人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

人と本や本屋さんとをつなぐWEBメディア「ほんのひきだし」

  1. HOME
  2. 本屋を楽しむ
  3. 本屋のあれこれ
  4. 座談会|書店の売場の魅力発信!日本で一番おもしろいフェアを競う「Book Fair Championship」とは?

座談会|書店の売場の魅力発信!日本で一番おもしろいフェアを競う「Book Fair Championship」とは?

Book-Fair-Championship_TOP

書店員が「フェア」の腕を競い合う「Book Fair Championship」(BFC)が書店と出版社有志によって創設され、11月1日(金)12時よりエントリーとクラウドファンディングが開始されました。今回は実行委員のみなさんに、本プロジェクトが立案された狙いや概要、込められた思いについてお聞きしました。

Book Fair Championship(BFC)とは
書店で実施されているフェアを広く世に発信し、フェアを目がけて書店へ来店してくれるお客様を増やすために、書店員がフェアの腕を競い合うチャンピオンシップです。見事チャンピオンに輝いた書店員には、賞金30万円とチャンピオンベルトが贈呈されます。

「Book Fair Championship」の詳細はこちら

 

【出席者】
梅田 蔦屋書店 店長 北田博充さん
NICリテールズ 執行役員 野上由人さん
ライツ社 編集・明るい出版業界紙編集長 有佐和也さん
パイ インターナショナル 営業部 佐藤裕美さん

 

優れた書店員を発掘、評価し、書店で働く人を元気にしたい

――いよいよ11月1日(金)より、全国の書店員が日本で一番おもしろい書店フェアの企画を競い合う「Book Fair Championship」が始まりました。まずは、このプロジェクトが立ち上げられた経緯を、実行委員長の北田さんからお話しいただけますか?

北田 昨今の書店業界は、書店数や読書人口の減少、出版不況といったネガティブなニュースばかりが報じられています。そういう業界は若い優秀な人材が集まりにくく廃れていってしまうので、まずはポジティブなニュースを発信することが大事だと考えてきました。

「書店を元気にしよう」という声も聞かれますけれど、そのためにはまず、書店で働いている人を元気にしなければならないはずです。しかし、そういう点に着目した取り組みの事例はなかったですし、作家さんや出版社を評価する制度はあっても、売り手である書店員が公的に評価される制度はありません。そこで、これまで知られていなかったおもしろいフェアや優れた企画力を持つ書店員を発掘し、全国に広めるきっかけになればとこのプロジェクトを立ち上げ、チャンピオンベルトを製作しました。

BFC チャンピオンベルト

▲BFCチャンピオンベルト(イメージ)

 

――北田さんはクラウドファンディングのページで、フェアは「書店の一等地の平台や棚で展開される、書店における“企画展”のようなもの。本屋の魅力のひとつ」と綴られています。まさに書店員の腕の見せ所をテーマにされたのですね。

おもしろいフェアがあっても、内容や実績、ノウハウといった情報は、その書店チェーンの中でしか共有されません。業界として、ノウハウが水平展開されないことは課題と考えていました。

お客様に対しても、実施しているフェアの情報は今の時代、SNSでも発信はされていますけれど、多くはフォロワーにしか届いていません。

このプロジェクトでは、フェアの情報がBFCの公式サイトやSNSで紹介される可能性、オリジナルZINEへの収録、他書店で展開される可能性についても同意いただいた上で、エントリーをお願いしています。他書店の書店員や一般のお客様にも自由に見ていただくことで、より多くの方に書店の魅力やおもしろさをお伝えできるのではないかと考えています。

BFC 北田博充さん

北田博充(きただ・ひろみつ)
大学卒業後、出版取次会社に入社し、2013年に本・雑貨・カフェの複合店「マルノウチリーディングスタイル」を立ち上げ、その後リーディングスタイル各店で店長を務める。2016年にひとり出版社「書肆汽水域」を立ち上げ、長く読み継がれるべき文学作品を刊行している。2016年、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)入社。現在、梅田 蔦屋書店で店長を務める傍ら、出版社としての活動を続けている。著書に『これからの本屋』(書肆汽水域)、共編著書に『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』(朝日出版社)、共著書に『本屋という仕事』(世界思想社)がある。

 

――フェアの腕を競い合うだけでなく、来店してくださるお客様を増やすこともBFCの目的のひとつですね。業界外の人たちも巻き込んだプロジェクトとしては本屋大賞が筆頭に挙げられますが、実行委員のみなさんの中ではBFCをどうやって大きな賞に育てていこうとお考えですか?

