名探偵・赤ずきんがイソップ童話の世界で殺人事件の謎を解く! 人気シリーズ第4弾!
赤ずきんが探偵役となって、誰もが知る童話の世界を舞台にした事件の謎を解決する、という青柳碧人の連作ミステリ、第四弾が早くも刊行された。
第一作『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』と第二作『赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う。』は既に双葉文庫に入っており、第三作『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』と本書はソフトカバーの単行本である。
前作、アラビアンナイトの世界で活躍した赤ずきんは、指輪の魔人を呼び出して家に帰ろうとするが、途中で魔人が腹を壊して、空から墜落してしまう。
何とか木の枝に引っかかって助かったものの、通りがかったリスに指輪を奪われてしまった。リスを探す赤ずきんは、ブドウを取ろうとジャンプを繰り返す狐のライラスに出会う。
ちょうど村ではウサギのチュバスとカメのタトロスのレースが行われていたが、その最中にネコのカシュボスが何者かに殺害されているのが発見された。犯行が可能だったものは、果たして誰か?(「うさぎとかめは移動する」)
地下の町アントスにやって来た赤ずきんは、アリの巣のような家で暮らす5人姉妹の三女ガンナが殺される事件に遭遇。バイオリン弾きのジャコモが犯人として逮捕されるが……。(「信用できないアリの穴」)
赤ずきんの助けで池の女神から金の斧と銀の斧を手に入れたきこりのデンドロは、それを元手に鍾乳洞の地下スタジアムでギャンブルに興じるが、殺人事件の容疑者にされてしまう。(「オオカミ少年ゲーム」)
ようやく港町にたどり着いた赤ずきんだが、不実を働いたものを凍らせるイソップによって、町全体が凍り付いていた! この町で何が起こったのか?(「北風と太陽」)
イソップ寓話の教訓を盛り込んだ4つの事件は、トリックのアイデア満載で読み応え抜群。ユーモラスな筆致で描く本格ミステリの傑作である。
- 赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。
- 著者:青柳碧人
- 発売日:2025年07月
- 発行所:双葉社
- 価格:1,650円(税込)
- ISBNコード:9784575248302
双葉社文芸総合サイト「COLORFUL」にて『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』の試し読みが公開されています。
『赤ずきん、イソップ童話で死体と出会う。』の試し読みはこちら
『小説推理』(双葉社)2025年9月号「BOOK REVIEW 双葉社 注目の新刊」より転載
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