梅雨の季節に読みたい！雨の日が楽しくなる絵本を紹介

2023.06.20 / ほん / 記事ほんのひきだし編集部　上神

季節の行事や自然を描いた作品に触れることで、子どもの季節感や情緒を育むことができるのも絵本のいいところ。また、子どもたちの目線からは、雨の日にこそ見つかる発見や遊びがたくさんあります。今回は、親子で一緒に季節の風景を味わえる「雨の日が楽しくなる絵本」をご紹介します。

傘をさしたくて雨が待ち遠しくなる絵本！

三浦太郎さんの絵本「あかちゃんととととと」シリーズ最新刊の『かささして』は、雨が降るこの時季にぴったりのストーリーです。

雨がふってきて、かぼちゃのかあさんは「げげげげげ」、もものねえさんは「ももももも」と、みんないそいで傘をさして帰ります。そんなキャッチ―なフレーズとともに色鮮やかに描かれた、かわいい野菜とくだものたちが登場します。それぞれが持っている傘の色は、その野菜やくだものの花をイメージしたカラーになっているのだそうです。

傘をさす楽しみを与えてくれるだけでなく、「あかちゃんととととと」とシリーズ名にもあるとおり、親子で一緒に音やリズムを楽しみながら、ページをめくるワクワク感が味わえます。

かささして
著者：三浦太郎
発売日：2023年5月
発行所：童心社
価格：880円（税込）
ISBN：9784494015894

幼い子どもたちに読んでほしい、感謝を伝える大切さ

シリーズ累計400万部を突破した、なかやみわさんの絵本の中でも特に人気のキャラクター「そらまめくんシリーズ」の最新作が、『そらまめくんのありがとう』です。

はっぱの傘をさしたそらまめくんが、雨にぬれたおまめの仲間たちを傘にいれてあげます。

困っている仲間を助けてあげるそらまめくんと、お礼を忘れない仲間たち。「はいどうぞ」「ありがとう」というかけあいが、「ありがとう」は魔法のことばなのだと子どもたちに教えてくる、心温まる作品です。

そらまめくんのありがとう
著者：なかやみわ
発売日：2023年6月
発行所：小学館
価格：935円（税込）
ISBN：9784097251811

雨の日限定で乗車できる、でんでん虫の電車でおでかけしよう！

言葉遊びの達人で、詩人・絵本作家・作詞家として活躍する林木林さんと、優しい色使いで表情豊かなキャラクターを描く、ひがしちからさん。『でんでんでんしゃ』は、人気絵本作家お二人の詩心がこもった絵本です。

雨が降りだして、虫たちが葉っぱの下で雨宿りをしていると、「あめのひのおでかけはいかがですかー」と、でんでんでんしゃがやってきます。しずくが光るぽたぽた橋、蔓がすべるつるつる峠、葉の上、葉の下、あじさいトンネル……。小さな虫たちを乗せ、でんでんでんしゃはゆっくりのんびりと走ります。

雨の日限定で見ることができる景色に、心が和む一冊です。

でんでんでんしゃ
著者：林木林、ひがしちから
発売日：2023年4月
発行所：ひさかたチャイルド
価格：1,430円（税込）
ISBN：9784865492972

「かえる」と「すもう」の異色のコラボレーション！

梅雨といえば、「かえる」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。次に紹介するのは、主にかえるのイラストや絵本を制作している、つるたあきさんの『けろずもう』です。

あるなつのよる、かえるたちの鳴き声が響き渡ります。でも鳴き声がかぶってしまうと、「はっけろけろ～い、のこった！！」のかけ声とともに「けろずもう」が始まります。そこへ新たな刺客も登場し、勝敗はどうなるのか……。

まるで絵本から飛び出してきそうな迫力のある絵が特徴的で、カバーをめくると、絵本に登場するいろいろな種類のかえるたちが描かれています。著者はあとがきにて、この本が実際に図鑑やインターネットで調べたり、水族館や動物園に探しに行って楽しい会話のきっかけのひとつになってくれれば嬉しいと語っています。