野上 その点に関しては、まだこれから考えなくてはいけないことや解決しなくてはいけないことがたくさんあると思っています。本屋大賞が成功した最大の理由は、売場に立つ書店員がおもしろがってやっているところで、そこが強みです。

BFCでは賞金30万円やチャンピオンベルトという贈呈品も用意されていますが、現場の人たちがおもしろがって企画をエントリーしてくれるようにならないと、話が始まりません。そこをどうやって盛り上げていくかがこれからの課題ですし、現場の人たちに、ブックフェアの良さやおもしろさを伝えていくことも今後やるべきことだと思っています。

NIC野上由人さん

野上由人(のがみ・ゆうと)
NICリテールズ執行役員・書籍MD部長。リブロ南町田店、汐留シオサイト店、渋谷店、福岡天神店で店長。その後は本部勤務。2019年リブロプラス取締役。2023年から現職。2024年8月、ブックセラーズ&カンパニー執行役員兼務。

 

――ブックフェアは書店員さんとして一番やりたい、やりがいのある仕事というイメージでしたが、一概にそうとは言えないということでしょうか。

野上 法人によってそれぞれ事情が違う気もしますけれど、ブックフェアの企画を業務として指示しているケースは実はあまりないのではないでしょうか。現場の人が企画するものについては、自分たちで考えて、やりたくてやっているものが多いと思いますし、そういう企画の方がきっとおもしろい。自主性に委ねられている分、本当に忙しいとどうしても後回しになってしまう仕事でもあります。

まさに編集力が問われるものなので、会社も育成するノウハウが実はなかったり、個々人が自分でいろいろ勉強して培ったものを表現につなげていたりするので、光を当てにくかったのも事実でしょう。北田さん、そもそも蔦屋書店の場合は、ブックフェアが奨励されているのですか?

北田 フェアには結構力を入れているほうだと思うのですが、一般的には野上さんがおっしゃった通り、フェアに注力しなさいという法人はほぼないのではないでしょうか。やらされ仕事ではないからこそ企画者の個性が出やすいですし、ほかの書店ではやっていないものだからこそ、お客様の目も行きやすいのだと思います。

そこにいくらでも時間を割いていいというわけにはいきませんが、おもしろい企画をすればお客様に喜んでいただけますし、それを目当てに来店してくださるようになると思っています。

野上 もう一つお話ししておくと、書店員が外部から評価される仕組みがまったくないわけではなくて、おもに出版社から表彰される機会はいくつかあります。一つ目は同じ本を何冊売ったか、前年比が何%だったかという売上実績を評価されるケースですが、これは立地に依存するところが大きくて、どうしてもどのような店舗にいるかが影響します。

もう一つは店頭陳列コンクールの類で、写真でディスプレイを主に評価されるのですが、それは書店員の仕事の中では切り取られた一部分です。

どちらももちろん大切なことなのですが、ブックフェアという本当の意味での売場の編集力を評価する仕組みはこれまでなかったので、このプロジェクトはそこが新しいと思います。

 

プロジェクトを通して書店員の“心”を伝えたい

――佐藤さんは、今回どういった思いで参加されたのですか?

