フレックスコミックスの「COMICポラリス」で連載中の『黒崎さんの一途な愛がとまらない』が、2026年1月6日(火)より、TVドラマ化されることが決定しました。
本作は、国宝級のピュアイケメンによるハイパー溺愛ラブコメディです。
憧れはあるけど恋愛未経験な高校2年生・小春が、家の弁当店を手伝うある日、謎めいた常連客・黒崎から突然「この10億円で、僕と結婚してください」とプロポーズを受けます。「好きになって頂けるように努力します」――。彼の猪突猛進な恋心は、どうにも止められない、止まらない! 小春の戸惑いをよそに、ひたすら一途に愛を注ぎ続ける黒崎さんの溺愛ぶりから目が離せません。
今回はTVドラマ化を記念して、原作の著者・岡田ピコさんのインタビューを掲載します。また、本作の試し読み記事も配信しています。ぜひ、お近くの書店でお買い求めください。
【TVドラマ情報】
原作:岡田ピコ『黒崎さんの一途な愛がとまらない』(フレックスコミックス「COMICポラリス」連載)
初回放送日時:2026年1月6日(火)24:24~
放送時間帯:毎週火曜日24:24~
放送局・枠:日本テレビ系列 火曜プラチナイト枠「ドラマDEEP」
話数:30分×12話
出演:豊嶋花(白瀬小春役)、M!LK・山中柔太朗(黒崎絢人役)
©岡田ピコ・フレックスコミックス/『黒崎さんの一途な愛がとまらない』

“重すぎる愛”が受け入れられる時代!岡田ピコさんが“まっすぐすぎる恋”を描く理由
––近年、恋愛の「タイパ」や「効率」が語られることも増えました。そんな現代に、“一途で愛が重い”黒崎さんが読者に支持されています。岡田さんが考える「まっすぐに愛されること」「誰かを一途に想うこと」の魅力は何でしょうか?
岡田 恋愛に限らず夢でも仕事でもですが、人生にはさまざまな困難や誘惑や壁があり、一途な想いを貫くのは現実として難しいものですよね。だからこそまっすぐな想いの強さや健気さが、眩しく愛おしく感じるのではないかと思います。
––“一途で愛が重い”黒崎さん、胸キュンとコメディのバランスなど、作品の設定はどのように考えられたのでしょうか?
岡田 前作終了後に新作の案をいくつか考えていたんですが、描きたいヒーロー像が基本的に「紳士的で一途で愛が重い」キャラだったんです。そこがぶれないように考えを煮詰め、黒崎さんのキャラクター像が生まれました。
丁寧におかしな言動をするヒーローのイメージが浮かんだので、きっとこの人は純粋で真面目で天然なんだろう、この人がどんなきっかけで恋をするんだろう、どんな人だろう……とイメージを広げていきました。その中で「暖かく優しい店員さんとお店の常連客」という設定ができ上がり、「純粋な2人の不器用でちょっと変だけどキュンとする初恋話」というテーマが芽生えました。
この新作では少しコメディを抑えた恋愛ストーリーにチャレンジしようと決めていました。結果として設定自体はコメディチックになりましたが、目指すところは純愛少女漫画です。
––目指すのは「純愛少女漫画」とのことですが、10億円プロポーズの導入はインパクトがすごいです。
岡田 まず「1ページ目からインパクトのあるプロポーズをしよう!」と考えました。最初は、スーツ姿の黒崎さんに薔薇の花束を持たせたんですが、これだと普通かな?と。
担当さんとあれこれ話して、「何をさせたらおもしろいかな?」「いっそお金を持ってくるとか?」「それなら通帳を持たせてみよう」……といった流れで10億円プロポーズのシーンが生まれました。
もう少し現実的なラインの金額案もあったのですが「黒崎さんならやりそうだし、少女漫画は夢を詰め込んでナンボだよね!」と盛りに盛ることにしました。
【第1巻】『黒崎さんの一途な愛がとまらない』

著者:岡田ピコ
発売日:2022年2月
発行所:フレックスコミックス
定価:693円(税込)
ISBN:9784866751948
【最新巻】『黒崎さんの一途な愛がとまらない(8)』

発売日:2025年10月
発行所:フレックスコミックス
定価:803円(税込)
ISBN:9784866754628
––突飛な行動につながる黒崎さんの“重すぎる愛”ですが、読者は「誠実」と受け止めています。黒崎さんを描く上で、大切にされている「誠実さ」の部分について教えてください。
岡田 黒崎さんは天然でズレている面、純粋でかわいい面、大人でかっこいい面、無自覚に色っぽい面……色んな顔を持ち合わせているキャラですが、どの面の魅力も引き出せるよう心がけています。性格や経験不足から突飛な行動をしがちな彼ですが、小春に何かしたい時は許可を取る、失敗したりやり過ぎてしまったら謝罪し反省するなど、相手の気持ちを無視しないように意識しています。
––小春さんは、黒崎さんの熱量を受け止める「器」の大きさがありつつ、とても人間的です。小春さんのキャラクターで、特に意識されていることはありますか?
岡田 小春は「普通なようでちょっと普通じゃない子」です。黒崎さんほどではないけれど少し天然で、愛情深い純粋な子。でも女神でも聖女でもない普通の女子高生。失敗もするし怒るしヤキモチもやく。その両面を意識して描いています。
––胸キュンとコメディのバランス、キャラクターの描写など、作品を通してこだわっている部分があれば教えてください。
岡田 コメディシーンはテンポよく、胸キュンシーンはなるべくコメディを控えてじっくり描くことでメリハリをつけています。 それと個人的にキャラがカッコいい、かわいいだけより隙やおもしろい面がある方が愛着が湧くので、どのキャラも大小あれどコミカルな部分も持ってもらっています(悪役除く)。
––岡田先生にとって、2人はそれぞれどんな存在でしょうか?
岡田 黒崎さんはビジュアルも性格も自分の好きな要素を詰め込んだキャラなので、推しに近い存在かもしれません。
でも盲目的になりすぎると客観視できなくなるので、時には冷静な目で見るようにしています(笑)。また彼の作家としての悩みやスタンスは、私自身の考えや経験も取り入れています。
小春はちょっと言語化するのが難しいんですが……黒崎さんに幸せをもらって黒崎さんを幸せにして、たくさん幸せになってね、という想いです。描くほどに彼女に対する愛情が増しています。
––最後に、岡田さんがこの作品を描き続ける原動力や、読者の方に届けたい想いなどがあればお聞かせください。
岡田 漫画家デビューした雑誌で連載を獲得することができず、何年もずっと読み切りを描いていました。熾烈な掲載枠争いの中、段々選考会に通ることだけを意識した作品作りをするようになり、掲載されても反応も手応えも無く、暗中模索状態になってしまいました。
もう諦めるしかないのかもしれないと心が折れかけた頃、現在の担当編集さんに「うちで漫画を描きませんか」と声をかけていただいたんです。そして「何を描いたらいいか分からない」と言う私に、「好きなものを描いてください」と仰ってくださいました。
その言葉に「ああ、好きなものを描けばいいんだ、好きなものを描いていいんだ」と目の前が開けた気持ちになりました。本当にありがたかったです。
それからは、自分の好きという気持ちを軸にして、読者さまに楽しんでもらえる作品を作ることを目標にしています。好きだという熱量は、きっと読んでくれた方に伝わるんじゃないかと思っています。
