「#木曜日は本曜日」プロジェクト
2022年10月に始動した、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指すプロジェクト「#木曜日は本曜日」(主催:東京都書店商業組合)。毎週木曜日に本屋と本を愛する著名人やインフルエンサー、作家などの十数人が、「人生を変えた本」をテーマに実際に本屋で語るインタビュー動画を公開するとともに、彼らが選んだ人生を変えた本10冊を東京都内の約180店舗で販売するという試みです。
第1弾となる俳優・歌手の上白石萌音さんから、第19弾の声優・梶裕貴さんが紹介する人生を変えた本については、特設サイトおよび東京都書店商業組合公式YouTubeチャンネル「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」にて動画を公開中です。
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2月23日(木)からの第20弾は、アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅさんが担当します。
きゃりーぱみゅぱみゅさんプロフィール
1993年1月29日生まれ。
2011年夏、中田ヤスタカプロデュースによるミニアルバム「もしもし原宿」でメジャーデビュー。2013年からこれまでに4度のワールドツアーを成功させた。2021年、自由な表現の発信地として新レーベル「KRK LAB」を発足。2022年、デビュー10周年を記念して過去最大規模の全国ツアーを開催。2022年4月、世界最大規模の音楽フェス「Coachella Valley Music and Arts Festival」に出演し、圧巻のパフォーマンスで全世界を魅了。何にも縛られることのない表現に挑戦し続ける、『HARAJUKU』そして『JAPANESE POP』アイコンに。
きゃりーぱみゅぱみゅさんの人生を変えた10冊
読書は「夢中になれる」趣味で、いずれは本から受けたインスピレーションで衣装やステージを作ってみたいというきゃりーぱみゅぱみゅさん。本を読まなくなった人が増えていることについて、「本を読むというのは誰にでも権利があるので、読んだことがないから不安、読み切れないんじゃないかなという思いを捨てて、面白そうだと思ってビビッときたら手に取って読んでほしい」と語ってくれました。
そんなきゃりーぱみゅぱみゅさんの「人生を変えた10冊」の中から、選書コメント(動画より抜粋)とともに3冊を紹介します。本棚のデザインをあしらった限定しおり(写真)も開催書店で配布しています。
※全10冊および書棚設置&オリジナルしおり配布店舗は「#木曜日は本曜日」特設サイトをご覧ください。
『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』(阿佐ヶ谷姉妹)
- 阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし
- 著者:阿佐ヶ谷姉妹
- 発売日:2020年02月
- 発行所:幻冬舎
- 価格:660円(税込)
- ISBNコード:9784344429383
40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。
(幻冬舎公式サイト『阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし』より)
選書コメント:阿佐ヶ谷姉妹のお二人がリレー形式で書いているエッセイで、なぜ手に取ったかというと、書店で展開されていた時に「(表紙の)絵が最高!」と思って。同居されたり、そこから解消されるまでの話がすごく面白くて、ドラマを観ている感じで読める作品です。元々お二人のことは深くは知っていなくて、「阿佐ヶ谷“姉妹”なのに、本当の姉妹ではない」というような噂は聞いていたので、どんな人なんだろうなと思って読み始めました。まだお会いしたことはないんですけど、すごく興味を持ちました。
『血の轍』(押見修造)
- 血の轍 第1集
- 著者:押見修造
- 発売日:2017年09月
- 発行所:小学館
- 価格:770円(税込)
- ISBNコード:9784091896230
『惡の華』『ハピネス』『ぼくは麻理のなか』『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」!
母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと!
(小学館公式サイト『血の轍』より)
選書コメント:ツアー中にホテルで漫画を読みたいなと思って、一気買いした作品です。人生で経験したことのない、胸がギューっとなって息苦しくなるような漫画に、初めて出会いました。私は、エグイ系というか、後味が悪い作品も結構好きで。普段ファンタジーなことをやっているんですけど(笑)。先が気にならないと読まなくなっちゃうので、「えっ、これ次どういう展開になるの?」「うそ、こっちいったの?」みたいな、自分が想像している逆の展開に惹かれました。残酷なことに、家庭環境は(自分で)選べないじゃないですか。そういうところもすごく酷だなと思いながら読んでいました。
『天狗にさらわれた少年』(作:平田篤胤、訳・解説:今井秀和)
- 天狗にさらわれた少年
- 著者:平田篤胤 今井秀和
- 発売日:2018年12月
- 発行所:KADOKAWA
- 価格:968円(税込)
- ISBNコード:9784044004262
時は江戸時代、文政年間。天狗や山人の世界と行き来することができると語る少年が現れた。「不思議な老人にいざなわれ、壺に入って空を飛び、たどり着いたところは天狗の修行場だった――」。少年の語る、事細かで不思議な仙境譚に、篤胤ら大人たちもすっかり夢中。生き物や食べ物、占いや妖術、妖怪や妖魔など奇想天外な話の数々で江戸の町に一大天狗旋風を巻き起こした。果たして天狗話は嘘か真か。待望の現代語訳版!
(KADOKAWA公式サイト『天狗にさらわれた少年』より)
選書コメント:最近知った本で、OKAMOTO’Sのハマ・オカモト君らとご飯を食べているときに、未確認生物の話やUFOの知識を言い合うみたいになって、「そういえばこの本知ってる?」と言われて教えてもらったのがこの本です。江戸時代に、神隠しのように少年が消えて、後日、とんでもない距離のところで発見され、その間は天狗と修行をしていたという書記を、平田篤胤という江戸時代にすごく人気のあった小説家が書いた作品です。平田篤胤が少年を家に招いてインタビューをしているのですが、何ひとつ「いや、それ作り話じゃん」とか、「嘘じゃん」みたいなことがなく、専門家の人がこの書記を読んでも「それは正しいね」と思うことばかりらしくて、すごく面白かったです。
動画の紹介
プロジェクトの背景
近年、電子書籍の台頭・書籍のネット購入率の増加などを受け全国の本屋の数が激減しています。2000年には21,495店舗存在した本屋が2020年には11,024店舗(出版科学研究所調べ)と約半数にまで落ち込み、東京都にある中小書店(街の本屋)を中心に組織する東京都書店商業組合の加盟店舗数もまた、2022年1月時点で287店とピークだった1984年の1,426店から8割程度減少しています。
こうした苦境を受け同組合では、お客様の忙しい日々の中でゆっくり本と向き合う時間として、週の真ん中に位置する“木曜日”に目を向け、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指して「#木曜日は本曜日」プロジェクトを開始しました。
同プロジェクトは東京都中小企業団体中央会の特別支援「デジタル技術活用による業界活性化プロジェクト」として、同中央会より委託を受け、東京都書店商業組合が運営しています。