佐藤 私がもともと書店の現場にいたことが賛同のきっかけになっています。朝の品出しに始まり、フェアを作ったりイベントを実行したり日々のレジ業務だったりと、忙しいだけでなく、書店員さんのお仕事には知識も経験も必要です。それは私自身も痛いほど現場で叩き込まれ、身に染みて感じていました。

たくさんの仲間と一緒に書店員をやってきた中で、みなさんがおっしゃる通り、評価してもらいづらい職種の筆頭だとも思っています。さきほど北田さんからも書店業界は暗いニュースばかりというお話がありましたが、特に書店員さんの待遇や職場環境に、業界全体で動かないといけないような、一番大きな問題があるのではないでしょうか。

そういった状況の中でも、書店員さんの日々のモチベーションとなっているのが「この本を売りたい」「読んでほしい」という思いであり、その心の部分が一番表れるのがお店独自のおすすめやフェアだと思います。そこにわかりやすく光が当たる、評価してもらえるとさらにモチベーションにつながりますよね。

もちろん賞金やチャンピオンベルトがもらえることは魅力ですし、エントリーされた企画をアイデアとして自店のフェアに取り入れることもできます。自分のお店の宣伝にもなるといったことも含め、受け取り側にとって幅の広いプロジェクトだと感じています。

パイ インターナショナル佐藤裕美さん

佐藤裕美(さとう・ひろみ)
パイ インターナショナル営業部。1985年福岡生まれ、大阪育ち。大阪の書店、心斎橋アセンス、スタンダードブックストア心斎橋、梅田 蔦屋書店を経て、出版社の営業へ。共著に『手紙を書くよ』(十七時退勤社)。

 

――ライツ社さんからは、大塚啓志郎さんと髙野翔さんの両代表と有佐さんが参加されています。大塚さんと有佐さんはクラウドファンディングのアドバイザーという役割を担っていらっしゃいますね。

有佐 最初にこのプロジェクトのお話を聞いた時、もちろん北田さんのことを応援したいという気持ちもありましたが、単純に「あ、これは絶対におもしろいな」とすぐに思いました。文系の最たる仕事ともいえる書店員のみなさんが、ベルトを競い合って熱い戦いを繰り広げる。その戦いを、一緒に盛り上げられたらと。

ライツ社では、note上で「明るい出版業界紙」というコンテンツを発信していて、それはこのプロジェクトと同様、「出版業界の暗い話ばかりがニュースになるけれど、明るいニュースを届けたい」という思いだけでやっているものです。

そういった弊社の思いとリンクしていることもありましたし、個人的におもしろそうだと思ったときにフットワーク軽く動けるのがライツ社の持ち味なので、ぜひ一緒にやりましょうと参加しました。

ライツ社有佐和也さん

有佐和也(ありさ・かずや)
ライツ社の編集・明るい出版業界紙編集長。1987年、石川県小松市生まれ。大学卒業後、大阪の編集プロダクションを経て、2016年にライツ社に入社。同年にクラウドファンディングを活用した『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(著者:本山尚義)の編集を担当。以降、クラウドファンディングによる出版サポートも行う。noteにて「明るい出版業界紙」を運営し、出版業界の明るい話題を発信中。

 

クラウドファンディングの支援者も、一次選考に参加できる!

――エントリー期間は12月22日(日)まで。その後審査が行われ、2025年2月下旬にチャンピオンが発表されます。

野上 実はブックフェアはなくても本屋は成り立ちますし、フェアの企画はプラスアルファの仕事という面があります。書店員になりたての人は、最初はレジを打つことから覚えて、その後にいわゆるベストセラーを調達できるようになってといろいろなステップがあり、最後の最後でブックフェアの企画が立てられて、売上が作れるようになります。

つまり、書店員の仕事の中でも上級編のはずなのですが、いままで評価されてはこなかった。その一番難しい仕事にしっかり光を当てようというのがこのプロジェクトの良さだと思います。

一方で、評価したくてもなかなか難しいという面も実はあって、個人的におもしろいとは言えるのですが、ほかのフェアと比べてどうかとか、そもそも比較対象がどこにあるのかなど、やろうと思うと思いのほか大変です。今回は、名の通った3人の審判員に審査してもらいますので、納得性も高まるのではないでしょうか。

――一次では、実行委員の方々も審査されるのですよね。

北田 そうです。ちなみに、クラウドファンディングでは3,000円以上はどのコースにも一次選考への参加権がついていますので、ぜひ多くの方に投票から参加していただきたいです。

