「#木曜日は本曜日」プロジェクト
2022年10月に始動した、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指すプロジェクト「#木曜日は本曜日」(主催:東京都書店商業組合)。毎週木曜日に本屋と本を愛する著名人やインフルエンサー、作家などの十数人が、「人生を変えた本」をテーマに実際に本屋で語るインタビュー動画を公開するとともに、彼らが選んだ人生を変えた本10冊を東京都内の約180店舗で販売するという試みです。
第1弾となる俳優・歌手の上白石萌音さんから、第14弾の芥川賞作家・羽田圭介さんが紹介する人生を変えた本については、特設サイトおよび東京都書店商業組合公式YouTubeチャンネル「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」にて動画を公開中です。
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1月19日(木)からの第15弾は、放送作家の鈴木おさむさんが担当します。
鈴木おさむさんプロフィール
放送作家。1972年生まれ。多数の人気番組の企画・構成・演出を手がけるほか、エッセイ・小説や漫画原作、映画・ドラマの脚本の執筆、映画監督、ドラマ演出、ラジオパーソナリティ、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。
鈴木おさむさんの人生を変えた10冊
バラエティー番組だけではなく、映画・ドラマの脚本や舞台の作・演出、小説の執筆など、さまざまな分野で活躍をする鈴木おさむさん。デートで本屋に行くと相手の趣味や思考がわかるので、よく二人で歩き回っていたとのこと。そんな鈴木さんの「人生を変えた10冊」の中から、選書コメント(動画より抜粋)とともに3冊を紹介します。本棚のデザインをあしらった限定しおり(写真)も開催書店で配布しています。
※全10冊および書棚設置&オリジナルしおり配布店舗は「#木曜日は本曜日」特設サイトをご覧ください。
『遺書』(松本人志)
- 遺書
- 著者:松本人志
- 発売日:1994年10月
- 発行所:朝日新聞出版
- 価格:1,068円(税込)
- ISBNコード:9784022568090
お笑い番組一本で勝負し続ける天才芸人。その才気あふれる頭脳から、気の抜けた世間に放たれた毒舌快弁罵詈雑言集。ネクラ、貧乏、女好きをコメディアンの3大条件とし、お笑いに魂を売った男が芸能界を女性観を縦横無尽に斬る。
(朝日新聞出版公式サイト『遺書』より)
選書コメント:お笑いはセンスが必要で、かなり知的なものであるということを本の中でもかなり言っていて、日本のお笑いの位置を下から上に変えたことがすごいですね。松本さんはいまでは優しいイメージがありますが、この頃は「ごっつええ感じ」などをゴリゴリにやっている時期で、格闘家みたいな空気でした。私は当時24歳くらいで、ナインティナインさんとお仕事をすることが多く、いかにしてダウンタウンさんと違うことをやっていくかということを考えていました。
『毎月新聞』(佐藤雅彦)
- 毎月新聞
- 著者:佐藤雅彦
- 発売日:2009年09月
- 発行所:中央公論新社
- 価格:770円(税込)
- ISBNコード:9784122051966
毎日新聞紙上で月に一度掲載された日本一小さな全国紙、その名も「毎月新聞」。その月々に感じたことを独特のまなざしと分析で記した、佐藤雅彦的世の中考察。
(中央公論新社公式サイト『毎月新聞』より)
選書コメント:すべてのモノを作る人、書き手、クリエイターの中で一番尊敬しているのが佐藤雅彦さんです。ピタゴラスイッチやCMのプランナーなのですが、松本人志さんが(自分の)お笑いに対する方程式を作った人だとしたら、佐藤さんはモノの考え方に影響を与えてくれた人です。「当たり前の景色を疑う」というのが佐藤さんの真骨頂で、例えば「文字が出す騒音」というところでは、グリーン車と普通列車の快適さの違いを「文字の騒音がない」と表現しているんですよ。確かに、普通列車には中刷り広告など、文字が非常に多くあります。それを「騒音」と捉えているんですよね。「うるさい」というのは「耳」だけではなく「文字」もそうだよなと。そこから僕もテレビに対して「画面を汚す」ということを言い出して、テレビに映る文字量を、いかに騒音にせずにたくさんの情報を届けるようにするかということを意識するようになりました。
『ONE PIECE(104)』(尾田栄一郎)
- ONE PIECE 巻104
- 著者:尾田栄一郎
- 発売日:2022年11月
- 発行所:集英社
- 価格:528円(税込)
- ISBNコード:9784088832876
カイドウ、オロチの支配から20年…。辛い時を過ごしてきたワノ国を解放し、皆の笑顔を取り戻せるのか!? ルフィの拳に全てが懸かる!! ワノ国編、超絶最高潮!! “ひとつなぎの大秘宝”を巡る海洋冒険ロマン!!
(集英社公式サイト『ONE PIECE(104)』より)
選書コメント:『ONE PIECE』は凄すぎてここに入れるのか迷ったのですが、これだけ長く続けていますが一番面白いというのがすごいですよね。『鬼滅の刃』や『チェンソーマン』などももちろん素晴らしい作品ですが、尾田栄一郎さんのすごいところは、自分が面白いということをただ作り続けて、100巻を超えてからの104巻の面白さは「こんなことある!?」と。
動画の紹介
プロジェクトの背景
近年、電子書籍の台頭・書籍のネット購入率の増加などを受け全国の本屋の数が激減しています。2000年には21,495店舗存在した本屋が2020年には11,024店舗(出版科学研究所調べ)と約半数にまで落ち込み、東京都にある中小書店(街の本屋)を中心に組織する東京都書店商業組合の加盟店舗数もまた、2022年1月時点で287店とピークだった1984年の1,426店から8割程度減少しています。
こうした苦境を受け同組合では、お客様の忙しい日々の中でゆっくり本と向き合う時間として、週の真ん中に位置する“木曜日”に目を向け、週に1回本屋へ足を運ぶ習慣づくりを目指して「#木曜日は本曜日」プロジェクトを開始しました。
同プロジェクトは東京都中小企業団体中央会の特別支援「デジタル技術活用による業界活性化プロジェクト」として、同中央会より委託を受け、東京都書店商業組合が運営しています。