『方舟を燃やす』で第59回吉川英治文学賞を受賞した角田光代さん。最新作となる『神さまショッピング』が、9月25日(木)に発売されます。
本作は、『方舟を燃やす』から通じるテーマである「信じること」を題材に、自分なりの神さまを探し求める8人の物語を描く短編集です。
夫にも誰にも内緒でひとりスリランカへ向かった美津紀が、善き願いも悪しき願いも叶えてくれる神さまに祈るのは、ぜったい誰にも言えないあのこと。あの人と縁が切れるのならば、何を失ってもかまわないと思う鶴子が向かったのは、おそろしいほど強力な効力を持つといわれる京都の神社。ここならば私は許してもらえる、解放してもらえる。思い詰めて各地の寺院仏閣を訪ね、パリの奇跡の教会へ辿り着いた吉乃。
神楽坂、ミャンマー、スリランカ、雑司ヶ谷、レパルスベイ、ガンジス川。どこへ行けば、願いは叶うのだろう――。誰もが何かにすがりたい今の時代に、それぞれの方法で「私のための神さま」を求める8人の姿が描かれています。
小説の世界観を表現した、ヴィヴィッドな色彩の装画は、KAORU SATOさん(vision track)によるものです。ぜひ、書店で手に取って、この物語の世界に触れてみてください。
書誌情報
著者:角田光代
発売日:2025年9月25日
発行所:新潮社
定価:1,760円(税込)
ISBN:9784104346097
幸せになれますように。あの人にいなくなって欲しい。寿命を延ばして下さい。縁が切れますように――。誰にも言えない願いを胸に、ミャンマー、神楽坂、レパルスベイ、雑司ヶ谷、ガンジス川。どこへ行けば、願いは叶うのだろう。誰もが何かにすがりたい今の時代に、私のための神さまを求める8つの短篇集。
著者プロフィール
角田光代
かくた・みつよ。1967年神奈川県生れ。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。1996年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、2005年『対岸の彼女』で直木賞、2006年「ロック母」で川端康成文学賞、2007年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、2011年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、2012年『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、2014年『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、2021年『源氏物語』(全3巻)訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)、2025年『方舟を燃やす』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』他エッセイなど多数。