は、2019年に発売された同タイトルのリニューアル版で、表紙のりんごをにぎるとしゃりしゃり音がするなど、赤ちゃんの好きな素材がたくさん使われた感覚絵本です。
著者は手芸絵本作家の＊すまいるママ＊さんで、リブロららぽーと富士見店では、同著者の『NEW ふわふわ もこもこ どうぶつたっち』とともに展開されています。そんな“担当の一押し”という本書について、宮崎さんに綴っていただきました。
『NEW ふわふわ つるつる たべものたっち』
著者：＊すまいるママ＊
発売日：2024年12月
発行所：東京書店
定価：1,430円（税込）
ISBN：9784885748448
初めての絵本にもおすすめ！大人も癖になる音と触り心地の知育絵本
書店員として働いていたら、「他店ではまだ売れていないけれど、自店では売れている、隠れた（と言ったら失礼に当たるかもしれませんが……）名作」を常日頃から探している方は多いのではないでしょうか。
駅近くの書店だから電車関連本が売れる、最寄りに球場やスタジアムがあるからサポーターのお客様向けに関連本が売れる、はたまたジャンル担当者の熱心な一押しがお客様に刺さって売れる……。色々な条件が重なって店舗特有のベストセラーは生まれます。「是非手に取って読んでもらいたい、おすすめの本です！」という情熱が、売上という目に見えるかたちでお客様に伝わるのは、この仕事の魅力の一つです。
先日からリブロららぽーと富士見店に着任した私ですが、富士見店での「隠れた名作」を探していたところ……、ありました！ それがさわってあそぶ知育絵本の『NEW ふわふわ つるつる たべものたっち』です。児童書担当曰く、発売からコンスタントに売れており、ずっと「わむぱむ」棚前での平積み展開を続けているおすすめの1冊とのことです。
ちなみに「わむぱむ」とはリブロでの児童書売場の名称で、子どもが大好きな秘密基地のような造りになっているスペースです。
富士見店はお子様連れのお客様が多く、客層にマッチしたということもあると思いますが、売れている理由はそれだけではありません。
まず、表紙では可愛いりんごが笑顔でお出迎え。りんごをぎゅっとにぎってみると、シャリシャリ・カサカサと音がします。大人の私でも癖になる音と触り心地で、いつまでもにぎっていたくなってしまいます。ページをめくっていくと、いちごやとうもろこし、ゼリーやパンケーキなど赤ちゃんや子どもが大好きな食べ物がずらり。それぞれ違った質感を楽しむことができます。
個人的にはとうもろこしやおせんべいがおすすめで、触ってみると特有のつぶつぶ感・ざらざら感が見事に表現されています。
絵本自体も丈夫な作りになっており、1ページごとの厚みもしっかりしているので、ひらくとパタパタと心地良い音がします。本の角も丸くなっているので、小さいお子様も安心して触れるように工夫されています。初めての絵本にもおすすめです。
少子高齢化への対応が求められていますが、だからこそ子どもが楽しく健やかに育っていける環境があってほしいと思います。富士見店ではスタッフ一同、「わむぱむ」で楽しいひと時を過ごしていただき、素敵な本との出会いがあればと願っています。また、そのうちの1冊が『NEW ふわふわ つるつる たべものたっち』であればとても嬉しいです。
◆作り手からのメッセージ◆
『NEW ふわふわ つるつる たべものたっち』は3児の「パパ」でもある手芸絵本作家＊すまいるママ＊先生が、赤ちゃんの好きな色や素材、そして音にまでこだわった絵本です。ページごとに異なる素材を赤ちゃんがにぎって、さわって夢中になることまちがいなし！の1冊。また、贈り物としても大変おすすめです。
（東京書店 企画・編集部 南澤朝子さんより）
リブロ ららぽーと富士見店
Tel.049-275-1090
〒354-8560 埼玉県富士見市山室1-1313 ららぽーと富士見 1F 1260
