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たった1本の線を引くだけで仕事の成果が最大化し、会社が変わる!?『仕事の成果を最大化するトヨタのすごい線』【総合3.7】

書影

仕事の成果を最大化する トヨタのすごい線
著者:OJTソリューションズ
発売日:2024年12月
発行所:KADOKAWA
価格:1,650円(税込)
ISBNコード:9784046065988

 

『仕事の成果を最大化するトヨタのすごい線』の要点

1.「線」とは基準・標準・方針を可視化するもので、正常と異常を判断し、秩序を生む基盤である。

2.改善とは「あるべき姿」と現状の差を埋める営みであり、線を引くことで課題が浮かび上がる。線は環境の変化に応じて更新し続ける必要がある。

3.線を引くことで属人化を避けられ、ヒューマンエラーによるミスを防ぐことができる。

4.まずは線を1本素早く引き、現場の声を反映させながら修正していくことが重要だ。

 

『仕事の成果を最大化するトヨタのすごい線』レビュー

「線」とは境界を示す単なる印ではなく、物事を規律づける基準や方針を形にする行為である。

本書が強調するのは、改善の出発点はこの線をどう引くかにかかっているということだ。線を引けば、正常と異常の区別が可能になり、現状と「あるべき姿」との差が明確に浮かび上がる。線が存在しなければ、不具合は問題として認識されず、改善は進まない。

組織に秩序をもたらすのもまた線である。基準や標準が定まれば、属人的なやり方に依存せず、誰もが一定の水準で業務を遂行できる。そこからはじめて、組織全体のパフォーマンスが安定し、問題解決のスピードも加速していく。

重要なのは、完璧さを追い求めて立ち止まるのではなく、まず一本の線を引いてみる勇気だ。仮に引いた線が現場に合わなければ、修正すればよい。変化に応じて線を更新し続ける姿勢こそが、改善を持続させる原動力になる。

線は、単なる業務の道具にとどまらない。線を引くことで組織は問題を発見し、秩序を保ち、働く人々は自らの行動の意味を理解できるようになる。線は、仕事の正否を判別する目印であると同時に、組織の未来を描き出す指針でもあるのだ。

小さな1本の線が問題意識を呼び覚まし、行動を変え、職場を成長へと導く––それが本書の示す核心ではないだろうか。

『仕事の成果を最大化するトヨタのすごい線』のもっと詳しい要約はこちらで公開中! 〉〉

 

『仕事の成果を最大化するトヨタのすごい線』が気になる方におすすめ

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著者:山口拓朗
発売日:2025年10月
発行所:かんき出版
価格:1,980円(税込)
ISBNコード:9784761278298