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「ZINEの聖地」と呼ばれた藤原印刷!個人の「本をつくりたい」という想いに伴走し続けてきた15年の軌跡『本が生まれるいちばん側で』【総合4.0】

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本が生まれるいちばん側で
著者:藤原印刷
発売日:2025年09月
発行所:ライツ社
価格:2,530円(税込)
ISBNコード:9784909044648

 

『本が生まれるいちばん側で』の要点

1.「つくり手の『want』を詰め込んだ本」が「自分のためにつくる本」である。マーケットのことは考えず、自由な発想で、自分の「好き」を詰め込み、既存の出版流通に乗らない。

2.個人のつくり手のほとんどは、ベストセラーを目指してはいない。利益ではなく「自分が納得するか」が優先される。そんななかから、「思いがけず売れていく」本があらわれることもある。

3.これまで藤原印刷が関わってきた本のつくり手たちの動機は、「記録」「儀式」「表現」「偏愛」の4つに分けられる。

 

『本が生まれるいちばん側で』レビュー

あなたは本を読みますか?  最近、本屋さんに足を運んだのはいつですか? 本は、好きですか?

SNSやネットニュースも含めれば、誰かが書いたものを日常的に読んでいる人は少なくない。自分が発信者になることも、珍しくはなくなった。その時代に、あえて本のかたちに向き合うことを、どれだけの人がしているだろうか。

長野県松本市、創業1955年の老舗印刷会社である藤原印刷。本書は、そこで新たな本づくりのあり方に邁進する人たちの物語だ。「印刷会社は黒子業」だが、藤原印刷はとあるきっかけから、「自分のために本をつくる人」のコンシェルジュを始めた。出版社のビジネスとは無関係に、内容から配布方法まで「ぜんぶ自分で決められる」本であり、それらは「唯一無二の顔をしている自由な本」である。その制作を傍らで支援する、まさに「いちばん近くで本づくりを見つめる」うちに、新しい本づくりの引き出しも増えていったという。

「自分のために本をつくる」なんて、考えたことがない人は多いだろう。しかし、それがいかに魅惑的で取り組みがいのあるプロジェクトであるか、本書を読めば火を見るより明らかだ。気づけば、あなたも本をつくりたくてうずうずしているに違いない。

本をつくるという工程のすべてが、あなたを自由にする。なぜ紙の本はなくならないのか。その答えは、本書のなかにある。

 

『本が生まれるいちばん側で』が気になる方におすすめ

カスハラの正体
著者:関根眞一
発売日:2025年04月
発行所:中央公論新社
価格:1,100円(税込)
ISBNコード:9784121508409