ほんのひきだしでは、2026年1月1日(木)から、各出版社の文芸編集者の皆さんが「今、この作家を読んでほしい」とおすすめする、短期連載企画「編集者が激推し!2026年の注目作家はこの人」をお届けします。
ぜひ、気になる作家や作品を見つけて、書店に足を運んでみてください。
双葉社 文芸出版部・植木陽平さんの注目作家は「五条紀夫」さん
五条紀夫(ごじょう・のりお)
小説家。2022年に「全員もう死んでる」ミステリーという奇抜な設定が話題を呼んだ『クローズドサスペンスヘブン』が新潮ミステリー大賞最終候補に選出され、2023年同作でデビュー。2025年に刊行した『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』がSNSで大きな話題を呼んだ。著書に『イデアの再臨』『私はチクワに殺されます』『町内会死者蘇生事件』『流血マルチバース』。
カメレオン的作家・五条紀夫さんの真髄はホスピタリティ!
五条紀夫さんは一言で表すならば、カメレオン的作家です。
新潮ミステリー大賞最終候補作であり、デビュー作となった『クローズドサスペンスヘブン』は登場人物が全員死んでいるミステリーとして話題となり、2作目にして物語が進むにつれて言葉が消えていくギミックを駆使した意欲作『イデアの再臨』を発表、2025年にSNSで大バズりした『殺人事件に巻き込まれて走っている場合ではないメロス』はなんと太宰治の『走れメロス』の大部分を内包した作品でした。
かくいう弊社から刊行されております『私はチクワに殺されます』も、チクワで人を弑する前代未聞のチクワ・サスペンスです。どんなお話かもっと詳しくとたずねられてもチクワ・サスペンスとしか言えないのです。
一方で、決して奇抜な作品テーマやアイデアだけに作品の面白さが依存しているわけではないところが五条さんの魅力でもあります。
作品の雰囲気に合わせてさまざまな文体を駆使し、物語の盛り上がりどころを意識して構成を組み立て、本筋以外でも面白がってもらえるように随所にギャグをちりばめる。
そういったホスピタリティがあるからこそ、「五条紀夫マラソン」と称して作品買いをしてくれる読者が生まれ、読者間で熱狂が広がっているのだと感じます。
弊社から2025年12月に発売しました最新刊『流血マルチバース』も、複数の世界線で展開する3つの物語がやがて結末へと収束していく……という、かつて流行したゲームブックのような楽しみ方ができるこれまたサービス精神に満ちた一冊となっております。
今後ますます注目を浴びていくであろう著者の読みはじめとして、ぜひお手に取ってみて頂ければ幸いです。
(双葉社 文芸出版部 植木陽平)
- 私はチクワに殺されます
- 著者:五条紀夫
- 発売日:2024年08月
- 発行所:双葉社
- 価格:693円(税込)
- ISBNコード:9784575527780
- 流血マルチバース
- 著者:五条紀夫
- 発売日:2025年12月
- 発行所:双葉社
- 価格:814円(税込)
- ISBNコード:9784575528855