――選考のポイントはどのようになっているのですか。

北田 評価基準は、①発想・アイデア:アイデアがユニークな企画、②提案性:フェアの意図・狙い・思いが顧客にうまく伝わっている企画、③芸術性:フェア展開の見た目が美しい企画、の3つです。この基準はクラウドファンディングで支援していただいた方にもシェアして、同じ観点で投票していただきます。もちろん好き嫌いを含めた個人の判断によるところもあるでしょうが、申し上げた3点を念頭に、総合的に判断していただくことになります。

――審判員として、小説家の滝口悠生さん、文芸評論家の三宅香帆さん、フラヌール書店の久禮亮太さんが参加されています。このお三方はどのように声を掛けられたのですか?

北田 実行委員のみなさんから案を募って調整し、お願いしています。

野上 いろいろな視点が入るようにしたかったので、同じ職業の人ばかりにならないようにバランスを考えました。あと、書店の内側を知っている人がいたほうがいいだろうと思いつつ、もしかしたら自分でエントリーしたい人もいるかもしれませんので、その人を巻きこんではいけないだろうという配慮もありました。

北田 佐藤さんは滝口さんのフェアをスタンダードブックストアで一緒にやったことがあるんですよね。滝口さんには小説家として書店員と一緒にフェアをしてくださり、書店員の仕事に深い理解があることからお願いしていますし、三宅さんも書店での勤務経験がおありです。

佐藤 滝口さんは書店員や現場の課題を実に寄り添って考えてくださっている方で、フェアを一緒にさせていただいた時も、作家さんという立場の難しさがありつつも、本を一冊売ることの大変さと作家自身がどういうふうに協力していけるかを考えたいとおっしゃってくださいました。私がBFCに参加したときにはすでに審判員は決定していたのですが、すごく素敵な人選だなと感じています。

滝口悠生の本棚

▲佐藤さんが書店員時代に実施した「滝口悠生の本棚」フェア

 

――さきほどクラウドファンディングのお話が出ましたが、支援金は、今後BFCが継続してイベントとして運営していく費用やリターンの経費として使用されるそうですね。ご担当の有佐さんは、ページの開設にあたりどのような工夫をされましたか。

有佐 北田さんは実行力のある方なので、すでに原稿を書き上げられていました。一方で、僕が今までクラウドファンディングをやってきた中でわかったのは、企画の独自性などいろいろな要素はありますが、何かを立ち上げる時には、熱い思いをどう響かせられるかが応援しようと思っていただくためのひとつのポイントになるということです。

そこで、北田さんが現場でフェアをやってきた時から思われていたことや、立ち上げにあたっての思いなどをインタビューして原稿に補足させていただきました。

北田 実際にインタビューしていただくと、思ってはいたけれど言葉にできていなかったことがたくさん出てきました。あとは、お礼のメールコース(1,000円)や公式サイトへの企業ロゴ掲載コース(80,000円)なども有佐さんのアドバイスをもとに追加して、今の形になっています。支援してくださる方にも趣旨に賛同いただいて、一緒に盛り上がってもらえるかという部分を大事にしています。

――いまお話にあった1,000円から80,000円まで、全部で6コースが用意されていますが、おすすめはありますか?

有佐 各書店のフェアを収録した非売品のZINEに、ニックネームや企業名を掲載できる10,000円のZINEコースBがおすすめです。コースA(8,000円)のリターンもZINEと一次投票の参加権ですが、Bはプラス2,000円で奥付にお名前が入ります。

 

応用や発展を加えて、より大きなプロジェクトに育てたい

――チャンピオンとなったフェアは、改めて店頭で展開されるのですか?

