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連載Vol.6:小学館の編集者が激推し!2026年の注目作家は【吉良信吾】『沈黙と爆弾』

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ほんのひきだしでは、2026年1月1日(木)から、各出版社の文芸編集者の皆さんが「今、この作家を読んでほしい」とおすすめする、短期連載企画「編集者が激推し!2026年の注目作家はこの人」をお届けします。

ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。

 

小学館 出版局 文芸編集室・中村僚さんの注目作家は「吉良信吾」さん

著者

吉良信吾(きら・しんご)
1977年沖縄県生まれ、熊本県在住。本作(応募時タイトル「それぞれの正義」)で第4回警察小説新人賞を受賞し、デビュー。

 

至高の警察ミステリにして感涙の家族小説!第4回警察小説新人賞受賞作

警察ミステリとしても、家族ドラマとしても一級品。そんな第4回警察小説新人賞受賞作『沈黙と爆弾』で2026年1月21日にデビューするのが、吉良信吾さんです。

『沈黙と爆弾』の主人公は、熊本県警本部警務部監察課に所属する警察官の阿玉清治警部補。監察課の仕事は、警察官の不正や違反行為を取り調べることです。阿玉が調査を命じられたのは、数日前に刑事の澤守が起こした疑いのある暴行騒ぎでした。

この事案の問題は、調査対象者の澤守が捜査中に爆発事件に巻き込まれて意識不明となっており、マスコミの注目を集めていること。警察の威信に傷がつかないような無難な着地を求められた阿玉は真相解明に乗り出しますが、時を同じくして、失声症を患っている小学生の息子が別の事件に巻き込まれてしまいます。

並行して起きるいくつもの事件が絡み合い、大きな構図を描いていく様は圧巻の一言。驚きの真相もさることながら、この作品が素晴らしいのは主人公の阿玉だけではなく、家族や同僚や、調査対象者たちひとりひとりの物語が丁寧に紡がれていることです。それぞれの正義を貫いた結果に訪れる、感動のラストシーンをご自身で確かめていただきたいです。

警察小説新人賞の選考委員は今野敏さんや柚月裕子さんなど、警察小説の第一人者のみなさん。前回は受賞作なしで、厳しくも真摯な選評が大きな反響を呼びました。

『沈黙と爆弾』にも選考会ではいくつもの指摘がありましたが、吉良さんはそれらすべてに見事に対応してくれました。問題のあった登場人物を別人へと書き直し、より良くできるアイデアはすべて取り込み、ぐっと完成度の高い作品にしてくれたところも、編集者としては吉良さんを推せるポイントです。

これからどんどん面白い作品を刊行して、大きな注目を集める書き手だと確信しています。大型新人を、ぜひデビュー作から追いかけていただきたいです。

(小学館 出版局 文芸編集室 中村僚)

沈黙と爆弾
著者:吉良信吾
発売日:2026年01月
発行所:小学館
価格:1,980円(税込)
ISBNコード:9784093867788