「#木曜日は本曜日」プロジェクト
2022年10月に始動した、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指すプロジェクト「#木曜日は本曜日」(主催:東京都書店商業組合)。毎週木曜日に本屋と本を愛する著名人やインフルエンサー、作家などの十数人が、「人生を変えた本」をテーマに実際に本屋で語るインタビュー動画を公開するとともに、彼らが選んだ人生を変えた本10冊を東京都内の約180店舗で販売するという試みです。
第1弾となる俳優・歌手の上白石萌音さんから、第16弾の劇作家・芥川賞作家の本谷有希子さんが紹介する人生を変えた本については、特設サイトおよび東京都書店商業組合公式YouTubeチャンネル「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」にて動画を公開中です。
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2月2日(木)からの第17弾は、ロックバンド「クリープハイプ」のボーカルで、作家としても活躍する尾崎世界観さんが担当します。
尾崎世界観さんプロフィール
1984年11月9日、東京都生まれ。2001年結成のロックバンド「クリープハイプ」のヴォーカル・ギター。2012年、アルバム「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」でメジャーデビュー。2014年、初の日本武道館2Days公演を開催、2018年にも4年振りとなる日本武道館公演を成功させる。2021年12月に6thアルバム「夜にしがみついて、朝で溶かして」をリリース。2023年3月には、幕張メッセ国際展示場・大阪城ホールというキャリア史上最大規模の会場にて、アリーナツアー2023「本当なんてぶっ飛ばしてよ」を開催予定。3月29日にニューEP「だからそれは真実」をリリース予定。
2016年、初小説『祐介』(文藝春秋)を上梓。その他の著書に『苦汁100%』、『苦汁200%』(ともに文藝春秋)、『泣きたくなるほど嬉しい日々に』(KADOKAWA)。2021年1月に単行本が発売された中篇小説『母影』は第164回芥川賞の候補作に選出された。2022年4月には歌詞集『私語と』(河出書房新社)を刊行。
尾崎世界観さんの人生を変えた10冊
人気バンド「クリープハイプ」のボーカルであり、純文学小説『母影』が芥川賞候補になるなど、多方面で活躍する尾崎世界観さん。本屋さんには行きたいけれど、他の人の作品が大きく展開されているのを見るのが悔しくて、最近はなかなか行けないとか。そんな尾崎世界観さんの「人生を変えた10冊」の中から、選書コメント(動画より抜粋)とともに3冊を紹介します。本棚のデザインをあしらった限定しおり(写真)も開催書店で配布しています。
※全10冊および書棚設置&オリジナルしおり配布店舗は「#木曜日は本曜日」特設サイトをご覧ください。
『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(古賀史健)
- 20歳の自分に受けさせたい文章講義
- 著者:古賀史健
- 発売日:2012年01月
- 発行所:星海社
- 価格:924円(税込)
- ISBNコード:9784061385108
どうすれば自分の気持ちや考えを「文章だけ」で伝えることができるのか? この授業のスタート地点はそこにある。そう、僕らは「話せるのに書けない!」のだ。人に口で伝えることはできても、それを頭の中で文章に変換しようとすると、とたんに固まってしまう。メールの一通すら、うまく書けない。「話すこと」と「書くこと」はまったく別の行為なのだ。決して「同じ日本語じゃないか」などと思ってはいけない。この授業では、現役のライターである僕が、現場で15年かけて蓄積した「話し言葉から書き言葉へ」のノウハウと哲学を、余すところなく伝えていく。学校では誰も教えてくれなかった“書く技術”の授業をいま、始めよう!
(講談社BOOK俱楽部『20歳の自分に受けさせたい文章講義』より)
選書コメント:20代後半の頃に知人に勧められて読んだ作品です。自分でも文章をしっかり書きたいなと思っていたタイミングだったので、興味があって読んでみました。結構影響を受けていて、いまだにここに書かれていた書き方をしていると思います。何回も読むと影響を受けすぎると思ってあえて一度しか読みませんでした。この本を読んだのはメジャーデビューしてから3~4年たった頃で、ずっとバンドを続けていきたいなと思いながらも、逃げ道になるような表現も欲しいと思っていました。そのタイミングでこの本を読んで、道が拓けたという感覚があります。
『ライン』(村上龍)
- ライン
- 著者:村上龍
- 発売日:2002年04月
- 発行所:幻冬舎
- 価格:627円(税込)
- ISBNコード:9784344402317
半殺しにされたSM嬢、男の暴力から逃れられない看護婦、IQ170のウエイター、恋人を殺したキャリアウーマン。男女の性とプライドとトラウマが、次々に現代日本の光と闇に溶けていく。圧倒的な筆力で現在のコミュニケーションを描いたベストセラー。
(幻冬舎公式サイト『ライン』より)
選書コメント:短編小説なのですが、物語の後半に出てきた人が次の主人公になるという連作小説です。登場人物がみんな変で、変態しか出てこない。変人のアウトレイジみたいな感じです。10代の頃は、自分がおかしい人間でヤバいやつだと思っていて、でも村上龍さんの小説を読んで「もっとヤバい人がいる」と。わかりやすいヒーローよりも、変な人の方が自分にとっては救いでした。
『死にカタログ』(寄藤文平)
- 死にカタログ
- 著者:寄藤文平
- 発売日:2016年12月
- 発行所:大和書房
- 価格:715円(税込)
- ISBNコード:9784479306276
単行本で5万部超えのベストセラー、待望の文庫化!! 気鋭イラストレーターが描く世界初の死の本!
(大和書房公式サイト『死にカタログ』より)
選書コメント:寄藤文平さんのイラストが好きで手に取った本です。「死んでしまった後どうなるのか」、その考え方の違いがそれぞれの国や宗教ごとに書かれている本です。「死ってなんだろう」と考える時期もあって、「死」というのは深刻なものであるといまでも思っています。でも、この本を読んで「死」がイラストで入ってくるというか、目で確かめることができて、少し楽になりました。(色々な死の形はあるが)どれも均等に描かれているところが好きなところです。
動画の紹介
プロジェクトの背景
近年、電子書籍の台頭・書籍のネット購入率の増加などを受け全国の本屋の数が激減しています。2000年には21,495店舗存在した本屋が2020年には11,024店舗(出版科学研究所調べ)と約半数にまで落ち込み、東京都にある中小書店(街の本屋)を中心に組織する東京都書店商業組合の加盟店舗数もまた、2022年1月時点で287店とピークだった1984年の1,426店から8割程度減少しています。
こうした苦境を受け同組合では、お客様の忙しい日々の中でゆっくり本と向き合う時間として、週の真ん中に位置する“木曜日”に目を向け、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指して「#木曜日は本曜日」プロジェクトを開始しました。
同プロジェクトは東京都中小企業団体中央会の特別支援「デジタル技術活用による業界活性化プロジェクト」として、同中央会より委託を受け、東京都書店商業組合が運営しています。