全国の書店員さんが、もっともおすすめの本を紹介する連載「わが店のイチオシ本」。
第64回は、長野県松本市にあるTSUTAYA 東松本店の、副店長・西村純さんです。
今回、西村さんが紹介してくださったのは、絵本賞8冠を達成した、思わず笑っちゃうあるあるな「ピンチ」を集めたユーモア絵本『大ピンチずかん』です。
「2023年にいちばん売れた児童書」となった本作は、シリーズ累計発行部数147万部を突破。誰もが経験したことがあるようなピンチを「ピンチレベル」で表し、ユーモアたっぷりに描かれた本作の魅力について、西村さんに綴っていただきました。
- 大ピンチずかん
- 著者：鈴木のりたけ
- 発売日：2022年02月
- 発行所：小学館
- 価格：1,650円（税込）
- ISBNコード：9784097251385
- 大ピンチずかん ２
- 著者：鈴木のりたけ
- 発売日：2023年11月
- 発行所：小学館
- 価格：1,650円（税込）
- ISBNコード：9784097252436
親子一緒に楽しみながら読める！
TSUTAYA 東松本店は、国宝・松本城から車で10分ほどのところにある店舗です。
本はもちろん、雑貨やレンタルなど色々な商品を取り扱っています。店内にはスターバックスコーヒーがあり、昨年11月に改装してスターバックスエリアを拡張いたしました。同じ建物の中で壁はなく、お店同士が繋がっていて、購入前の雑誌や小説などを試し読みすることができます。ゆったりとくつろいだ時間をお過ごしいただければ幸いです。いまは「理想のBOOK＆Café」を目指して試行錯誤の毎日です。
さて、そんな当店のイチオシ本は『大ピンチずかん』シリーズです。2022年にシリーズ第1弾が発売され、昨年には早くも第2弾が発売。いま最も注目を集める児童書です。今回は、第1弾の方を紹介させていただきたいと思います。
おすすめしたい一番の理由は、「親が子どもと一緒に楽しみながら読める本」であるということ。子どもの日常の中で起きるピンチを「大ピンチレベル」で表現する、ありそうでなかったアイデアが、読んでいて楽しい作品です。
「自分にもこういう大ピンチがあったな～」と思いながら……。冒頭の「牛乳」のエピソードはもちろんのこと、個人的には「紙パックのストロー」が傑作で、たしかに言われてみれば当時の自分にとっても大ピンチでした（笑）。ほかにも「洗濯機」「お風呂」「自転車」などのエピソードは、とても共感できました。また各ページの余白や、本のカバーの内側にも、ちょっとしたピンチが描かれていてこれまたクスッと笑ってしまうものばかりです。
それと主人公の男の子の表情が、とても上手に描かれています。ピンチのはずなのになぜか微笑ましい素敵な絵は、眺めているだけで心温まります。そして最後に紹介されている「ピンチ（？）」は……この作品は物語ではないのですが、ラストはとてもほっこりします。
当店では、児童書売場や店頭ランキングコーナーにてこちらの作品を展開中です。児童書売場では、『大ピンチずかん』以外の鈴木のりたけ先生の作品も一緒に置いています。他の作品も読んでみてはいかがでしょうか？
冒頭でご紹介したこのたびの改装で、スターバックスの方にもキッズコーナーが新設されました。コーヒーやお菓子などを楽しみながら、ゆっくり見本をご覧いただくことができます。
ぜひ、新しくなったTSUTAYA 東松本店にお越しくださいませ。心よりお待ちしております。
◆作り手からのメッセージ◆
大ピンチになったとき、「これは大ピンチレベルいくつだろう？」と思う。これが『大ピンチずかん』の効果です。その時点ですでに落ち着いています。3人の子を持つ鈴木のりたけさんが、わが子の行動を観察して描き上げた愛情のこもった絵本。たくさんの人に手に取ってもらいたいです。
（小学館 第二児童学習局 児童創作 村松茂さんより）
TSUTAYA 東松本店（Tel.0263-34-9500）
〒390-0803
長野県松本市元町1-2-1
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