北田  チャンピオンになった書店の方には必須で、ベストテンのフェアに関しても、できれば受賞した方には任意で店頭実施のお願いをしたいと思っています。メディアに情報が出ることで、フェアを目当てにお客様に来店いただきたいからです。

野上 受賞したフェアが季節性や話題性など、いつ展開してもいいものとは限らないのが悩ましいところですね。

ただこのBFCが浸透していく過程では、エントリーされたフェアをそのまま自店で開催するだけではなくて、それをヒントに「私はこんなことを考えました」といった応用編だったり、バリエーションだったりが増えていくような発展をしていくと、よりクリエイティブでおもしろくなると考えています。

――書店員さんの編集力を鍛える場にもなりそうですね。

野上 第1回が終わると、受賞者やエントリーした人などの声を拾うことができます。どんな思いでそのフェアを作ったのか、直に聞いた話が広がっていくことで、また違ったアピールにもなるだろうと思います。今はどうしても実行委員会側からしか発信がありませんが、書店員側からの発信が追加されれば、より活性化につながるでしょう。

佐藤 BFCの公式サイトには、アーカイブとして歴代の受賞者の記事を掲載していってほしいですし、この賞を継続していかに大きくしていくかが大事だと思っています。仕事への志が高い人が自ずと選ばれると思いますので、その方にも協力を仰ぎながら、どんどん形を変えて、育っていくプロジェクトになるといいですね。

――サイトの充実も認知度の拡大には欠かせませんね。

佐藤 チャンピオンがどういう風に仕事をしているのか、そのノウハウの共有こそが価値だったり財産だったりするので、インタビューを含めて情報の蓄積が大事だと思っています。それに加えて、どれだけ継続的に熱を持って認知を拡大していけるかが肝になってくると思いますので、SNS等での発信も重要になりますね。

――では最後に、みなさんから書店員さんや読者の方にメッセージをお願いします。

北田 BFCを発足した背景には、書店員の仕事のおもしろさを世に伝えたいということが一番にあります。チャンピオンになった人自身にフォーカスすることで、その書店員の仕事のノウハウや思想といったものを読み取ってもらって、1人でも2人でも、本の業界で働くのはおもしろそうだなと思ってくださる人を増やせたらうれしいです。

野上 実際におもしろいブックフェアを売場で作っている人は、必ずしも世の中に認められたい、評価されたいと思っている人ばかりではないので、人と競争するプロジェクトには興味がないと背を向けられてしまう恐れもあります。

しかし、その人たちこそブックフェアを作るという仕事の価値をすごくよくわかっていると思うので、その価値を多くの人に認めてもらうために、ぜひ一歩前に踏み込んで、遠慮せずにエントリーしてほしいなと思っています。

有佐 今回実行委員として参加して、出版業界にいてもまだまだ知らないおもしろいフェアがあるのだな、やっぱり書店はおもしろいなと思いました。お客様が持っていらっしゃる本屋のイメージを超えるような、ユニークなフェアがたくさんエントリーされると思いますので、ぜひ楽しみに、応援していただけたらうれしいです。

佐藤 さきほどもお話ししましたが、フェアは書店員さんのこの本が好きだ、この本の良さをお客様に知ってほしいという、本当に小さな声から始まるものだと思います。信念を持って売り方を工夫して展開されている、その方法の一つとしてブックフェアがあります。そういう書店員さんの小さな声を拾って、遠くまで届けていくことがこのプロジェクトの本質だと思っています。

賞金やチャンピオンベルトを目指していただくのはもちろんですが、さきほどみなさんから出たような意義をこのプロジェクトに見出してもらえたらすごくうれしいですし、書店員さんが置かれている境遇や問題点を多くの方に知っていただき、解決の方向に向かう糸口にもなればと思います。

最後に、各書店様には、賞金はなるべくエントリーした方が受け取れるようにしていただきたいです。会社によってはいろいろな事情があるとは思うのですが、エントリーした方の権利として、関わったメンバーで分けるなど、書店員さんご自身に還元されるようお取り計らいをお願いします。

北田 現在、各チェーンと面談している中でその点についてもお伝えしているのですが、会社によって本当に方針が違うんですよね。そこはできる限り実行委員会からもお願いしたいと思います。

佐藤 最後に現金な話になりましたが、楽しく参加していただいて、新たなコミュニティの場になればいいなと思っていますので、ぜひ積極的なご参加をお願いします。